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第四項 [ギルドカード]

いつもより長めです

ギルドカード作ります。


「それではこれからギルドカード作成に入りたいと思います。ユータさん、まずはこの杯に血を垂らして頂けますか?」アネットが差し出したナイフを使って盃に血を垂らす。


「一滴でよかったですか?」

「はい、大丈夫ですよ〜次はこの宝珠に手を置いてください。」言われた通りに手を置くと文字が浮かび上がった。ジョブの選択欄らしく、《バックアッパー、鑑定士、剣士、魔法士、拳闘士、隠者》と出ていた。

前に見たラノベで3つ以上出たらレアだとか言ってたっけなぁ…


「アネットさん、普通は何個出てくるもんなんですか?」

「一般の方で5〜7個ですね。昔、11個も出た人がいたそうですが、あんまし良いことではありません。適性が多いと言うことは器用貧乏みたいなものなので。」

「え?ジョブは、取ればとるほどつよくなるんじゃないんですか?」俺のラノベやゲームでの知識じゃそうだ、強いジョブの能力補正が重なるほどに強くなるはず...

「ビギナーの方には勘違いされがちなのですが、各ジョブにはメリットだけでなくデメリットが存在します。例えば鑑定士、バックアッパーは剣技や魔法などの奥義が扱えなくなりますし。鑑定士なら鑑定、バックアッパーなら体力と走力が上がる代わりに筋力が最低になり、付与術しか扱えなくなるんです。」


つまりどんな才能の塊でもジョブどうしのメリットデメリットの相性を考えないと無駄になるってことか。

「ところでユータさん!!何か珍しいジョブありましたか!?新ジョブ!!」

突然アネットが距離を詰めてきた

ち、近いな、こんなタイプの人だっけ?

「お!ユータ、アネットに新ジョブ聞かれるってことは素質あんだな。」

「どういうこと?」

なんでアネットさんが新ジョブ気にしたら素質あんだ?

「あいつ、ジョブマニアだからなぁ…ほらこれ」察した、ものすごく察した。

とりあえず、勢いのすごいアネットをなだめてベルセルから貰ったジョブの本を見る。


剣士、魔法士、拳闘士は一般的な職らしい

デメリットは左から魔法抵抗↓、物理抵抗↓、攻撃↓だ。一般的なだけあってそこまでデメリットも酷くない。ビギナーの内はこの三つと盗賊系ジョブの人でパーティを組むのがセオリーとのこと。


鑑定士、バックアッパーはデメリットの塊、アネットの説明どおり奥義は使えなくなり、鑑定士なら鑑定のみ、バックアッパーなら付与術しか扱えなくなる。ついでに2ndジョブが取れなくなるおまけ付き。

どちらもギルド務めか商人、バックパッカーをしている人がとるジョブなのだそう。


一通りは見たけど隠者の説明が無かったので未確認ジョブということになるだろう

「アネットさん、多分ですけどレアありました。」

「本当ですか!?どうされます!それになさいますか!?もしハズレでもギルドカード再発行すれば選び直せるので大丈夫ですよ!!」うわ、すごいイキイキした顔してる。ここだけ見たら残念美人だよなぁ

「そ、そうなんですか?ちなみに、隠者って奴なんですけど。」

「あ〜、隠者ですか...あれは使い手がいなかったんですよ。隠者は盗賊系3rdジョブに当たるのですが、そこまで行くと再発行後のレベリングが大変で冒険してみる人がいなかったんですよね。」

冒険者なのに冒険しないのかよ、頑張れよ...

まぁ確かにハズレだったら怖いもんな。

だから情報の多いジョブにして安定した狩りがしたかったのだろう。


うん、誰もやっていないならやるか!

名前もかっこいいし!

「じゃあアネットさん、隠者始めてみます。

どうせLv.1からだろうしハズレでも問題ないですよ。」

「はーい、では文字をつまんでカードの上に潰して下さい。そうしたら登録完了です!」

カードを受け取って手順通りにする。光をつまむのは少しこそばゆいけど、指に伝わる熱が心地よかった。


このあとは体育館で冒険ガイダンスがあるらしい

また移動だ。


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体育館についた。そこでまずはギルドカードについて説明を受けた。

カードにはランクがあり

鉄のカードはビギナークラス

銅ならG〜Eクラス、銀のD.Cクラス

金のB.Aクラス

そして特別なランクのSランクがある

(俺はダンジョン生還のお陰か、Fクラスからスタートだった。)

カードによってその恩恵も違う。鉄なら身分証にしかならないし、金になればギルドから定期的な給金があるそうだ。(ちなみに銅はギルド直営の宿が3割引になる。)

それとタブレットって言う魔道具にも使えるそうだ。

使い道やランクについては以上の通り。

次にクエストの受け方、受ける時の注意

パーティの申請方法について聞いた。

パーティはランクが一番低い人にクエストを合わせないと行けないから注意しろとのこと


最後に集団戦闘の訓練と魔素適正検査(魔石に血を垂らす)をしたら、この日は解散になった。

明日は武技の訓練らしい。


「おう、ユータ!飯食いに行こうぜ!」

クタクタの身体を動かして広間に戻ると、ベルセルが待っていたのか顔を見るなり近ずいてきた。

「はぁ、顔がうるさい」

「ひでぇよ!?」

顔だけじゃなく声もうるせえな、拗ねんなよオッサンが...まぁいいか

「丁度いい、聞きたいことあったんだ。ついでだから宿と装備整えられるとこ教えてくれよ」「お!そうかそうか。よーし俺に任せとけって!」ベルセルが嬉しそうにしているが、ニヤニヤしながら小踊りする成人男性とか恐怖以外のなにものでもない

「キショいぞ、おっさん」

「ははっまずは腹ごしらえだ!美味いとこ行くぞー!!」

「…………………。」

単純だなこいつ。なんだか笑けてきた


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「よーし着いたぞー『招き猫亭』だ!ちなみにオススメは魚のフライ、なんの魚か分からねーけど脂がのってて美味いんだこれが!」

「魚か...じゃあそれにするか。」

「なんだよ、あっさりだなお前。もうちと他の料理にも興味もてよ!」

本気でウザいな、ベルセルは今後調子に乗らせないようにしよう。

「おばちゃーん!魚のフライ2つとポッカの肉炒めもってきてくれ。」

「あいよーっ!」

店内はなかなかいい雰囲気、外の酒場と違って厳つい男達もいないからゆっくり出来そうだ。


「お待たせ、魚のフライと肉炒めだよ!あんた新人冒険者だろ?パン、サービスしといたから腹いっぱい食べて頑張ってね。」

「ありがとうございます。」

フライの魚はキスみたいな食感で脂がのっていて美味い、ポッカは豚肉のような見た目をしているのでこっちの豚みたいなもんだろう

付け合せのパンは、異世界でもフワフワしていた。つまり美味い

「んでおめー、聞きたいことってなんだよ?」

まだ食ってる途中でしょうがぁ!!

仕方ねえオッサンだな。しゃーねぇ...

「あー、この世界について教えて欲しいんだ。」

「この世界のってお前よ...あ、そうか記憶ねんだったな...」

怪訝そうな顔をされたけど、一応記憶喪失扱いだったから教えてくれそうだ。

「そうだなぁ...ざっくりでいいか?」

「大丈夫だよ、地理が大体分かればいいから。」

細かいとこはベルセルには分からないだらうしな

「んじゃざっくりと、まずこの世界はベルダン、サム、アリンタールの三大陸から成り立つ、んで俺らがいるのがベルダン大陸の一番南。べディータ王国の領内な。あ、ベルダンには国が3つあるぞ、べディータとターター、あとジャスタな、とりあえずそれだけ覚えとけ...他には?」

とりあえず今いるとこは分かった。

次は情勢とか聞いとくか。

「その三国の関係だけ教えて、あとはいいから」

中断された飯を早く食べたいしね


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飯を食べ終えて次に向かうは服屋、盗賊系なら軽装が一番!という事らしい。鎧とか着てみたかった...

ベルセルに案内されたのは、『針鼠屋』三大陸で名の知れた魔布服専門店らしい、いわゆるチェーン店だ。

「いらっしゃいませ、ベルセル様。

今日は何をお探しで?オススメは先日入荷致しました龍布のコートです。一級品ですよ。」

「ははっ今日も商魂逞しいな、ラットリア

今日は俺のじゃなくてこいつの服が欲しいんだ。」

「この方ですか?はぁ...ではこちらへ」

なんか失礼だなこいつ、商人なら人の顔見て態度変えるなよな。

「では、ごゆっくりお選びくださいませ。」

「え?」

放置かよ、まぁいいけどさ...雑じゃね?

泣きそうなんだけど…

気を取り直して選ぶか…

ズラッと並ぶ服を見ていくけど、どれもパッとしない。盗賊用の服しかないからか、異世界のかっこいい服みたいなのが無い。ちょい高めの服でも見に行くか、と思ったらブレザーっぽいのが目に付いた。

俺の学校学ランだったんだよなぁ…

「これにします。いくらですか?」

「ブラックウルフのフランネルジャケットですね。金貨10枚でございます」

すぐに金貨を出して支払う

ダンジョンの金があったから余裕で買えた。

おかげで、ラットリアの態度も軟化してシャツをオマケで貰った。アイアンアラグラスという蜘蛛の糸で織られていて普段は軽いが衝撃を受けた時だけ硬くなるそうだ。

ついでにクロップドパンツみたいなのも買っといた。

「おぉ、なかなかいい格好になったじゃねーか!んじゃ次は武器だな。ラットリア、また来るな。」

「ラットリアさん、ありがとうございました。」

「はい、またのお越しをお待ちしております。ベルセル様、ユータ様。」


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最後に寄ったのは『コラータ鍛冶具店』

ドワーフに会えると思って勝手にドキドキしたけど、この店は鍛冶の得意なドワーフ族じゃなくてダークエルフの女が槌を振っていた。

「ようレフィ、調子はどうだ?」

「ベルセルか、ぼちぼちやってるよ。

あぁそうだ、今度魔甲蟲の外殻取って来てくれ。ん?そいつは?」

「ユータです。一応新人冒険者です、よろしくお願いします。えぇと...」

名前なんて言うんだろ...レフィって愛称だよな?レフィーア?レフィータ?

「あっ、レフィー・コラータここの店主だよ。よろしくね」

「はい、よろしくお願いしますね、レフィーさん。」


「んでこいつの武器が欲しいんだ、レフィお前の短剣で一番切れ味良いのどれだ?」

「短剣ならそこの奴。昔竜の爪見つけたから打ったんだけど、見た目に反して切れ味ヤバ過ぎたから売りに出してないよ。それよりもっと使いやすいのにしなよ〜」

これはククリ?いやコピスか、かっちょいいな!売りに出して無いっていうから譲って貰えればいいんだけど、なんか他の勧められてるし...

「レフィーさん、俺あのナイフがいいです。何とか譲って頂けないですか」

「え!?あれをかい?うーん...どう思う、ベルセル」

「そうだなぁ、とりあえず明日の演習でスキル確認してからだな。あんまり攻撃的なのだとまずいしな...」

半人前がいきなり強くなったらすぐ死ぬとかそういう話だろうか。ベルセルの顔が曇る

「じゃあ、明日の演習で大丈夫そうなら良いですよね!」

「ん?あぁいいよ、明日演習が終わったらベルセルに大丈夫か聞いてくれ、それまでこれ使ってな」

代わりのナイフを貰った。なんでもレフィーが造った武具は属性魔法が付与されているから他よりもいい物らしい。

今回のは水魔法が付与されているから炎魔法を防げる。

「ありがとうございます」

レフィーに感謝を告げて宿に向かう。


宿はベルセルと同じ所になった。風呂付き、朝食付きで1ヵ月銀貨16枚、かなり安い。ギルド直営ではないので、駆け出しには良心的な値段だと思う。

「ふぅー、疲れたー...」

バフッと綺麗なベッドダイブを決めたら明日の演習にむけて今日買った物の整理をする。大体は、ダンジョンに入って行うみたいだから、ちょっと乗り気になれない時折来る眠気のせいで準備怠いな〜とか思ってしまう。とりあえずポーションと解毒の魔石だけポーチに入れたし、 眠気に任せて眠ることにしよう。


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そんなユータを遠くから見つめる影が一つ。

『...やっと見つけたよ。』

そういうと、静かに宵闇に溶け込んでいった。



職と宿を手に入れたユータくん、果たして無事コピスを手に入れることが出来るでしょうか。

次回。女の子そろそろ出します

バカ息子ユータくん、共々よろしくお願いします

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