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黒歴史

2年が経ち7歳になった。



そして俺は今、都市2層のお気に入りスポットで景色を眺め黄昏ている。



拡がる自然。農耕地。心地よい風が吹きここに来れば誰もが穏やかな気持ちになれる、そんな場所だ。






何故こんな所に居るかって?そうだね説明が要るよね。



話をしよう、あれは今から2年前、いや1年前だったか?まぁいいか、私にとってはつい昨日の出来事だが、『新魔法』の開発に着手した。


まず思いついたのが某有名な大魔導師十八番の極大消滅呪文メドロ○アだ。

魔法とはいえばまずはこれかなと思った。それが失敗の始まりだ。


俺は試しに両手に魔法が発動出来るか実験をしたが難なく成功した。

気をよくした俺は出力を上げて実践してみるが本家よろしく、火の出力が強すぎて失敗の連続だった。

そもそも弱い魔法だと簡単だけど攻撃魔法として使えるLvだとその難易度は跳ね上がる。

ならまずは両手で魔法が使えるようになればいいじゃん!と楽観的な考えで練習に励むのだがこれがまた失敗の始まりだった。総合的にはプラスだったけど・・・。


ここで覚えてくれてる人がいると嬉しいが俺の得意魔法は火土光闇だ。


そう水の適正が無い・・・最初から失敗するのは規定路線だった。

でも気づかない。そこに『浪漫』があったから突き進んだ。





そして1年かかって両手で魔法の発動が可能なLvになり思わぬ副産物が生まれた。

『魔術刻印』一般的に魔術士高位クラスから発現すると言われているがその確率はかなり高い。5割6割は発現するそうだ。

効果は一般的に消費魔力軽減、魔力向上、得意属性の強化だ。

魔術刻印にはLvがあり儀式によって習得も出来そのLvは1で消費魔力の軽減か魔力向上のどちから得られる。

魔力を流すとどちらかの肩付近から二の腕辺りに紋様が現れる。Lvがあがると紋様の範囲が増えるので解り易い。



さて肝心の俺はと言うとだ聞いて慄け!

肩甲骨一帯と肘にまで届くほどでLv3の発現だ!

俺は生まれつき魔力の上限値が低いの魔力向上の恩恵はかなり有難い。

さて感じの効果だが消費魔力の4割軽減、魔力の貯蔵そして極めつけは!?

魔法並行処理つまり魔法を発動させてストックさせる事が出来る極めて異能な効果を持っている。







うん、知ってた知ってた・・・。結局微妙だってさあ~。お約束だよね~。


俺一人で魔法兵1個中隊に匹敵するらしい。魔導師クラスの魔力なら連隊規模だっただろうとメリー先生は言っていた。

正直あれ?これって無双出来るんじゃね?と思ったけど高位の魔法バリアで

近づきさえすればそれで詰むのでなんとも微妙という評価だ。

ま、案の定期待はずれだったわけさ!






閑話休題




そして満を持しての消滅呪文の開発を始めた時に俺は思い出したわけだ。


あっ俺水属性あかんかったわ・・・。


と・・・。気付くタイミングは幾らでもあった。でも見事に気づかなかった。



俺は自分の馬鹿さ加減に怒りが有頂天になり。買い食いしまくった。

徹底的に食い漁ったさ!それしか出来なかったからね!





翌日からは本命の『召喚魔法』の開発に移行した。

これは正直、勝ち確定事項のチョー安牌だ。

何故ならある魔導師が魔法陣の研究中、想定外の自体が起こり魔法陣の中から

小鳥が召喚された事案があったらしい。

この時の事件は笑い話として終わったと聞いたけど



俺は確信した。召喚魔法で俺TUEEEE!来るでと、むしろ今度こそ叶えると!





そうして俺は魔法陣の開発を始めた訳だがこれがまた苦労の連続だった。

まず魔術言語の膨大な数の習得、これは発音するのと違い書く必要があったので

眩暈がしそうになった。

解り易く言うと英語、ロシア語、ドイツ語、ハングル文字、象形文字などを完全に習得して文字自体をさらに組み替え造語を造る必要が出て来たからだ。

例としてはABと書く、意味はエービー本来ならこれが魔法となり発現するが

魔法陣として書くと意味はシーとなるこれは二つの文字が干渉した結果生まれる現象だ。こう言った現象がそれこそ無限の様にある。上下左右に書かれた魔術言語の組み合わせで一つの複雑な魔法陣描くのは何年かかる解らない。





だが俺はやってやった。一つの小さな魔法陣を作り出した。

それは各属性の強化だ。この魔法陣一つでそれが出来る。

とは言えオフレコなんだけどねー。バレルとヤバイ、冗談抜きでヤバイ代物だ。

魔法陣を作ってる時に気づいたが魔力があれば使える魔法陣の汎用性はヤバイ。






これはまだ序章だ、

まだ見ぬ眷族召喚の為魔法陣作成の日々はまだ始まったばかりだからな。


そして俺はこの魔法陣開発にあたり検証レポートを凄い枚数が出来てしまったので、まとめて本を作ろうとしている。

お母様は俺の魔法陣研究を知っていてその危険性も最初に教えてくれた。

規模が大きくなる前に俺だけが見れる様に管理した方が言われたからだ。


特殊な素材で作られた装丁、魔術ギルドの秘儀で生み出した用紙これは魔力を流せばページが増えるという立派なチート技術だ。そして極めつけはギルドの最高導師のユニーク魔法空間魔術を使い、俺だけが空間から取り出せる様に設えた物だ。血を垂らして認証登録したけどさ、これぞ魔術!みたいなに思ってテンションあがった。マゾではないよ?本当だよ?





そして余りの中二病を全開に作り出された魔導書を受け取り狂乱した。

歓喜乱舞、黒歴史全開だ。その姿を俺は遊びに来た。アンジュとマイに見られ。


笑いを堪えながら二人に、


「あ、う、うん・・・えっと何も見てないから、わ、わたしは・・・」

「大丈夫だよ?」





死にたいって思った。殺してくれと。

あんな痛ましい『大丈夫だよ』って台詞聞いた事ねーわ!ボケが!と





当然の様に俺は全力で、筋力向上を脚に全力でかけてまで一迅の疾風の速さで俺は走った。そして今に至る。










魔導書【ガルドラリウス】





そう俺は名付け、風に靡かれ俺は今日一日佇んでいる。


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