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猫の戦争  作者: 富山晴京
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第二話

 動画を見終わってから三日後には緊急招集の告知が私のもとに届いた。この緊急招集というのは前例のないことであった。猫とは元来、群れを作らないものである。自由気ままに行動することを旨とし、集団の規範には束縛されない(これが戦争をこれまでしてこなかった理由の一つでもある)。

 ところが今回は猫同士で気持ちを同じくする者がたくさんいた。ゆえに同志は集まり、いつしか会議というものが予定されたのである。

 私はその会議に招待され、そして出席した。

 会議はあまりに紛糾した。元来自由を好む猫は発言の機会も自由で、とてもまとめようがなかったのである。

 それでも何とか内容をまとめると、おおむね三つのことを言っていたことになる。

「あの天童光輝(動画の投稿者)という輩の行いは残虐ほかなく、またあのような行いをネットに広めてはばからないという思考はまさに狂人と言って差し支えない。あの男を決して許しておくべきものではないし、これ以上ほかの猫の被害を出さないためにも、一刻も早く対策を打つべきである」

「あの一事を見て人間すべての性質を決定してしまうのはあまりに時期尚早である。あの男はあくまで人間中でも特に異常な存在であり、ほかの人間はそれなりにまともかもしれない」

「果たして人間は猫を殺したところで一切心を痛めないほど残酷なのか、あの動画を楽しむほどに異常なのか、そのほかいろいろのことについて人間について知る必要がある」

 そしてこうした意見が交わされた結果、決定事項が下された。

「天童光輝は死をもって罪を償わせるものとする」

「人間についての調査を進める。この調査はネット上での情報収集が一つ、それから街を見回ることで人間の素行を外側から観察することが一つ、そして死んだ天童光輝と入れ替わり、人間社会にもぐりこみ調査をすることが一つ」

 そしてこのうちの人間社会にもぐりこむ調査、これに私は抜擢されたのであった。


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