表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

俺はミイラだ

挿絵(By みてみん)


だれだ 俺の眠りを覚ますのは?


ここはどこだ?


俺のカー(魂)はオシリスの審判を受けなかったのか?



・・

俺の(かたわ)らには 男がいた。


おれの方を見ながら 俺の顔を描いている


ということは 俺のカーは 俺の肉体ミイラの中に逆戻りしたのか!


勘弁してくれよ


・・


俺は 砂漠の中を大河が流れる街で生まれた。

大河は1年に一度氾濫する。

神官たちは その洪水の始まりと終わりを正確に予測するのが仕事だ。


氾濫が始まる前には 俺達は高台に避難する。

別の街に行商に出かける者もいる


氾濫は 水とともに肥やしに富んだ豊かな土を運んできてくれる

年に一度の氾濫が 大地を潤し 畑の(もと)となる土を運んできてくれる


氾濫が終わると俺達測量士の出番だ。


なにしろ 川の水が土地の境界線を消してしまうから。


境界を示す目印が川の水によって流されていないかを測量によって確かめ、

もし動いていたら、それを正しい位置に据えなおさなければならない。


土地の境界線が確定したら 農民たちは 種をまき 作物を育て 俺達の腹を満たしてくれる。


そして1年がたち また川は氾濫する


・・・


測量士の仕事は 氾濫後の境界線の引き直しだけではない。


建物を建てたり ピラミッドを作る時にも まず最初に求められるのは俺達測量士だ。


俺達に求められるのは 公正であること・正確であること・正直であることだ。


俺は わいろも受け取らず いい加減な測量もせず

まじめに 実直に生きてきたつもりだ。


なのになぜ 俺のカー(魂)は俺のミイラ(死後の肉体)の中で

俺の肖像画が描かれているのを 眺めている羽目になったのだ?



◇ おまけ ◇



挿絵(By みてみん)


死後の永遠を求めて、肉体をミイラとして保存する一方、

カーが宿る心臓は カノプス壺におさめて封印された。


カーは、冥界にて オシリスの審判を受ける

挿絵(By みてみん)


(画像出典)


・阿部寛そっくり?ミイラの肖像画

https://www.j-cast.com/2021/05/31412813.html

2021.05.31 20:21 JCASTニュース


・カノプス壺

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8E%E3%83%97%E3%82%B9%E5%A3%BA


・オシリスの審判

https://www.ai-l.jp/HtEgy/chap6body-kami2.html

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ