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6th:憤怒の章
メモを机の上に戻しながら、彼女は呟く。メモには「本を読んで。二人の共通点と違う点を言い合って。」というメッセージ。しかし…
「1人しかいない部屋で、そんなこと出来るわけないじゃない…」
少し悩んだ末に、ひとまず机の上にある本を読むことにする。金色の表紙の本を手に取り…
「こっちは私の本ね。」
金色の表紙の本を机の上に戻し、黒い表紙の本を手に取る。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
「そういう、ことだったのね。」
本を読み終えた彼女は、ただそこに置かれている空席に向けて呟く。
「私とあなたの似ている点は、規律を重んじるところ。信じられる相手以外は寄せ付けない…臆病なところ。そんな自分自身への嫌悪と…憤怒を抱えているところ。違う点は、そうね…あなたは大事なものを失って、止まれなくなってしまったけれど、私は違う。そんなところかしら。」
扉が現れる。黒い扉がひとりでに開き、閉じる。
「そう。あなたも、そこにいたのね。」
彼女は…金城仁美は金色の扉を開き、向こうへと足を踏み入れる。




