第五十三話 天使
自創作【エンジェルアトリエR】のストーリー小説です。
彼女はその名を空に轟かせた。
先日の戦闘から約二週間。
《…今回は本当によく頑張ったね。世界にとっての英雄と言っても差し支えない程だと思うよ。オーシャンちゃんも、メイデンちゃんも。私達に伝えてくれて、一芝居打ってくれた紅ちゃんも。》
「紅ちゃん…」
《七つの大罪は完全に消滅しました。多大なる功績だけど、まだ油断出来ないのがあの策略家だからね。これまでの宣言の戦争で一度も顔を出さなかったほどには。後継か何かを用意してるかもしれない。…けど、少なからずこれで堕天使に大打撃を与えられた。司令塔が消えたからね。報酬は随時配布します。皆、ありがとう。》
「報酬言うたけど、例えばどんなん貰えるか聞いてもええんか?」
《うーん…そうだね…。例えば、紅ちゃんが望むもの全てかな。》
「全て!?」
《すぐに目を金に変えるな紅煩!》
《まぁまぁ、今回くらいはいいじゃない。さっき言った通り、フューエルちゃんにも、オーシャンちゃん含めた船員全員にも、メイデンちゃんにも、何でもだよ。それ程の活躍をしてくれたからね。あぁ、それと…。警備団団長としてでは無く、これは私個人から。》
並んでいる全員に、エデンが首飾りをかけていく。
《これは…》
《手作りだったから不安だったけど、案外上手くいったんだ。皆のイメージに近付けられるように、研究所の皆に無理言って材料を用意してもらったの。》
フューエルにはエメラルド、紅煩にはルビー、オーシャンにはサファイア、メイデンにはガーネットの装飾がなされたシンプルかつ綺麗なネックレスとなっていた。
《私のせめてもの気持ち。私からは以上です。》
それぞれが礼を言って部屋を出る中、エデンがフューエルを呼び止める。
《デスマーチちゃんがヘヴンちゃんの反天した姿だったのは聞いたよ。私としても残念に思うよ。》
《…しかし、彼女はこれを残してくれました。最期に話した内容も踏まえてになりますが…これが彼女なりの、生きた証だったんだと思います。…それに、今回の戦闘で勝てたのは殆ど彼女の力のおかげです。》
《誰の力でも無く、皆の力だよ。それは忘れないであげてね。それが私達に出来る弔いでもあるからね。》
《…承知しました。》
フューエルは隠そうと頑張って手の震えを抑えながら、ヘヴンの髪留めを握りしめた。
五十三話。第一章はこれにて完結。第二章はまた後程。ご愛読ありがとうございました。




