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ゲーム魔女の現代観光  作者: 龍翠


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20/32

20 魔女がいっぱい!(コスプレ)

 サキ様に次に案内してもらったのは、薄い壁のようなもので仕切られたスペース。仕切りはされてるけど、それでも広い。百人以上の神様がそこに集まってるから。

 部屋の奥には……ステージ、かな? たくさんの神様が何かの準備をしてる。サキ様が言うには、ゲームの発表とかそういうものがあるらしい。

 でも、わたしが気になったのは、別のこと。


「あの、サキ様」

「うん」

「ここの人は……服装が他と違いますね……」


 みんな、この国の服装で考えるとかなり独特な服装だ。鎧に見える服とか、ローブに見える服とか……。わたしにとってはかなり見慣れた服だけど。

 つまり、わたしの世界の服装だ。


「コスプレイヤーの皆さんも今はこっちに来てるからね」

「こすぷれ……ですか?」

「そう。漫画とか小説のキャラクターの服を着る、みたいなイメージでいいよ」


 なるほど。それは、ちょっと楽しそう。ここではわたしの世界を題材にしているのかも。神様たちにとっては、あの世界の服を着てるのは娯楽みたいなものらしいから。


「すみません!」


 それにしてもいろんな服装があるなあ、と思って見ていたら、急に話しかけられてしまった。声の主を見ると、男の神様だ。若い人で、サキ様ほどではないけど二十にも届いてないと思う。

 その人はわたしを真っ直ぐに見て、言った。


「それ! ティルエルちゃんのコスプレですよね!」

「え」


 コスプレ……。わたしが、わたしの? えっと……。いや、これ、どう答えたらいいの……?

 サキ様を見る。楽しそうに笑ってる。笑う前に助けてほしい。

 その気持ちが通じたのか、サキ様が言った。


「そうです。この子、ちっちゃくて、ティルエルのコスプレをしたらちょうどいいかなって」

「え」

「ですね! もうすっごく……まさにティルエルそのものって感じです! すごくかわいい!」

「え……あの……」


 それでいいのかと思うのと同時に、なんだかすごく褒められてるみたいで、すごく恥ずかしい。その、かわいいって……。いや、えっと……。

 サキ様を見る。笑っていた。なんというか、あえて言うなら……。いたずらっぽく、笑っていた。


「ティルエル好きなんですか?」

「ロリコンって言われそうですけど……。一番好きですね。小さくてか弱そうなのに、過去一番ですごく強い。そのギャップが最高です。それにわりとクールで、かっこいいのも。なんというか、小さい子が背伸びをしているみたいで、最高です」

「あわ、あわわ、あわわわわ……」


 なんだかすごい評価をされてる! とんでもない評価をされてる気がする! ま、まあ確かに? あの世界ではわたしは一番強い自信があるけど? で、でも、神様と比べるとわたしなんてよわっちいと思います!


「僕みたいなティルエルのファンは結構多いと思いますよ?」

「ですね。ティルエルのコスプレ、結構多いですし」

「え……?」


 改めて会場を見渡せば。確かに、確かに言われてみれば、わたしのコスプレだと思われる人がたくさんいた。

 黒いローブなんてわたし以外にも結構いるけど、持っている杖とか帽子の飾りとか……。細部まで一致している人がわりといる。つまりは……わたしのコスプレ。

 いや、なんで? なんでわたしなの? わたしなんてただの魔女だよ? そんな……ちょっと恥ずかしい。


「なんだかすごく照れてますね……?」

「あははー。かわいいでしょ?」


 サキ様は変なこと言わないでほしい。これ以上はちょっと、うん。恥ずかしいから。

 そして、お兄さんが一言。


「じゃあ……。写真、いいですか?」

「え」


 写真。もちろん分かる。スマホで撮ることもできるやつだよね。仕組みは未だによく分からないけど、どういうものかは分かる。それでわたしを撮りたいらしい。

 いや、でも、さすがにそれは……。


「どうぞ、いいですよ」

「サキ様!?」


 なんか許可されてしまったけど、本当にいいの? わたしだよ……?

 でもサキ様が言うなら写真ぐらい……。うん。

 ということで、写真を撮ってもらうことになった。今ならもう大丈夫ということで、キャップも取っていつもの帽子を被る。サキ様に言われるままに適当にポーズ。やってから思ったけど、わたしが魔法を使う時に自然と取る形だと思う。杖を掲げたりとか。

 そうして写真を撮ってもらっていたら、他の人も集まってきて、わたしのコスプレをしている人も集まってきて……。結局大勢で撮影会みたいなことをしてしまった。

 最後はみんなで杖を掲げて、撮影。これで良かったのかな……?

 でも、うん。なんだか、ちょっと楽しかった。神様たちの仲間にしてもらえた気分。

 そうして撮影会を終えたところで、そろそろゲームの発表ということになった。


 四十代ぐらいの男の神様とかが前に出て、いろいろと話をし始めてる。今のプレイヤー人数とか、キャラクターの人気投票とか……。そういうのだ。

 わたしにとって印象的だったのは、質問コーナー。

 遺跡のボスについて教えてほしい、というもの。その答えは、本来は最強のドラゴン、カタストロフドラゴンがいる、というもの。今は何故かドラゴンが消滅しており、原因調査中と。

 いや、うん。原因は確実に私だ。


「ティルエル。あれってティルエルの部屋のことなんだけど、やっぱり……」

「その……。わたしか、倒しちゃった……ドラゴン、です……」

「あー……。だよね……」


 ちょっと……いやかなり、非常に申し訳ない気持ちに……。あれは、神様がゲームのために作り出したドラゴンだったらしい。勝手に倒しちゃったよ……。


「その知らないドラゴンではなく! ティルエルについて教えてください!」


 そんな声が上がって、わたしは思わず体を震わせてしまった。勝手に倒しちゃったから、みんな怒って……。


「運営が把握してないってどういうことですか!」

「未だに原因究明中ってなんだよ!」

「というかなんで消えたんだよまだ戦いたいんだけど!」


 あ、あれ? なんだか、予想と違う内容だ。みんなすごく怒ってると思っていたんだけど……。むしろ、わたしがいなくなったことに文句を言ってる?

 結局その答えは、原因究明中だけに終わってしまった。

 んー……。たまには、戻って戦ったりした方がいいのかな……?


壁|w・)魔女の大量発生。


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― 新着の感想 ―
私も□リコンって言われるかもしれないけれどティルエルちゃんみたいな可愛くて強い子大好きです! ふふ…この会場なら堂々と言っても全く問題ないよね ご本人様にたっぷりと聞かせてあげようwww
魔女さんが沢山 とりあえず、話を合わせたりしたら、大丈夫 魔女の話題に触れなければどうと言う事はない!
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