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僕らの仮面生活  作者: あるあーる
第二章
19/38

仮面の想い

今回短いですが、更新です!

どぞ(*^^*)

「おふくろっ!大丈夫か!?」

 大声をあげながら、南島は家のドアを勢いよく開ける。南島に続いて、俺達も中に入る。


 そこには、南島の母親だと思われる綺麗な女性が涙で目を腫らしていた。周りを見るとグラスや皿が数個割れている。そして、その付近には黒いスーツ姿の男達が三人ほど立っていた。


「なんだお前らは?」

 堅気には見えないスーツの男は、鬱陶しそうに俺達を見て発言する。


 南島は母親の元へ駆け寄り、体を支える。そして怒号を発した。


「てめえら、おふくろに何しやがった!?」


「お前、ここのガキか?」

 三人のうち、リーダー格の男は南島の怒号をものともせず反応する。


「答えろよ!!一体何したんだ!?」


「別に何もしてないさ。お話に来てただけだ」

 リーダー格の男の態度に、南島はさらなる怒号を発する。しかし、男の態度はそれでもなお飄々(ひょうひょう)としていた。


「んじゃ奥さん。そう言うことだからよろしくな」

 そう言い残し、スーツの男達は店から出ていった。


「おふくろ!大丈夫か?一体何があったんだ?」

 男達が出ていった後、南島は母親に矢継ぎ早に話しかける。母親は呼吸を落ち着かせてから、ゆっくりと話はじめた。


「……少し前から、お店の権利書の事であの人達が来てたの。でも、私はこのお父さんのお店を渡したくないの。だからあの人達も躍起になって、荒らしに来たのよ。心配かけてごめんね…」


 南島の母親の話によれば、一ヶ月前からちょくちょくあのスーツの男達は来ていたらしい。だが、再三たる権利書の要求を南島の母親が断り続けていたため本日強行手段として脅しをかけてきたということらしい。


 ちなみに昨日は、あのスーツの男達は店の周りを彷徨くだけに終わっており、その現場を見た南島が不審に思い、今日のような態度をとっていたということらしい。


「あなた達は十夜ちゃんのお友達ね? お酒は出せないからお茶でも飲んでいってちょうだい」

 南島の母親は、一通り話終えると俺達に向き直り笑顔でもてなしてくれた。


 母親が奥の方へ飲み物を取りに行った時、南島が話しかけてきた。


「今日は悪かった。伶以子ちゃんもごめん。でも、これは俺の問題だ。もうお前達が心配する必要はねえから…」


「南島さん……」

 南島の言葉に対し、西条も苦い顔をするのが精一杯だった。俺も南島にかけてやる言葉が見当たらず黙り込んでしまう。




 結局その日は南島の母親のもてなしを受け、そのまま帰るという結果に終わってしまった。



 帰り道、俺と西条は特に会話もなくただ歩いていた。

 そろそろ、分かれ道に差し掛かろうかというときに西条がようやく口を開く。


「東川さん。なんとか南島さんの力になる方法は無いでしょうか?」

 俺は西条に言われて少し考える。

 だが、どう考えても相手は暴力団の一員だ。力で対抗は得策ではないのは明らかだ。その辺のチンピラなら、南島一人でも対処出来るだろう。しかし、暴力団ともなれば話は違ってくる。


 向こうは何百人という組織を抱えている人間だ。一人二人どうにかしたところで、また虫のように無限にやって来るだろう。それに持っている武力も、俺達高校生が敵うところではない。


「……俺達が出来ることはあまり多くはないだろうな」

 無情にも俺はそう発言した。西条も、それはあんまりだという表情で俺を見る。

 まあ待て。まだ話は終わってない。


「……でも、あんな現場を見てなんにもしないのも寝覚めが悪いよな」


「それじゃあ……」

 一気に西条の表情が明るくなる。


「ああ。やってやろうじゃねえか」

 タイマン張った人間が困ってんだ。このまま大人しくしとくなんて、ヤンキーの名が廃るってもんだ。

 俺と西条は、それぞれ思いを胸に帰路に着いた。



如何でしたか?とにかく短いですね(笑)


次回はまた頑張ってもっと面白く書きたいと思います。ご感想や評価心よりお待ちしております!!

また、活動報告にて更新の裏話やらなんやらも書いてますので、良ければそちらもチェックしてみてください。

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