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4th:嫉妬の章

「おーい。お姉さん。」


 そんな声で、彼女は目覚めた。


「やっと起きた。大丈夫です?気分が悪かったりしないです?」


「はい…大丈夫です。あなたは?」


「あぁ、自己紹介してなかったですね。あたしは境界悠里。お姉さんは?」


「私は水野雫です。ここは…」


「やっぱお姉さんも知らないか。じゃあ、こっちはどう?」


 悠里が差し出したメモを受け取る。その内容を読んだ雫は、ゆっくりと溜息をつく。メモをゆっくりと机の上に置くと、優しい笑みを浮かべる。


「ここに書いてあることに従いましょう。」


「へぇ…そっちには心当たりがあるんですね。」


「えぇ。これはきっと、私の恩人の仕業ですから。」


 雫は本を手に取る。そんな彼女の様子を見て、悠里は半ば諦めたように残された方の本を手に取る。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


「お疲れ様です。」


 本を読み終わり、軽く溜息をつく。そんな悠里に、雫は声をかける。


「にしても…あたし達、実は結構似てたんですね。その…学校でのこととか。」


「…そうですね。そして、私達は普通でいる周囲を羨んだ…嫉妬の章。言い得て妙ですね。」


「正直、耳が痛いですね。で、こんだけ似てると違うところを探すのは難しいですね。」


 同じことを考えいたようで、困ったような笑顔を見せる雫。


「あぁ、でも。お姉さんはあたしと違って誰かを利用しようとはしないですよね。そこが違いかな。」


 それを聞いた雫は一瞬キョトンとした表情を見せる。そして…


「…なんですか?からかうような顔をして。そんなに変なこと言いました?」


「いいえ。私とあなたの違いが腑に落ちただけです。」


「ごまかそうとしてません?」


「そんなことないですよ。ほら。」


 雫が指差した先には、二つの扉。納得いかない表情で白い扉に向かう悠里の後ろ姿を見守る雫。彼女は少し悩んだ末に、声をかけることを選ぶ。


「悠里さん‼︎」


「なんです?」


「私達の似てるところを、もう一つ。私達には、私達を認めてくれる人がいる。お互い、大切にしましょうね。」


「…そうですね。大切にします。一つお願い、良いですか?」


「いいですよ。」


「明里さんに会ったらで良いから、こっちは元気でやってるよって、伝えて下さい。その為だけにわざわざ会いに行くとかはしなくて良いので。」


「分かりました。」


 話しながら青い扉まで歩いてきていた雫。二人はそれぞれの扉を開く。

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