プロローグ
処女作です(*^^*)
なにぶんわからないことだらけですが、頑張ります♪
誰だって人には知られたくない「自分」ってのがある。
もちろん俺にもだ。
自分をさらけ出すのが億劫で、仮面をつけて生活しているほうが楽だと感じていた。
そう、あいつと出会うまでは…
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成績優秀、スポーツ万能、人望も厚い学園の生徒会長。
これが俺、東川雷斗の紫鳳学園における大体の印象だ。
この高校に入った当初から、テストの成績は常に学年トップ。さらに体育祭では、クラスをほぼ一人の活躍で優勝に導くという業をやってのけた。
まあ一年生の時からこれだけの事をしてきたわけだ。二年生に進級し、生徒会長に選ばれるのも当たり前だよな。
それに、自分で言うのもなんだが人当たりも良く男女問わず人気だ。
「おぉーい、雷斗~♪」
陽気な呼び声に振り返ると、幼馴染みであり俺と同じぐらい人気者の北森 優香里が走ってきた。
優香里は、容姿端麗・才色兼備・性格も非の打ち所が無いほど可憐な少女だった。
「どうしたんだ?優香里」
「雷斗お昼まだだよね?一緒に食べよ♪」
「もちろん良いよ」
断る理由も無いので、俺が快く承諾すると優香里はわぁいと小さく跳ねた。
周りから見れば、美男美女の素敵なカップルに見えるんだろう。羨望の眼差しを感じながら俺達は屋上に向かった。
しかし、普通に考えればこれほど充実している生活を送っている俺には
誰も知らない、隣を歩く幼馴染みですら知らない、知られたくない秘密があった。
「あ、雷斗危ないよ」
「え?」
ふと前を見ると、制服のスカートをスケバンのように長くし、上着を腕捲りし、中のブラウスシャツをだらしなく出している切れ長の目をしたポニーテールの少女がいた。
「あれは…」
そう、確か先月同じクラスに転校してきた少女だった。名前は…
「西条 伶以子さんだよ。ほら、なんかどっかのレディースの総長だとか噂されてる…」
優香里は、西条に聞こえないよう耳打ちしてきた。
西条 伶以子。転校初日から制服を着崩し、自己紹介も周りにメンチ切りながら「夜露死苦」の一言。
まさに典型的なドヤンキーだ。
そのドヤンキーと屋上に向かう途中に、見事エンカウントしてしまった訳だ。
いつもより更に不機嫌そうな顔で、メンチ切りながらこちらに向かってくる。
隣の優香里はおろおろとうろたえていた。
その間にも、西条は距離を縮めてくる。
そしてとうとう俺の目の前に仁王立ちしてしまった。どうにかこの状況を切り抜けないとと考えていると、西条の方から「どけよ」と言ってきた。
俺はなるべく西条の目を見て、「廊下は皆の場所なんだから譲り合いが大事だよ」と生徒会長らしく言う。まあ、これぐらいなら相手をあまり刺激することもないだろう。
すると数秒間の沈黙の後、西条は舌打ちをしながらもやっと避けていってくれた。
やれやれとタメ息をつくと、優香里が目をキラキラさせながら擦り寄ってきた。
周りを見れば他の生徒たちも、やれさすがだの、やれかっこいいだのと好き勝手にはしゃいでいた。
当然だよ。俺が不良ごときに恐怖心を抱くわけがない。
何故って?
あぁ、さっきの誰にも知られたくない秘密があるって言ったよな?
実は俺も、
ヤンキーなんだ。
誤字、脱字のないように頑張りましたが、もし見にくければご一報お願いいたします♪