東川雷斗の仮面生活
二話目♪主人公の視点です(*^^*)
紫鳳学園。
都内よりバスで15分ぐらいのところにあるこの学園は、山々に囲まれながらも近くにコンビニなどもあり便利も良く、しかしながら伝統のある学園である。
俺はそこの学園に通う二年生で、生徒会長を務めている。
眼鏡をかけ、制服である学ランもしっかりと着こなし、いかにも「真面目な生徒会長」をこなしているわけだ。
しかし、そんな生徒の鏡のような生活態度とは別に、俺には誰も知らない秘密があった。
そう、俺はいわゆるヤンキーなのだ。
普段の学園内での生活では、誰も予想だにしないもうひとつの自分。
しかし、これが俺の本当の姿と言えるだろう。真面目な生徒会長というのは、俺が装着している『仮面』なのだ。
何故不良が、真面目な生徒会長という『仮面』をつけて生活しているのか? それはその方が楽だからだ。
テストの成績が悪ければ、進級などにも関わってしまう。だから勉強をする。
学園内での生活態度が悪ければ、教師から目をつけられる。会うたびに説教される。だから、真面目に過ごす。
人当たりが悪ければ、いじめられたりハブられたりする。だからコミュニケーションを取る。
そうしていれば学園内で過ごしやすくなり、結果『楽』なのだ。
だが、元々の俺はケンカが大好きな不良だ。
殴ったときに拳に感じる傷みや、殴られたときの傷み、それらが俺は心地よいのだ。
ケンカをして、アドレナリンが出ている瞬間が一番生きていると実感出来る。
それが本当の俺の姿だ。
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その日は何時ものように、学園で全ての授業を終え、生徒会の雑務に励んでいた。
「東川会長、お先に失礼します♪」
「じゃあな。雷斗」
「あぁ、お疲れ様」
そういって挨拶を済ますと、また雑務に取りかかる。
今日の雑務は、テスト明けというのもあり大したものでは無かったので俺一人で片付けていた。
粗方の雑務を終え、ふと時計に目をやる。
「6時半か…」
既にほとんどの生徒は帰宅し、用務員が早く帰りなさいと催促に来たところだった。 よしと一声発して、鞄を手に取り帰宅準備をする。
しかし、俺はこのまますぐに家に帰るわけではない。 元々家には俺しかいない。一人暮らしというやつだ。
たまに両親が休みの日に訪ねてきたりするが、二人とも殆ど出張だのなんだので家を空けているのだ。なので夜遅くに家に帰っても、咎められる事もない。
俺は学園を出て、人気のない公園のトイレに向かう。 そこの個室で着替えるためである。
眼鏡を外し髪をバックにし、制服を脱ぎ、特攻服に着替えた。 あぁちなみにこの特攻服は自分で密かに買ったものだ。元よりどこのチームに入っているわけでもない。
俺は群れるのは嫌いだ。
脱いだ制服を鞄に詰め、トイレにおいたままにして個室の上からトイレ全体を見渡し、人がいないのを確認してそのまま個室の上から飛び降りる。 これで、紫鳳学園の生徒だとは容易にはバレない。
ここからが俺の『本当の自分』の生活なのだ。
やや、中途半端ですがここまでで★
まだまだ続きますので、よろしくお願いいたします♪