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南島十夜の仮面生活

更新です(*^^*)みんなが大好きオカマ回です!


間章は今回のオカマとはじめちゃんのお話を予定してます。全部で四話ぐらいになるかと。


それではどうぞ。

 冬。いつからそうなったのかは分からないが、その日は恋人たちがお互いの愛を深め合う日で。そんな日に俺、南島 十夜は生まれた。

 後になっておふくろから聞いた話によると、親父は俺が生まれてそりゃあもう超が付くほど喜んだらしい。散々甘やかされてたらしく、俺が店の皿を割っても何一つ文句も言わず、別に怪我なんてしてねえのに病院に駆け込んで看護婦さんに追い返されたとか。

 そんな暮らしが二年続いて、今度は明日香が生まれた。生まれたのが女の子ってことで、俺以上に可愛がっていた。

 しかし、そんな幸せも長くは続かなかった。親父が体調を崩し入院。店の方もそこからガクッと客足も途絶え、続けていくのも難しいくらいだった。何とかおふくろが頑張って店を開けていたが、料理もろくにしてこなかったおふくろが初めて作る料理は客足が離れていくのを助長させるだけだった。

 そして、訪れた親父の死。病院側の努力も虚しく、親父は静かに息を引き取ってしまった。親父が亡くなってからしばらくはおふくろも抜け殻状態で、幼い俺と明日香はどうしようも出来なかった。


 それでも月日が流れ俺が小学校の高学年になる頃には、おふくろも俺達も親父の死を受け入れて普通に過ごすようになっていた。そしてその頃からおふくろは店を普通の料理屋から酒類中心のバーへ改築して経営をしていくようになった。詳しい理由は聞いてないが、抜け殻状態の時に浴びるほど飲んだ酒が原因だと俺は思ってる。


 元々美人の部類だったおふくろが、夜の店をするということで客足も復活の兆しを見せた。俺が中学にあがる頃には、昔の常連や新規でもおふくろの店を気に入った人間が足を運ぶようになり、店の方も前ほどではないが安定するようになった。

 俺もこの頃から本格的に店の手伝いをするようになった。夜の店って事もあり、見たくない現実や欲望、人間の汚れた部分なんてのは嫌でも目につくようになった。おふくろに手をかけようとした客なんてざらにいた。まあその時は、昔からの常連が守ってくれたりしたわけだが。そんなんだから俺もやり方ってやつを変えた。このままじゃおふくろも明日香も守れないと思ったから。まあそれが今の俺の『仮面』にもなっているオカマっぽい立ち振舞いだ。



「十夜ちゃーん! お皿用意してー」


「はーいママーン!」


「お、十夜の坊主。随分店の看板っぷりが板についてきたじゃねえか!」


「んもぅ! おじさん、坊主なんてまぼろしーー!」

 店内には笑いが溢れていた。これが幸せだと思ってた。いや、思おうとしていたんだ。

 だから最初にあいつを見たとき、すごく腹が立った。何も知らずにぬくぬくと育ったお坊っちゃんがと思った。でも、そいつとつるむようになってすぐに『あぁ、こいつはこいつで不器用で必死なんだな』と思うようになった。



 まあそんなこんなで、そいつと仲良くなって…。え?仲の良い感じが見られない?あいつは恥ずかしがり屋だからな。


 とにかく俺達は、はじめちゃんの別荘に招待された。そこで味わった恐怖を俺は絶対に忘れない。



─────


 青い空、白い砂浜、広がる海、爽やかな潮風。一言で表すならまさにバカンスといった雰囲気の似合う場所だ。俺達はそんな所にやって来ていた。

 きっかけは雷斗の幼馴染みである優香里ちゃんが、坂上 一って子の別荘に誘われた事だ。ちなみに、優香里ちゃんにはすでに俺や伶以子ちゃん、雷斗が『仮面生活者』だってことは知られてる。


「少し遅れるってさ」

 ほらっと言って俺達に携帯を見せながら優香里ちゃんが呟く。誘った本人が遅れては、俺達にはどうすることも出来ない。

 先走る気持ちを抑えつつ、頭の中で女子たちの水着姿を妄想する。あ、一応今更かもしれないが俺はちゃんと女性が好きだからな。


「さっきからお前挙動不審だぞ…」


「え?」

 どうやら妄想する姿が、怪しかったらしい。自重しないとな。


「おぉーーーい!!」

 そんなやり取りをしていると、どこからともなく女の子の声が聞こえてきた。声のした方向へ目をやると、ツインテールをゆらしながら走ってくる一見小学生かと思ってしまうほど幼い外見の女の子だ。


「あ、はじめちゃん!!」

 優香里ちゃんがそう言って手を振る。ってことはあれが金持ち高校生か。確か天は二物を与えないってことわざはこう言うときに使うんだよな?


「やー、メンゴメンゴ!! 準備とか色々手間取っちゃった♪ 執事が私も途中までとかうるさくてねぇ」

 息を切らしながら、目の前の少女は俺達にそう言った。執事ってほんとにいるんだ。すげえな。

 俺達はお互い簡単に自己紹介を済ませ、はじめちゃんの案内で別荘へと入る。


「うはーー! すげぇ広い!」

 思ったまんまのことを、思わず口に出してしまう。それぐらいはじめちゃんの別荘は広かった。


「喜んでもらえて何よりだよー!」

 はじめちゃんも悪い気はしてないらしく、笑顔で答えてくれた。


「部屋はそれぞれ一人ずつで使って良いよん」


「マジで?!」


「マジさ!!」

 金持ちってやっぱすげぇ。はじめちゃん、発育不足の小学生とか思っててゴメン。


「南島君?」

 心のなかで手を合わせて謝っていると、はじめちゃんが不審に思ったのか首を傾げていた。


「なんでもないよ! はは…」

 そう言って逃げるように俺は、自分に当てられた部屋に向かう。さすがに面と向かって女の子にそんなことは言えない。


 部屋に入った俺は、さらにテンションをあげる。

 ベッドはシングルサイズでも大きい方で、ゆったり足を伸ばせる。テレビも設置されており、サイズもこれまたデカイ。窓もついてて、外には先程見ていた海が見える。


「どんだけーーー!!」

 窓から思いっきり叫んでみた。叫ばずにはいられなかった。後悔はしてない。


 一通り部屋で楽しんだ俺は、水着に着替えて雷斗の部屋へと向かった。


「おーい!! 雷斗、早くいこうぜ~」

 部屋の前で、俺は声をかける。


「…へいへい」

 すると中からすごくやる気のない返事が返ってきた。こいつはこんな所まで来て、なんでこんなテンションが低いのか。

 少しムッと来た俺は、何か雷斗に悪戯をしてやろうと思った。ちょうどそのとき向こうから水着にパーカーを羽織った伶以子ちゃんがやって来るのが見えた。部屋の中からは着替えている音がする。良いことを思い付いたぜ。


 伶以子ちゃんが部屋の前に来た瞬間、俺はわざと大きな声を出しながら雷斗の部屋のドアをノックもせずに開けた。


「おぉーい!! まだかかってんのか!?」

「キャ!?」

 部屋を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは男の尻だった。伶以子ちゃんも反射的に部屋の中を見てしまったようで、頬を赤らめながら雷斗の尻を見ている。当の雷斗は、数秒間フリーズした後に顔を真っ赤にして叫んだ。


「っーーー!! 早く閉めろーーーー!」

 うん。俺も満足したから閉めます。


 悪戯が成功したことに満足した俺は、みんなが集まっているリビングに伶以子ちゃんと共に向かった。

 リビングについても終始赤面していた伶以子ちゃんを見て、さすがにちょっと申し訳ない気持ちになったけど。それでも、あの時の雷斗の顔は傑作だった。


 今思えば、この悪戯のバチが当たったんだろう。あれほどまでの恐怖を味わうなんて思ってなかった。





如何でしたか?少し説明っぽい感じになってしまいましたが(-_-;)


お気に入り登録、評価。誠にありがとうございます!!


これからもよろしくお願いしますm(__)m

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