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Thùndï-Æthàltâ  作者: 篠崎彩人
第三解「命取りゲーム」

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第SUN環「蒼の月」

「さて今の状況だけど、思ったより国は残って居ない。知っての通り地球として国は百を超えていた。だけどデスゲーム参加前に精神がやられて自殺した代表多数、相打ちもかなり有った。勝ち上がった純粋な数はもう既に十を下回っているらしい。それだけに今度の相手は選りすぐりの強豪って事だ。機ィ体名はフラニシュ。熟成期間も前とは違う、こんな不意打ち紛いの仕掛けすら有ったんだから。以前よりちゃんとした心構えが要るよ」

「なるほど、それでフライング・椅子鳥ゲームの御挨拶が有った訳か」

 スゥの解説でフラニシュ編である事が告げられた訳だったが私は突拍子も無い最初のイベントに突っ込まざるを得なかった。体操させられた事で良い準備運動になった、と椅子から立ち上がりパキパキ指を鳴らしながら辺りを見回す。前回平原と言うかなり自由度の高い空間だったのに反し今回は太めの平行棒とでも言わんばかりに空中に通路が浮かび上がっているだけのだいぶ閉鎖的な舞台だ。しかもすぐに行き止まりになっていて、その行き止まり地点に赤い液体がふわふわ浮かんでいる。流石夢時空だ、浮かぶ椅子と言い物理法則の無視をする事に迷いが感じられない。

「で、次がフライング・(しゅ)と言った所かな。いや、酒にてフラフラか。マイナスイメージを強く想起させる何かが入って居ないとデスゲームとしておかしいしな」

「そう言う事か。良かった、私は未成年だから今回も不参加けってーい」

 と喜びの舞を限定的な通路に閉じ込められている私と対照的に自由に空中で踊ってみせるスゥ。

「それでなくても何時もメインディッシュをこなすのは俺だろ…。まあ、美酒が有っても料理が無く、料理されるのは逆に俺だって構図なんだろうがな…」

 そう言いながら早速通路の先まで歩いて行き、酒と思しき液体を口にする。口いっぱいに芳醇な香りと豊かな味わいが広がる。食虫植物と言う言葉が浮かんだ、要は甘い蜜としてこれは完成されている、下手すればデスゲームの目的外でこれの摂取を求めて私が何かしくじり兼ねない、そんな危うい美味しさを孕んでいる。そして通路が拡張された。お次の浮遊液体は白、赤ワイン白ワインの交互か。ちゃんぽん構造とは良く出来ている、私の酔いを少しでも進めるべく味に飽きぬ様な仕込みでもってこの仕掛けは成り立っていると言う事か。私は次を口にする。やはり赤に戻った、そして通路の再拡張も確認した。後はフラフラになる限界まで行かない内にこの通路の先に見えている光球に触れればいい筈だ。だが前の光球が太陽然とした光を放っていたのに対し今回は蒼白い、月のイメージなんだろうか。何か嫌な予感がする、それを触っても次が有りそうと言うか…。

「規模は中距離走かな。光の球の色と言い、多分これで終わりじゃないよ。気を付けて」

 念を押す様にスゥの一言が降り掛かって来た。

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