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クエスト・出発

俺とルオが恋人同士になって約一週間が経つ。

以前より仲は良好になってるし、未だに手を繋ぐくらいしかできてないけど特にこれといったこともないし、本当に何もなく、適度にイチャついてるくらいだ。


さてと、今日は前から言われていた初クエストの日。

どのクエストをやろうかと、ギルドボードの前でウロウロすること20分…。俺が行くとなると、この世界についての知識が劣っているので、ルオを案内役としてつけろとマスターに手紙で言われた。

ちなみにそのマスターは、現在出張中である。


「ねぇ~シド~お~そ~い~~」


「ん~解ってるって…このクエストはさすがに難易度高いかな…『青龍討伐願い』…」


「青龍はやめといた方がいいよ!ゼッタイダメ!!」


「え?そんなに…」


「生半可な魔導士が迂闊に神龍の類いのクエストに行ったら、二度と帰ってこれなくなるよ!それでもいいの!?」


「おうぅ……いや、でもさ」


「でもも杓子もない!取り敢えず、せめて『火竜フレイムドラゴン討伐』で我慢しなさい!」


「はい…」


クエストの事となるとめっちゃ厳しいな…


それもそのはず、ルオはここのギルドの受付嬢なのだ。仕事中のルオを見るのを目当てに一般人が来ることも多い。実際、先程もオッサンが3~4人来た。


まあ、「俺の彼女に何かようですか?」的な態度をとったら帰ったがな。


「じゃあ、取り敢えず火竜で我慢するか…ルオ、スタンプ宜しく」


「OK!…ポンっと!」


ルオがスタンプを押した用紙を読んでいくと……


『火竜フレイムドラゴン』

部類:討伐

場所:鉱山

契約金:0ベル

報酬:9万ベル


「…報酬9万て高くね?」


「いやいや~さっきの青龍は億単位だよ!」


「億ぅ!?」


因みに、この世界の単価のベルは1ベル=1円らしい。


ルオがギルドの裏門の方に馬車を待たせているらしい。ルオが一足先に車へ向かう。


俺が門を開けると同時に人が入ってきてぶつかってしまった。


「ぅおっ!…すんません…」


「ん?誰だ貴様、見ない顔だな?新入りか?」


そいつは白の軍服に、黒のブーツ。髪色は絹のような白、目の色は所謂オッドアイで右目が赤で左目が蒼だ。顔形が整ってるし、間違いなくイケメンの類いだ。。

更に極めつけは左手の4つの指輪と、右耳の紫のピアスだ。現代風に言えばおしゃれ重視のチャラ男、でもこの世界で言えば貴族という方が聞こえは良いだろう。


(初対面に向かって貴様って…絶対友達いないだろコイツ)

「あぁ、俺はシド。一週間くらい前からこのギルドに世話んなってる。宜しく」


俺は握手をする為、手を出した。


「あぁ。俺はミカド。ミカド・クオウだ。呼び捨てで構わない。まあ、宜しく」


そう言って固く手を交わした。


「…お前、禁術持ちか?」


「お、おう。なんで分かった?」


「いや、握手の時に、魔力の流れに違和感があった。実を言うと、俺も禁術持ちだ」


そう言って、ミカドは右手の手袋を外し、琥珀色の王冠のレリーフを見せた。


「…!お前、何の禁術?俺は武具召喚魔法の刻印らしいけど」


「俺のは、少し変わっててな…『最後の(ラストオブキング)』という、この世界を支配した5人の王達の力を使うことが出来る。まあ、いずれ見せるさ。

それより、恋人を待たせるのも悪いだろう?

早く行かんと、怒られるぞ」


「あぁ、そうだな。じゃあ行ってくるな」


「…シド」


「ん?」


「……呉々も、ルオを悲しませるなよ」


「…当たり前だ!」


ミカドに別れを告げ、馬車に乗った。

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