表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らの仮面生活  作者: あるあーる
第二章
20/38

仮面の後悔

お待たせしました♪

第20話達成!!


 次の日の昼。終業式が終わった後、俺と西条は屋上で優香里と坂上に昨日の南島の事を話した。


「南島君にそんなことがあったのか…。辛かったろうにね」

 俺と西条の話を聞き終えて、坂上が同情の言葉を呟く。


「あぁ…。やつらはまた南島の家に来るといっていた」

 次に来たときにはどんな手段を使ってくるか分かったものじゃない。何かしらの手を打っておきたい。


「よし!このはじめちゃんが一肌脱ぐよ!」

 そういって坂上は決心したようにおもむろに立ち上がる。


「こう見えても私はお金持ちだからね! ボディーガードの十人や二十人ぐらいは用意できちゃうよ!」

 マジかよ。金持ちってすげえな。

 ここまで来ると坂上には感心するしかなかった。しかしこの申し出は今はとてつもなく有り難いのも事実だ。


「すごく助かります。ありがとう。坂上さん」

 坂上の申し出に、西条も顔をほころばせる。


「なんのなんの♪ってか西条さんって前も少し思ったけど、何故に敬語?」

 坂上は照れ笑いをしながら、西条にもっともな疑問をぶつけてきた。


 あぁ。そう言えば坂上は、南島や西条、そしてこの俺も仮面生活者って事分かってなかったんだっけ。これはまた説明が面倒臭くなるか?


「ま、良いんだけどさ。 見た目より西条さんが優しいのは何となく分かってたし。これからは伶ちゃんと呼ばせてもらおう!」


「は、はぁ…」

 俺が説明すべきか悩んでいると、坂上は相変わらずのテンションで勝手に自己解決してしまったようだ。



 少し前の、西条達と出会う前の俺なら、ついさっきも必死に言い訳を探して、合理的かつ迅速に表面を取り繕う事に精を出していたと思う。


 しかし、こいつらと出会ってから俺は少しずつ変わっていってるのだろう。自分でも何となく分かる。


 きっと今の俺は、こいつらに何かが露呈しようとも不思議と嫌じゃないって思うのだろう。そしてそれは、西条達もきっと同じなんじゃないか。


 俺はそんなことを考えて、不意にむず痒い気持ちになる。



「おや?雷斗君、何を笑ってるんだい?」


「いや…何でもない」

 どうやら自然と顔がニヤついていたみたいだ。



「? まあ、みんなで力を合わせれば何とかなるよ!伶ちゃんも頑張ろう!おー!」


「お、おー…」

 恥ずかしながらも、坂上と一緒に手を空へと突き出す西条。あ、これは見てて面白いわ。



 坂上の気合いを入れる儀式(?)に、一通り付き合わされた西条は少しぐったりしていた。


「よぅし!気合いも入ったことだし、私はちょっとサチに電話して事の経緯を伝えてくるよ! ついでにボディーガードの事とかも話してみる。伶ちゃんも付いてきて!」


「へ?あ、はい!」

 西条はヘトヘトになりながらも、坂上に引きずられるようにして行ってしまった。ってか一瞬で仲良くなったなあいつら…。


 いきなりの事で、俺と優香里はぽつんと取り残されてしまう。そう言えば、南島の事を話してから優香里は押し黙っている気がする。


 なにか優香里にも悩みがあるのかと思い、俺は優香里に声を掛けようとした。


「なぁ優香…「ねえ雷斗……」

 ほぼ同時に話しかける形になってしまった。


「あ、すまん。どうした?」

 俺は遮られた言葉を飲み込み、優香里に譲る。


「うん……昨日はさ。西条さんとずっと二人でいたの?」


「あ、あぁ…。それがどうかしたか?」

 俺は優香里の質問の意図が解らず、聞き返してしまう。


「そっか…」

 優香里はそう呟くと、うつ向いてまた黙りこんでしまう。


 沈黙が気まずい…。今日は優香里がおかしい。なんだ、俺は何か変なことをしたんだろうか。


 とにかくこのままでは身が持たないと思い、俺はもう一度優香里に声を掛けた。


「あのさ…「あのね!」

 また被った。俺、間が悪すぎんだろ。


「おぉう、どうした?」

 俺は再び優香里に発言を譲る。しかし、優香里はまた黙ってしまった。


 ほんの少しの、しかし俺にとっては長い沈黙の後、優香里はいつもの明るい表情で言った。



「ううん!やっぱり何でもない♪ 私も協力するよ!南島君の為だもんね!」

 そう言って優香里は笑顔を見せる。俺はそのどこか乾いた笑顔に違和感を覚えた。



「戻ったよ~!サチに話したら、こちらも尽力しますってさ。 これで南島君の家も安心さぁ!」


「お待たせしました~…」

 俺と優香里が変な空気でいると、坂上と何故かさっきよりもヘトヘトな西条が戻ってきた。


「さて、それじゃ本格的に対策を練ろう!雷斗」


「お、おう」

 優香里に促され、俺達は日が傾き出すまで、屋上で話をした。



 俺は先程の優香里の笑顔について、ついに訊ねることは出来なかった。俺がこの時、優香里の心に気付いていれば、あいつにあんな顔をさせることも無かったのかもしれない。



 だが俺の想いとは裏腹に、時計の針は止まることなく進み続けていた。



今回台詞多いですね(-_-;)(笑)

もっと複雑な描写も頑張らなくては!


と言うわけで、第20話更新でした。

これからも応援よろしくお願いいたします♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ