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黄色のフリスビーはゴンドラになって

作者: 檸檬

休日の静寂の隙間に眠っていた


カーテン越しの陽射しが白く映った


雪だ、、とおもって窓を開けたら


雨に少しずつ変わっていった


透明に音もなく


春は静かにやってくる


しとしとしとしと


静寂の隙間に澄み、沈みゆくように


雪は静かに溶けてゆく


水仙、梅花黄蓮、白梅、白い花びら開いて


小さな黄色達、香りだしている


こちら、南国の旬のフルーツ、文旦をあなたの為に剥いてあげたい


黄色の厚い皮はフリスビー型にスライスして遠くまで飛ばす世界大会が先日開催されたんだよ、


なんて、話をしたね


緑の丘の広場、いっぱいに、黄色のフリスビーが青空に飛び交うのを想像してみたね


本当にくだらないことを言うと


お椀型に皮を剥いた文旦のゴンドラに乗って

黄色の実を白いお皿に綺麗に並べて届けたい


文旦の香りが冷たい風に、みぞれのように

白い薄皮を剥がす度に迸るからね


フリスビー、フリスビー、フリスビー


放物線に沈みゆく、その先へ飛んでゆけ


わたしの宇宙(花)を受けとめてね


ゴンドラに乗って届けにゆくから


小さな宇宙の小さな出来事


ゴンドラに乗って届けにゆくから









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― 新着の感想 ―
カーテン越しの陽射しが白く映って、雪かと窓を開ける冒頭から惹き込まれました。 外は静かな春の雨が、静寂の隙間を刻んで。窓の向こうに、水仙や梅花黄蓮、白梅と、白い花びら達が雪のように。 文旦の黄色い…
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