第一項 [朝焼け]
駄文を垂れ流しますが
ダメ息子ユウタ君諸共よろしくお願い致します
楽しんで頂ければ幸いです
※自殺表現あります大丈夫だとは思いますが苦手な方はご注意ください
-ピピッピピッピピッピ-カチッ-
時計の喧しいアラーム音を止め、目を覚ます
手早く身支度を済ませ誰もいない食卓につく、食事をとったら家を出る。これが高篠ユウタの人生で最後のいつもの朝だ
ユウタは目立たない人間だった。
特にこれといった特技がある訳でもないが、
成績は常に上位5位の中に入っていたり、足が速かったりと、同年代の子ども達からしたら人気があっても良さそうなのだが、何故か目立たなかった
どうやらユウタは影が薄いらしい
ユウタ自身もそれを自覚しているが、流石に周囲からの空気な様な扱いにはうんざりしていた
クラスメイトからは「そんな奴いたっけ?」状態で、唯一の頼みの綱である教師達も名簿を見なければ気付かない位なのである
親ですら気付けない時があるようで、
誰からも相手にされないこの世界に嫌気がさす
別に周りの人達は意識してこのような仕打ちをユウタに強いている訳では無い、それは分かっていた
しかし、だからこそユウタはそれが許せなかった
目立つためなら何でもした
良いこと悪いこと気にせず何でもした
それでも誰にも相手にされない、まるで世界に存在から否定されてるように
自分がなにかしたのだろうか?
人に相手にされたいと思うことがそんなに悪いことだったのだろうか?
もう何かもがどうでもよくなってきた
この世界に自分の居場所なんて無かった
こんな世界にオサラバする
そう決めて家を出たのだ
この辺りではそこそこ大きい学校の屋上から跳ぶ。それで終わりだ
学校に着き、すぐ目的の場所を目指す
屋上には早くから来ている生徒達が楽しそうにしていたどうせ気付かない、誰がいようか関係ない。柵の外に立ち、目を閉じ改めて過去を振り返る
朝焼けがユウタの顔を照らす
ゆっくり、目を開く
結局最後までユウタに気にかける人はいなかった
もうこの世界に未練はない
「さようなら」
ユウタがいなくなった屋上には変わらず笑い声が響いていた
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気が付くと右も左も分からない空間にいた
「やぁ目が覚めたようだね」
-誰だお前は-
「私は神様だよ」
-なんだ?胡散臭いな-
「まぁ信じられないとは思うけどね…」
-いまあっちはどうなってる?-
「君が飛び降りてからあっちでは4日ぐらい立っていてね、かなり注目されているらしいよ。 よかったね」
何がよかっただ、もうあの世界に未練は無い
ここがあの世とか言う場所ならさっさと連れて行って欲しかった。
「君には実は呪いが掛かっていたんだよ。
きっと君の才能に嫉妬したんだろうね
対象の生命を透過する呪いが掛かっていた」
「君には、長い間苦しんでいたお詫びをしたい。本来なら、これはすぐさま私が解かなくてはならなかったんだけど...
生憎、最近は君のような子達で忙しくてね」
「君には新しい生命を約束しよう。
呪いも別の形にして有効活用できるようにする。これからは誰彼構わず相手にされないなんて事は無いだろう
...なにか質問はあるかい?」
-まずは高待遇について礼を言うよ、ありがとう。 それで、新しい生命についてなんだがあの世界はやめてくれ、あとここでの記憶は消してくれ、それだけだ-
「分かったよ
それでは君の新たな生命に祝福を、次の生命は大事にしてくれよ」
神の声が途切れたと同時に意識がとぶ
次の人生は人並みだといい
次話、転生します
転生先でユウタ君を待っていたものとは...?