プロローグ
新作は前回の少年漫画風から一転、ダークな主人公のお話となっております。好き嫌いは分かれるかと思いますが、怖い物見たさな読者様にはぜひ、好かれるかと思います!
とある田舎町。木々が覆い茂った道は少し湿っぽく、薄暗い。真上の木々の間から木漏れ日が、地面に葉っぱの形を映す。速やかな空気。そのうねった道は少し坂道で、じわじわと足の筋肉が使われ、うっすらと汗をかいていく。
そしてその道を進むと、開けたところに出る。周りは木々に囲まれていて、その真ん中にこぢんまりと建つ神社。塗装は剥げ、毛羽だった木の神社。崩れ落ち、そのまま緑豊かなこの地面に吸収されてしまいそうである。
そんな神社だから、鳥居はとうの昔に強い風で倒された。今は、鳥居が建っていたと思われる二つの大穴のみが残されている。
ところでこの神社には、噂話がある。すでにない鳥居が、突然現れるとか。くぐった先には、現実そっくりな世界が広がっているだとか。
だれが言い出したか、奇妙な噂話。見たくて見に行ったって、見つけられない幻の鳥居。
そんな噂の神社から始まる、信じがたい物語。その主人公は、ちいと変わった少年である。
鳥居が出てくる前に大事なイベントが待ってます!次のページへどうぞ!