表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

魔法の使い方

もう少しで太陽が真上に昇る。

今はルオとギルド裏の広場で魔法の勉強をしている真っ最中だ。


「それじゃあ炎魔法の順は?」


「小さい方から、『ヒート』『ファイア』『プロミネンス』……?」


「ブッブー!!正解は、『ファイア』『プロミネンス』『インフェルノ』でしたー!」


……やはり勉強はいつの時代でも嫌いだ………


「『コルド』『アイス』……『エイジ』?」


「おお!正解!良くできました~」


そう言って、ルオは俺の頭をワシャワシャ撫でてくる。正解する度にこれだ。俺には母がいるが、生憎厳しくて、頭を撫でるどころか誉めてくれた経験すらない。

だからこうして年上の女性に撫でられると、恥ずかしい気持ちになってしまう。


「うぅ…ルオ、もうやめてよぉ……」


「あ、ごめんごめん。つい、弟を思い出しちゃって…」


「ルオにも弟がいるんだ」


俺がそう言うと、ルオは少し悲しそうな表情で、


「アタシにも、弟がいたんだ、五つ下の……シドみたいにかわいい奴でさ、勉強が苦手で、減らず口ばかり叩いて……もう死んじゃったけど…」


語っている彼女の顔を見るとうっすらと目に涙を溜めていた。


「あ…なんか、ごめん…」


「いや、良いんだよ……それよりさ!早速、実践してみようよ!」


「出来るかなぁ…失敗するかもしれないし……」


「だいじょーぶ!!火傷でもしたらアタシの水魔法で冷やしてあげるから!」


あとから聞いた話だが、ルオはギルドの中でも優秀な魔導師らしく、水魔法で右に出るものは居ないという。


「じゃ、やってみるよ」


そう言って俺は立ち上がり、詠唱を開始する。


『我が右手に熱き炎を宿したまえ』


「インフェルノ!!」


「ええっ!?初心者には厳しすぎる!!危ないよ!」


シドの危険を察知してルオも急遽、 詠唱をした。


『わ、我が左手に大いなる激流を━━━━っ!?』


ゴオオオォォアアアッ


「熱っ!!」


掌が燃える感覚に襲われる。こんな痛み、今まで感じたことがないっ!


「えええっ!?!?なんで出来ちゃうの!?」


俺がインフェルノを発動させた光景に驚きの声をあげるルオ。

自分でも驚いてるよ……。あと手がクソ熱いです。

自分の手を見てみると、所々火傷や、早くも水ぶくれが出来ていてヒリヒリする。皮膚が裂けているところもある。


「うわっグロいな~…めっちゃ痛え……」


なんて唸っていると、ルオが駆け寄ってきて火傷がひどい手を握り詠唱した。


『我が手に治癒の力を与えたまえ。そしてこの者の傷を癒したまえ』


「リペア」


ルオが唱え終わると、みるみるうちに火傷が治まり、水ぶくれが消えていった。

いやそれより・・・


(ルオの手めっちゃ柔らけえええええええ!!!)


ヤバイ!ヤバイって!!なんかもう温かくて、柔らかくて、なんかもう(2回目)ヤバイ!!


(あれ?なんか…急に、眠気と……疲労感…が………)


「え!?シド!?おきて!?シド!」




この日、魔力切れで軽く10時間は寝たという。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ