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東川雷斗の仮面生活~生き甲斐~

前回の続き♪主人公の視点です(*^^*)

 着替えを済ませ、『本当の自分』の時間を楽しむべく俺、東川雷斗は都内の方面へ歩いていた。



しばらく歩くと、やがて街が徐々に人で賑わってきた。 そこで俺はいわゆる風俗店が軒並ぶ路地に向かう。

別にそういう店に入店するためではない。それに元を正せば俺は高校生だ。その辺の身の程はわきまえてる。 俺がこういう路地に来るのは、同じヤンキーを求めてだ。





 俺はあまり自分からケンカを売ることがない。何故なら絡んでもらった方がはるかに『楽』だからだ。


好戦的なヤンキーなら、一人でこんな格好で歩いてる人間に絡まない訳がない。 なので、俺は今まで二種類の人間としかケンカしたことがない。

一つは、同じ好戦的な人間。

もう一つは、一般人に絡んでいる俺の嫌いなタイプの人間。




俺にも一応ポリシーってやつがある。それは一般人に手を出さない事だ。 なので、一般人に絡んで大きな顔をしているやつが俺は大嫌いだ。


そういう奴にたいしては自分からケンカを売る。まあ、たちが悪いのが多いのも事実だが見過ごす事は俺のポリシーに反するってわけだ。




と、そんなことを考えながら歩いていると声をかけられた。




「ねぇ、あんたいい男ね~。よかったらうちの店によっていかな~い?」



ただのオカマだった。




よくみると随分若い。俺と同い年ぐらいかもしれない。


まあ周りには風俗店ばかりなので、こんなオカマがいてもおかしくないか。どうでもいいけど…


「あらちょっとやだ。無視~? つ・れ・な・いーー!!」


「うっせぇな。オカマにゃ用はねぇんだよ!」


「ひ・ど・す・ぎーー!!」



俺は、もうオカマを完全に無視しながらひたすら歩く。

すると、目の前では不良が二人、白いワンピースを着た女性に声をかけていだ。その女性はオドオドしていて目には涙を浮かべている。


どうやら、俺の嫌いなタイプの人間に出くわしたようだ。

やれやれと思いながらも、ケンカができる喜びで顔が少しにやける。 俺は拳を鳴らしながら近づこうとすると



「やめといた方が良いわよ~。あいつらこの付近じゃ有名な不良グループみたいだし~」



まだいたのか。このオカマ…


「だからって見過ごす訳にゃいかねぇだろ」


「あらまぁ、正義の味方~? し・び・れ・るーー!!」


「そんなんじゃねぇよ!」

そう言い捨てて、俺は不良たちに近づく。


「知らないわよー!」




叫ぶオカマを尻目に、不良たちに声をかける。


「おい」


「あぁん!?なんだテメーは?」

「今どき特攻服とか、何時の時代だよ(笑)」


「一般人に手ぇ出してるクズに言われたくねぇな」


「んだとコラァ!!」



俺の安い挑発を皮切りに、一人が殴りかかってくる。 それをスレスレでかわし、カウンターを相手の顔面にめり込ます。


「ぐぷっ?!」


さらに、すかさず相手の腹部に蹴りを入れて追い討ちをかける。


「がっ!!」


これだよこれ。 ケンカってのは、この緊張感と高揚感だ。

正直この時の俺は、笑っていたと思う。




「動くんじゃねぇ!」

そう聞こえて、顔を上げると女性がもう一人の不良に羽交い締めにされていた。


こっちを殴るのに夢中で、見逃してしまっていた。


「ちっ」

人質を取られてしまっては、こちらも迂闊なことは出来ない。

俺は殴る手を止めた。



「へへっ、正義の味方気取りが。 この女がいたぶられんの黙ってみてろよ!」

女性を羽交い締めにしている男は、そういって俺から距離を取る。 このままでは逃げられてしまう。


悔しさで歯を食いしばっていると、その不良の後ろからオカマがゆっくりと近づいていた。

そして、


「ねぇ、あんた」


「あぁ?! ふげっ!」

不良が振り返ると同時に、オカマの強烈な右ストレートが炸裂する。

その弾みで捕まっていた女性は転ぶ。 あ、転んだ拍子にパンツが…




っとそれはどうでもいい。

絶好のチャンスだと思い、俺はその不良に飛び蹴りを食らわせた。


「ぐはぁ!!」

そういって不良は吹き飛び、動かなくなった。



「関わらないんじゃなかったのかよ」


「いやーねー。せっかく怖い思いまでして手伝ったってのに~」


頼んでないし、ケンカ慣れした動きだったろうが。



そんなやり取りをしていると、『結果的』に助けた女性が近寄ってきた。



「あ、あの、その」

うつ向きながら、しどろもどろする女性。髪が肩より長く、綺麗な黒髪だ。顔を赤らめている様子がその、可愛いかも…

そう思っていると、ハッキリと喋る覚悟が出来たのか赤らめた顔をあげて俺を見る。



これが原因で付き合ってくださいなんて言われちゃうかもなぁ。



「助けてくれてありが…あっ!」

そう言うなり女性は、逃げるように去っていった。もしかして顔が怖かったのか?


「まぁ助けたとはいえ、あんたも特攻服着てるし目付きも鋭い不良だものねー。 まぁあたしはそこが良いんだけど~」



だからまだいたのか。このオカマ。

まあ確かに今の俺は周りから見ればただのヤンキーだ。あんなおしとやかな女性が、気軽に話しかけれないのは無理もない。



が、少しばかりショックだ。

ため息をつきながら肩を落とす。



「あたしが癒してあ・げ・る♪」


「もういい加減失せろよカマ野郎…」


「ひ・ど・す・ぎーー!!」



俺はもう一度深くため息をつく。今日はもう帰るか。


未だにそばにいるオカマを無視して、俺は公園に戻る道を歩く。




「白か…」

まぁ、今どき貴重な『白い下着』が見れたので今日は良しとしよう。




そう思いながら、今日の俺の『本当の自分』は終わったのであった。



アクションシーンてムズい(;´д`)

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