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Thùndï-Æthàltâ  作者: 篠崎彩人
第二解「電気雨」

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第光環「水たまり地雷」

「でまあこんな感じで私を地雷踏み役で運用すれば八割がた上手く行くんじゃないかな。勿論地雷と違って二発目が有ったりそもそもニノだけをターゲットにした奴も出て来るかも知れないけど基本方針としてね。そう強張りなさんな、きっと二人なら上手く行くって。大丈夫、大丈V!」

 と、電圧のボルトに準えたのかピースサインをして見せる。

「へぇ、何か分かんない時に電力量のワット!? とかやって来そうな勢いじゃないか」

「それはどうかな、重要なとこでの質問役はいつもそっちだからね。まあ、そう言う外人キャラ付けが好みならやってやらない事も無いよ?」

「いやいや、部屋に帰ったらクール執事にまた回帰するんだからあんまりそこから剥離されてもな」

 部屋に帰る、その為の一歩一歩を着実に、冷静に。針に加えトンカチやナイフも降って来る様になった。「ニノの発想エグ~」「バリキィモイ~」などと連呼しつつ確実に仕事をこなしてくれているスゥの後ろをついて行きながら、果たして二発目は何も無いものかと空を警戒しながら歩いて行く。地上にはそれらしい物はまだ何もない。所々水たまり群が配置されているがそれに触れた位では何かが起こると言うものでもあるまいと軽視していた。それがいけなかった。早速引っ掛かってしまった、これが即ち私が警戒せねばならぬ筆頭候補だったのだ。草が私の足から生えて来た。靴を直接突き破って、と言う話では無く剥き出しのくるぶしより上での事ではあるが激しく痛む。私は水たまりから足を引き、急いでそれの切除作業に取り掛かる。多分触れた水分量の分だけはどうしても生えて来る設計なのだろう、しばらく取り除いているとやっと草が生えて来る異常が収まった。痛みもある程度は引いている。

「水たまり…ニノだけの地雷か。気が付けなかったね、景気のいい事言った手間罪悪感が込み上げて来るよ、二割を見つけられなかったか。ごめんね、痛かった?」

「いや、その気持ちだけでありがたいよ。痛みはなんとかなる、今後は注意して歩かないとな」

 それにしても、雨がこうまで降っていた様な兆候は有ったか? いやその発想こそ驕りか、何もこの時空間の創造主は自分だけに限らない。スゥはここの熟成期間に関して口にしていたがそれでも虎視眈々とこちらの足元を掬おうと言う怨念の発生時期は私とスゥがここに発現した瞬間以降に留まらないのだから。それを遥かに遡り念入りに仕込まれていた水たまり群である可能性はかなり濃厚だ。見れば行き先に迷路然としてどんどんと配置量が増える様な構成になっている。行き先とはこれが短距離走、と言う言葉をスゥが発した時からうっすら見えている光の球だ、あれに触れればゴールなのかも知れないと一目散にそこを目指していた私達は今やその時と比べるとだいぶそこに手が届きそうな位置に来ているのだがまさかこの様な仕掛けが待っていようとは。痛みを押して私は次の一歩を取る、光の球が示す少しでも明るい未来に向けて。

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