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Thùndï-Æthàltâ  作者: 篠崎彩人
第三解「命取りゲーム」

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第一環「束の間のティーブレイク」

「『サンディの父としての貴方はなんなのか?』 これはやっぱり無理そうか?」

 私は勝利の後施設でサイボーグとしての意識を取り戻し、早速では有るがその余韻も程々に人として存在出来た異空間で沸いた疑問への回答を欲して動いていた。質問キーを渡してみるがどう出るか。

<無理だね、私のレスポンス出来る範疇越えてる。ただ、あの時の雷に撃たれる直前にパパだと圧倒的に感じたんだ、それは本当。それの意味する所に辿り着く為のデスゲームって見方も出来る。少なくとも、今その疑問が解消出来るステージに私達が居なさそうだなと言うのが分かるだけ>

「そうか。では『貴方の生まれた事についてどう考えるか?』 とりあえずこれで頼む」

<それならいいよ。良さそうなキーだ。……[私の様に人としての輪廻残数1、を獲得する初の人類が出たのはそう不自然な事ではないと考える。私が雷の神と化した時分には既に亡き両親によると私が産まれた時終末時計が動いたそうだ。どの道終わりに近づく世界ならば特異点としての私の出現は既定路線であったのだろう。残数2以上の人類と1となった私の感覚は違う筈で、2以上側にはかつて私がそうであった様に絶対的に数の認識自体が無いだろう。サイボーグ諸君に回数1を課しているのはその意味合いもある。切迫した状況を均一に作り上げねば対等なデスゲーム環境は生まれまい。

 私によって感電状態となるとその人間の輪廻残数の全消費が可能となる。正確には君達が居るのだから数字を弄る事が可能と言う事なのだが、人類の未来の為にと施設と君達サイボーグのベースボディを形式上の使役とは言え作ってくれた国ごとの理解ある数百人が最期に見ていたのも残数1の感覚上での世界だった]ってなとこだね>

「ありがとうサンディ。大活躍で疲れたろ? おもちゃで遊ぶなり優秀な執事をしてくれるなり好きにしてくれていい」

<あはは、執事の方は結局動作するのはニノのマシンボディであって私は雰囲気作りのリップサービスが出来るってだけだけどね。でも(ねぎら)ってくれてありがと。オイル紅茶を煎れたら一旦引っ込んでおくよ、ご主人様>

 スゥ、じゃなくて今はサンディである彼女の煎れた体ではあるがその実完全に私が用意しているだけの黒々とした紅茶を飲む。ちなみにサンディはキーに付随する回答について意見をしない。自分のルーツから出た言葉でしか無いから一字一句同意見であり何を付け加えればいいのか分からない、ときょとんとされた事が有る。そう言う意味では彼女は個になり切れていない未だ縛られた存在なのかも知れない。

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