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最終章 あの日見た虹 紫1

【紫色 ユリポン】


「おはようございます」

「おはよう、ゆりちゃん今日も元気だね」

「はい!今週もよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくね」

「本番1分前。いつも通りでお願いします」

 もう慣れたけど、生放送だから失敗は許されない。程よい緊張が大事。

「本番いきます。5、4……」

『ワイドワイドサタデー!』

「はい、おはようございます。今週も旬の情報をお伝えしていきますワイドワイドサタデー、司会は私、山田花太郎です。コメンテーターはいつものこの方々です。どうぞよろしくお願いいたします。では最初はいつものこのコーナーから」

『香月ゆりのほっぺた落ちまくりグルメレ米ン道』

「おはようございます。大好物はご飯、香月ゆりです」

「ゆりちゃん今週もよろしくお願いしますね」

「はい、今週もこれからバズるの間違いなしのお店を二軒ご紹介します」

「では一軒目からお願いします」

「はい、一軒目は高円寺のビストロユキタカさんです、ではどうぞ」

『高円寺のビストロユキタカ、レンガ造りのシックな雰囲気で、厳選された食材の洋食が味わえるお店です』

「では、店長さん一押しのメニューをお願いします」

「はい、こちらポークピカタです。鉄板が熱くなっておりますので、気をつけてお召し上がりください」

「いただきます。ん……豚肉の味が濃いですね、特別なお肉ですか?」

「はい、静岡朝霧高原の三元豚を使っています」

「んー、柔らかいし美味しいです。他にも豚肉のお料理はありますか?」

「はい、こちらポークチャップとボークジンジャーになります」

「あれ?ポークチャップとポークチョップは何が違うんですか?」

「全く違う料理になります、チョップが骨付き肉を使う料理になります」

「なるほど、うわ、ポークチャップの豚肉柔らかいですね、これは何か秘密がありますね?」

「はい、自家製のパイナップルジュースに漬け込んでいます」

「ポークジンジャーは味が濃厚でご飯がすすみます、こちらは?」

「はい、こちらは生姜と特製ダレに一日漬け込んでいます」

「なるほど、お料理によって仕込みを変えているですね。豚肉以外だとおすすめはありますか?」

「はい、旬のカキフライです」

「あれ?カキの旬ってRのつく月、4月までじゃなかったですか」

「当店で使用しているカキは、山の雪解け水で育っているので、この時期が旬なんです」

「なるほどですね、うわでっかい!いただきます、んー……口いっぱいに海の味が広がります、あとは何か限定メニューがあるとお聞きしていますけど」

「はい、一日20食限定のタンシチューです」

「んーー。タンがとろけるようで、味もものすごく濃いです、美味しーーい」

「豚と同じく朝霧高原の牛を使っているのですが、生で食べられるほどのものを、じっくり48時間かけて煮込んでいます」

「なるほど、ごちそうさまでしたー」

『限定のタンシチューは予約が必要です、電話かメールでご予約お願いします』

「朝から飯テロくらった」

「むっちゃ美味しそうやーん」

「わし今晩行こかな」

「ご予約忘れないでくださいね、では二軒目。二軒目は新宿の沖縄料理店『ヌチグスイ』です。こちらは那覇に本店があって、新宿のお店は支店なんですが、本店と同じ材料、同じレシピになっています、ではどうぞ」

『新宿の『ヌチグスイ』。お店の作りも本店と同じになっています。店内に入ると……

「ハイサーイ!いらっしゃいませー!」

三線が奏でる沖縄民謡が流れる店内で、沖縄でしか味わえない料理が新宿で味わえます』

「では、店長さん一押しのメニューをお願いします」

「はい、アンマー手作りジーマーミー豆腐と、もずくの天ぷらです」

「まるで沖縄に来たみたいですね」

「ゴーヤチャンプルーです、ごいっしょにオリオンビールはいかがですか」

「いただきます」

(ワイプ画面から「飲むんかい!」の一言)

「はい、ミミガー、ラフテー、足テビチです」

「んーー!これは沖縄の豚ですね」

「はい、そうです。食材は全て沖縄から取り寄せています、はい、こちらソーキそばです」

「お出汁が美味しいです、柔らかいから骨まで食べられます、コーレーグースで味変も可能です」

『沖縄気分を味わいたい方は是非』

「はい。カット!OKです」

「店長ー、お久しぶりです」

「ゆりちゃん、アイドルになったと思ったら、テレビに出るくらい有名になっちゃって。良かったね」

「はい、その節はお世話になりました」

 実は私、このお店で以前アルバイトをしていた。アイドルになったきっかけもこのお店。

 でも私なんでアイドルになろうと思ったんだっけ?

「ありがとうございました、お疲れ様です」

「お疲れ様。ゆりちゃんまた来週よろしくね」

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