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プロローグ
互いに愛し合うという事は
お互いに見つめ合うのではなく
同じ方向を見つめるものだ
サンテグジュペリ
『人間の土地』より
「ねぇ先生……。先生も日が沈むのを見るのは好き?」
――どうした、急に?
「星の王子さまはね、夕日を見るのが好きで、寂しい時にはいつも夕日を眺めてたんだよ」
――……そう。
「時にはね、一日に44回も夕日を見た事もあったんだって。きっと星の王子さまって寂しがり屋さんだったんだね」
――……………。
「ねぇ先生、私が寂しい時には……、一緒に夕日を眺めてくれる?」
――……いいよ。
「ホントに!?」
――あぁ……本当だ。
「約束だよ! 先生!」
――約束するよ。
君の寂しさがなくなるまで……
僕は、君の横で一緒に夕日を眺めてあげる。
ずっと……
ずっと……
星の王子さま
―ma petite fille―
作 あいぽ