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第三十三話 生誕

自創作【エンジェルアトリエR】のストーリー小説です。

近未来の日本にて人々を守る天使。滅ぼそうとする堕天使。勝敗の軍配はいかに。

天界にある警備団の本部。エデンはそこの執務室で、一人分厚い本を読んでいた。

《…最近堕天使が増えたのもあってか、新しい天使達も増え始めてきてるね。これは皆に向けて説明が必要かな。》

エデンは本を閉じ、棚に戻した後部屋を出ていった。


《全体会議?》

《そう。最近団員、もしくは団員以外も含めて天使達が増えてきてるからね。良い事なんだけど、人間界の法律にプラスされてるルールも多いから。一度天使達全員に通達した方がいいと思うんだ。団員や隊員なら集めればいいけど、天使全員となるとこの本部でも収まらないから、団員以外の子にはフューエルちゃんが通達してほしいんだ。》

《構いませんが…いつやるんです?二番隊も私の隊も明日パトロール入ってますけど…》

《それは大丈夫。フューエルちゃん今週末出勤なのに業務入ってないでしょ?》

《まさか…》

《そう、そのまさか》

エデンが計画通りと言いたげな笑みを浮かべている。フューエルは書類を持ったまま呆れた顔をしている。

《じゃあ、そういう事だからよろしくね。天界の住宅に配る分は一軒につき一冊で良いからね。》

《え、本なんですか?人間界の法律にプラスされてる項目だけ纏めての方が早いんじゃ…》

《印刷するなら今週末には間に合わないと思うよ。》

《………………何でもっと早く伝えてくれなかったんですか》

《それはごめんね、忘れてた。》

《はぁ……分かりましたよ。1世帯に一冊で良いんですね》

《ありがとう、お願いね。》

フューエルは軽く会釈した後足早に去って行った。

《…さて、私はあそこに行かないとな。》

エデンはその足でフューエルと真反対の方に歩いて行った。


しばらく進んだ後、天界とは思えない程暗い通路を通り、パスコードを入れ巨大な扉を開く。そこには巨大な樹木、ユグドラシルと花畑が広がっていた。その範囲を囲うように結界まで張られている。

《調子はどうかな、ユートピアちゃん。》

エデンが結界の外から話しかける。結界の中にはピンク色の髪をした少女が木の根元に座っている。

《あ、エデン、久しぶりだね。》

《うん、久しぶり。今日は何人?》

《まだ朝早いからかな、まだ数百人程度だよ。》

《これからだね。それで…私を呼んだのは…》

《んーとね…。人間だったんだけど、天使適性の方が高かった魂が還ってきてるの。このままユグドラシルから産まれ落ちるなら多分天使になるんだけど…。》

《それがどうかしたの?》

《情報を見ると結構気性が荒い子だったみたいで…。能力も結構攻撃的だから大丈夫かなって。》

《それは大丈夫だよ。一度警備団で引き取って、それ次第で隊に入れるから。隊長クラスは皆厳しいし強いから生まれたての天使がどうこうできるものでもないからね。》

《ならいいんだけど…。あ、そろそろだよ。》

沈静化していたユグドラシルの葉が光り始め、ユグドラシルから魂が降りてくる。次第に形を得ていき、結界を抜けると同時に完成する。

《…ここは…どこだ…?》

《輪廻転生の原点。生命を司る樹、ユグドラシルの管理場だよ。》

エデンが新たな天使の問いにそう答える。

《お前は誰だ…。》

《私はエデン。天界の長。彼女はユートピア。ここの管理人だよ。君は?》

《は…?》

《ユグドラシルの中で何か言われたはずだよ。それが君の天使の名だ。》

《……ぼんやりとしか思い出せねえ…確か……クラッシュ…?だったような…》

《クラッシュ君か。よろしくね。君の記憶が曖昧なのは多分、人間として生きてた頃の名前と記憶を刻んだ部位が残ってるからだと思う。しばらくしたらはっきりしてくるよ。》

《……そうかい。》

クラッシュはゆっくり立ち上がり、ユートピアの目配せを受けた後振り返って歩いて行くエデンに着いて行った。


三十三話。新たな天使、荒くれ者。

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