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第四話 発生

自創作【エンジェルアトリエR】のストーリー小説です。

初心者ながら、キャラクターの背景や物語を頑張って組んでいるので読んでいただけると作者が歓喜の渦に呑まれます。

舞台は日本、ストーリー内では主に東京近辺で起きた事にフォーカスを当てています。

正体不明の堕天使による予告があってから六ヶ月。住民の避難は一ヶ月ほど前に済ませているが、天使達はこの期間常にピリピリした空気の中で過ごすハメになった。

そして、今日は予告の日の二日前となる。

《じゃあ、作戦の再確認はここまでで大丈夫かな。念の為、明日から皆には現地に着いてもらうよ。何としてでも、奴の予告通りの災害は防がなくてはならない。頼んだよ。》

エデンがそう言い残すと、全部隊が散開し武器の最終調整等にかかるのだった。


《全員、場所には付けたかな。》

エデンからの全体通信。東京にフューエル率いる一番隊。そしてそのバックアップとして関東地方にストライク率いる二番隊。この様に各地に隊員が散らばって配置され、通信にて連携を取る。

《こちらフューエル。現状異常無し。》

《フューエルに同じく。》

隊長から次々に報告が入る。

全部隊から配置完了の通信が届いた後、エデンの合図で総員厳戒態勢に移行した。


そして、当日。午後になっても何も起こらず隊員の集中力も切れてきたその時、全国の至る所でけたたましい警報が響き渡り始めた。天界の用意した堕天使感知システムの音だ。

その途端に関東地区以外に低級堕天使が大量に現れ始めた。京都方面にいるクライシスやブリザード達が戦闘を開始する中、フューエルとストライクに共通の疑問が湧いていた。

“何故自分の所には低級堕天使が一体も出現しないのか”

周りの地域では多すぎて処理しきれない程出ているのにも関わらず、自分達の場には何もない。不穏な気配を感じ取ったフューエルは警戒をさらに強め、ソナー機能をフルに活用している。

警戒を強めて少し、ほんの数秒の差でフューエルのソナーが強い気配を感じとる。

瞬間、フューエルの背後にいた隊員の体が鉄柱の様なものが貫いていた。

貫かれた隊員の微かな声に反応し剣を振るうもその腕に弾かれてしまった。

即座に距離を置き武器を構える。体から腕を抜いた“それ”は液体が形を得る様に、静かに現れた。その容姿は常に溶解していて、正しく不安定といった様子だった。

フューエルは双剣を構え様子を見ている。“それ”の動きは非常に遅いが、一撃がかなり重いのは先ほどの被害にあった隊員で証明されている。ゆっくりと近付いてくる“それ”の情報を探る。ふとエデンから借りた史書に載っていた堕天使に似ている事に気づく。

《こちらフューエル。中級堕天使と思われる個体と遭遇。隊員が一命死亡した。奴の名は恐らくLet_Down、私が……》

言いかけた瞬間に、全身が動かなくなる。Let_Downの背後からフューエルをずっと見ている大量の目が出現している。

それと目があった途端に動けなくなった。

なす術もなく攻撃され吹っ飛び建物の壁面に激突する。

すぐに起きあがろうとするもまた動けなくなる。

《くそ……が……》

【⬛︎⬛︎⬛︎……】

よく聞くとLet_Downが何かを呟いていることに気付く。しかし、ノイズの様なものが混じっていてまともに聞き取れない。

次の攻撃が来る寸前で拘束が解かれ、ギリギリ逃れることができた。

《フューエル、状況は!》

《見ての通り!!》

ストライクによる援護もあり立て直す事に成功した時、目の正体がはっきりと映った。

《よりにもよって上級もいんのかよ……》

《あいつは黄色髪の方とセットでいる事が多いらしい。名称はDead_IZだったはずだ。能力は恐らく目を合わせた者の動きを止めるものなはずだ。》

《了解、二体一に強いパターンか……なら俺がいれば問題ないな》

《油断するな阿呆、構えろ》

少々ムッとしつつも二体ニの状況に持ち込むことに成功し、互いをアシストしつつもフューエルとストライクが少しずつ優勢になっていった。

もう数十分は戦っているだろうその時、堕天使側の動きに異変が起こる。

Let_Downが攻撃を出した瞬間につまづく様に液状化して消えた。

Dead_IZはそれを見た後高く飛び上がり始めた。

奴一体なら制圧できる、そう思い飛び立とうとするフューエルをストライクが静止する。

《なんだストライク!今なら討伐できるだろ!》

《待て……何か来る……。》

一瞬のゾーンに入ったかの様に戦っていたフューエルはその言葉でようやく気付く。先程から地響きが鳴っている。

そしてそれは段々大きくなっている。Dead_IZと呼称された堕天使はこちらを見ているが何もせず、そのままスフィアの様なものを作りその中へ消えてしまった。

そして、地響きが消えると共に堕天使が消えたスフィアとは別の小さいが禍々しく黒い球体が現れていた。

他の部隊から通信が入る。

《低級共が一斉に液状化した!ブリザードが多少凍らせたりして足止めしてるがほとんどがどこかに向かってる!我々も今から向かうが間に合うかわからない!》

その言葉を残して通信が切れる。

ストライクは別の隊員と通信している。

《あれは……》

始めは小さかった黒い球体に、次々と液状化した低級の堕天使が集まり大きくなっていく。

周りの集まってきた一般隊員はライフルを使って攻撃し続けているがまるで効いていない。しまいには液体の残った周辺の建物や道路まで吸い込み始めた。

全て融合しきったのか、集まっていた液体が途切れた。そのすぐ後に液体が急激に縮小し爆発する。

物凄い爆風や土煙で何も見えなくなる。十数秒で爆風は収まり煙が晴れる。

そこには、今まで戦ってきた堕天使と比べて何十倍もの大きさを持つ堕天使がいた。

《総員前線後退!!》

即座にフューエルが叫ぶ。巨大な堕天使は大きい割に動きが速く、一般隊員達が後退しても一定の距離を保つ様に動いてくる。

《ヴァルキリー、ミサイル用意》

[承知しました。十二連式徹甲ミサイル起動準備完了。発射可能です。]

フューエルのジェットパック、ヴァルキリーから音声が流れる。

発射寸前の重低音が鳴ると同時に高く飛び、堕天使よりも高い場所に付いてからミサイルが発射される。

フルヒットし、堕天使は体制を崩し動かなくなる。誰しも大ダメージと思っていた。堕天使の体にあいていた穴があっという間に塞がり再び動き出す。

《再生した……!?再生持ちでもあの巨体ならかなり時間がかかるはずだぞ!》

ストライク含め攻撃し続けているが攻撃力が足りないのかまるでダメージになっていない。

《ヴァルキリー、ミサイルは!》

[装填中です。使用推奨、カリバー。]

言い終わると共に剣の持ち手が出てくる。

《出力をソードギアに移行、コアをジェットに変更!》

[システム、オールグリーン。現在のタイプ:ソード。]

先程よりも速く、高出力で飛行し堕天使に近付きストライク達と共に切り刻む。先程よりも多少マシだが、それでも再生の方が早く着実に天使達の戦力が削られていっている。

フューエルやストライクも四つある腕に押され気味。おまけに叫び声にはスタン効果もあり動きが制限される。

フューエルは能力の一つをフルに使い自身の防御力を底上げして何とか耐えている状態。

その彼女でさえ耐えきれず叩き落とされてしまった。

優勢が劣勢に変わる中、瓦礫に埋まるフューエルの持つ空っぽのコアに光が宿り始めていた。

第四話です。これからしばらく長くなります。多分。

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