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1st:暴食の章

 壁も見えない空間。見渡す限りの白が続く空間の中で、彼は目覚めた。目の前には、本を片手にコーヒーカップに口を付ける20代半ばと思われる少女。


「ほら。こっちを見てないで、あなたもそれを読んで。」


 カップをソーサーに置き、ページをめくりながら少女は語りかける。ここがどこなのかなど、問いたいことはいくらでもあった。それでも、本を読めば何かが分かるという根拠の無い確信があった。故に、彼は橙色の表紙の本を手に取る。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


「なるほど。事情は分かったよ。」


 記されていたのは、目の前の少女のここまでの人生。そして、この空間を作った理由。


「僕達の暮らすレイブルスと、君達が暮らす神名市。二つが何故か混じり合ったから、それを戻す為にこんなことをしているわけだ。」


「そう。世界の中で重要な役割を持っている人を7人集めて、近い性質を持つペアに。で、お互いの違いを認め合うことで分離させようとしてるって感じかな。」


「そっちの世界にある7つの大罪というものになぞらえた性質で分類していて…僕達は暴食というわけだ。」


「多くを喰らう私達には、ピッタリでしょ?」


 橙色のメッシュの混じる艶のある白髪をなびかせる少女。


「共通点は、暴食。相違点は…誰の為の暴食か、だね。」


「あなたは自分の為に、私はみんなの為に喰らう。それともう一つ。あなたは、より長く生きる為に喰らう。私は、より早く役目を終わらせる為に喰らう。」


「なるほど。目的は真逆だね。」


 二つの扉が現れる。少女は迷わずに、橙色の扉のドアノブを握る。


「とりあえず、私達はクリア。あとはみんなを信じようか。じゃあね…マグドさん。」


「短い間だったけど、有意義な時間だったよ。じゃあね。ヒムカイミノリさん。」

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