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第一話

 どうも。小説というものを初めて投稿します。ので、内容、文章の型(改行するタイミングとか、句読点を入れる場所とか、いろいろ)などが初心者クオリティです…感想、要望、助言、などなどお待ちしております。特に助言は本当に助かるので積極的に言ってくださるとありがたい限りです。

 結論から言おうか、大学三年生の春、私たち三人の女学生は留年した。何故そんなことになったかって?野暮なことを聞くんじゃないよ…しかし、失敗の原因を探ることが成功への第一歩であることは事実だからな。今後の大学生生活のためにも私たち三人の留年した経緯を振り返るとするか。


 最初に紹介する留年生は有紗(ありさ)。経営学部。趣味は推し活と恋愛リアリティ番組の鑑賞。推し活といっても誰を推しているのかまではわからない。私は三次元の男に興味はないからな。恋愛リアリティ番組に関しても、私は他人の恋愛を娯楽にするような人間ではないので特に言うことはない。有紗は「単位よりも推し活が大事でしょ?」という言葉が常日頃からの口癖になっていて、期末試験の日にも関わらず推しのライブに行ってしまうこともしばしば。おかげさまで必修科目のうちの一つを二年連続で落としている。現在、夢も目標も特にないらしく、就活の話になっても「推しの応援が私の仕事!」などとふざけたことを言えるほどには鋼のメンタルをしているが、時折人が変わったかのようにテンションが低くなるので、さすがに自分の将来に焦り始めているのだろう。最近は「推し活に全振りした結果、単位も振り落とされた!」と爆笑しながら絶望している。


 次に紹介する留年生は美咲(みさき)。芸術学部。趣味はカメラを片手に街で写真を撮ること。こいつの留年した理由は少し変わっていて、自主制作の映画に没頭しすぎて課題提出を完全に忘れていた結果、単位不足で留年したというのが主な原因だ。美咲は芸術的センスには非常に秀でていて、美しい画角で写真を撮ることができる特技もあり、芸術学部で留年なんてするわけないと思っていたが、大学から出される課題はいまいちやる気の湧くものではなかったらしい。普段から「芸術は爆発」などの誰が言い始めたのかわからないような謎発言を繰り返している美咲だが、結局成績が爆発する羽目になった。ちなみに自主制作の映画については、大学一年生のころは口を開くたびに語るほどであったが、今ではその頻度も減少したので理由は定かではないが制作が難航しているのだろう。わかりやすいやつだ。


 そして最後に紹介する留年生はこの私。夏帆(かほ)である。情報工学部で、プログラミングとオンラインゲームに熱中しすぎて、授業をサボりすぎた結果、気づけば出席日数不足で留年していた。まあだからというわけではないが、趣味は動画投稿サイトでのゲーム実況(もちろん収益化できるほどの知名度はない)とインターネットの世界で引きこもること、特技は爆速タイピングである。ちなみに私には他の二人とは違い人間としての明確な欠陥が存在する。それは人間関係の構築が苦手ということだ。今でこそこんなにも饒舌に留年した理由を語っているが、実際の会話では通信制限のかかったスマホに負けないぐらいに返答が遅くなってしまう。随分と長い付き合いになる有紗と美咲との会話にも一苦労だ。まあ、とにかく私にとってこの一年はバグった人間関係と成績を修正するためのデバッグ作業(笑)に費やすことになりそうだ。ははは…


 「夏帆、またなんか一人でブツブツ言ってる…」


 「有紗、夏帆の独り言は気にするだけ無駄だよー。何を考えているのか聞いても返答が要領を得ないからね。」


 「み、美咲、あんまりそういうことは本人の前で言うんじゃないよ…」


 「はいはーい。わかったわかった。あと毎回言ってるけどしゃべる前にどもるのやめた方がいいよ。自信がないように見えてしまうからね。」


 「はい…」


 「ねえ、それよりもさっきからどこに向かってるの?夏帆が来てほしい場所があるなんて言うから珍しいと思ってついてきたのに、何にもないならカズキ君のインスタライブ見たいんですけどー!」


 「あ、あくまでも大学の知り合いから聞いた噂だからって最初に言ったよね!?あんまり当てにされても困るよ…」


 「その知り合いっていうのもSNSのフォロワーなんでしょー?これだけ探しても見つからないならガセネタ確定ってことでいいんじゃないかなー?」


 「ま、まだ上の階は行ってないからわかんないじゃん…」


 ブツクサと文句を言う二人を横目に寂れた階段を上る。今、私たちは何をしているのかというと、とある部屋を探しているのだ。その名も、”留年生専用ラウンジ”。この存在を知ったきっかけは美咲が言った通り、私のSNSのフォロワーからの情報提供だ。私が留年したことをぼやく投稿をしたところ、かつて旧サークル棟に留年生が集まる部室的な場所があったから行ってみてはどうかとのDMをもらった。でも、どうせならこの建物のどこの部屋なのかまで教えてほしかった。おかげで一階から片っ端に部屋を漁る羽目になっている。旧サークル棟は三年ほど前まで使われていたのもあって目立った損壊は確認できなかったが、どの部屋も埃だらけで壁には所々蜘蛛の巣が張っていた。私たちはそこらへんの女子よりも確実に衛生観念が終わっているため汚いものには耐性があるが、こうもカビ臭い埃だらけの部屋を三階分も出入りしているとさすがに我慢できなくなってきている。しかし四階に上がるとさっきまでの暗くじめじめした廊下とはうってかわって、きちんと清掃、整備された空間が広がっていた。


 「え!?四階だけ電気通ってる!この階にあるんじゃない?」


 「そ、そうだね…とりあえず部屋に入ってみようか…」


 「ちょっと待って、有紗、夏帆。電気が通ってるってことは扉のロックもかかってるんじゃない?」


 そうだった…もともとこの建物の部屋には電子ロックがかかっているので電気が通っている四階の部屋は開けることができないのだ。扉は窓がついていないので中の様子を確認することもできない。


 「え?まさかわざわざここまで来たのに何もないまま帰るってこと?」


 あ、まずい。有紗はかなりせっかちな性格で、一度機嫌が悪くなるとなかなか元に戻らない。なんかさっきインスタライブがどうとか言ってたからこのまま何もなかったら怒るだろうな…そんなことを思っていると突然私の携帯に通知が来た。例の情報提供者からのDMだ。「四階一番奥の部屋、パスワード1236」と書かれたメッセージが届いている。


 「…大丈夫二人とも。一番奥の部屋に向かうよ。パスワードも知ってる。」


 「え!?場所もパスワードも知っていたのかい?」


 「ち、違うよ。今送られたメッセージに書かれてたの。」


 「…それってかなり怖いことなんじゃないかな?タイミングが良すぎる。どこかで私たちの動向を把握していないとそんな芸当はできない。」


 そう、明らかにタイミングがおかしいのだ。正直気味が悪い。それに本来この建物は使われていないはずなのだから、このフロアに電気が通っていること自体、意味がわからない。何か良くないことに巻き込まれているのではないだろうか。そんな疑念が生まれるが、三人の意志は言葉を介さずに、とりあえず目の前の扉を開けるということで一致する。そう、私たちは留年生。社会のレールから外れた存在。失うものなど何もないのだから恐れるものも何もない。とにかくこの子供じみた探検ごっこの結末を知りたい私たちは三人同時にドアノブに手をかける。扉を開けたその先には一体何が待っているのか__。


 次回の更新予定日は、決まっておりません…まあ、そんなに日数は離れないと思います。

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