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第二話 予告

自創作【エンジェルアトリエR】のストーリー小説です。

初心者ながら、キャラクターの背景や物語を頑張って組んでいるので読んでいただけると作者が歓喜の渦に呑まれます。

舞台は日本、ストーリー内では主に東京近辺で起きた事にフォーカスを当てています。

毎週日曜日更新を目指して頑張ります。

人と共存し、堕天使を倒す事に尽力する天界警備団。

その天使達の訓練は人々にとっても圧巻のものとなるだろう。特に、彼らの能力を伸ばす試験では。



 《では、30分ほど休憩を挟み一人一人実技試験に移る。解散!》

天界での基礎訓練を終え、1番隊の隊長であるフューエルが指示を出す。

隊員達は威勢のいい掛け声と共に解散する。

寝そべって休憩する者、友達と話している者、試験に向けて自主練を続ける者。過ごし方はそれぞれだが、皆揃って気を抜いている。

フューエルはあぐらで書類と睨めっこ状態だ。その近くには訓練用スナイパーライフルを持ち気弱な様子の天使がいる。

彼の名前はスチーム。能力が上手く扱えていないが、戦闘時に発揮される身体能力を買われフューエルの元にいる。

ビクビクしている理由は主に二つ。他の天使が多い事、試験の1番目が彼である事だ。

そんな状態で何も出来ていなかった為、あっという間に30分が経ってしまった。


《…よし、そろそろ30分だな。それでは、順番に試験を開始する!一番目は…スチーム、君だ。》

《は、ひゃい!!》

おずおずとスチームがフューエルに付いていき、天界から人間界に飛び降りていく。

スチームが付いて来られるようにスピードを落として飛行しているが、それでギリギリといった速度で飛行し、試験会場となる低級堕天使捕縛場についた。

《悪いな、システム。今日は忙しいぞ。》

《構わん。1人目はその子だな?…随分内気に見えるが、大丈夫なのか?》

《大丈夫だ。いざとなれば私が止める。》

会話を終えたシステムが飛んでいく。

《さて、本題だ。今から丁度5分後にこいつが動き出して君に襲いかかる。それを倒したら終了だ。どんな戦法を使っても構わない。時間は最大で1時間。説明は以上だ。何か質問は?》

《な、ないです…》

《そうか。うし、じゃあ頑張れよ。私は近くで見てるから。》

そう言ってフューエルは立ち去っていく。

そして5分が経ち、大きな起動音と共にダミーの堕天使が動き出す。

《ひっ…》

(怖い怖い怖い!!本当に偽物なの!?)

足が小鹿のように震える中、堕天使が腕を振りかぶり叩きつけてくる。

間一髪で避けるが、すぐに次の攻撃が絶え間なく飛んでくる。

スチームの体の数倍はあるであろうダミーの堕天使。スチームはもう数十分は逃げ続けている。

(もう無理かな…)と半ば諦め気味のフューエル。ダミーを止める為システムに連絡を取ろうと端末を取り出しそうとした時、突如として強い気配が現れた。

ジェットパックを戦闘モードに変化させ、辺りを警戒するも見当たらず。

辺りの異様な気配に気付いたスチームもフューエルの元に逃げようと走り出す。その瞬間、ダミーの堕天使は粉々に破壊され、スチームの前には剣で攻撃を抑えるフューエルの姿。それでも、押され気味。

ギリギリで剣を弾き返し、奴は距離を取る。

[久しいですね…エンジン。いえ、今はフューエル、でしたか?]

右手を嘲笑う様にし、奴はそう言った。確かに、こちら側の言葉を話した。

《どういう事だ、お前とは初対面だぞ。》

[あぁ…やはり覚えていませんか。残念です。…あぁ、そんなに警戒しなくとも、今はあなたを倒す気はありません。その後ろの若輩者も。]

《ほう、にしては随分血気盛んだったがな。》

[まぁ、体は…というより魂は覚えている様ですね。今はそれが分かっただけで結構。そうそう、本題です。今日は予告をしにきました。]

明るく話していた奴は、いきなりトーンを落とし予告内容を語り出す。

[今から6ヶ月後、我々は大災害を引き起こす。場所はここ日本のどこかだ。せいぜい、頑張って抵抗してくださいね。…以上です。それでは、ごきげんよう。]

そう言って奴は強い光を放ち、次の瞬間にはいなくなっていた。

《6ヶ月後…だと…随分私達は舐められてるな…。期間を与えてやるから準備しろ、それを叩き潰してやるってか…。あぁ、スチーム、怪我はないか?》

《は、はい…けど、今のは…》

《…舐められてるが、あいつにはそれ程の実力がある。確実にだ。取り敢えず、今は天界に戻ろう。》

《い、イエッサー…》

《はいでいいよ(今のがトラウマにならないといいが…)》



天界に戻り、フューエルは警備団の本部兼天界の長の住む神殿へ向かい、スチームはそのまま帰宅となった。

《…以上が、彼の試験の途中で起こされた事件です。予告は嘘かもしれませんが、あの態度、それに我々と同じ言語で話す高度な知性を鑑みると…私には嘘に思えませんでした。》

《…なるほど。報告ありがとう、フューエルちゃん。…そうなるとフューエルちゃんのヴァルキリーの調整と新技習得、急がないとね。》

《それだけではありません。隊員達の能力をより伸ばし、並大抵の堕天使は個々で余裕で倒せるレベルを最低限になくてはなりません。》

《そうだね。じゃあ、書類は受け取ったので下がっていいよ。それと、君は無理しすぎるところがあるから今日はもう休むんだよ。皆には私から伝えておくから。》

《ありがとうございます。失礼します。》

長の部屋を出て、ため息混じりに自室に戻る。そして、彼女のヴァルキリーに関しての技の案や機能の改良案をまとめ、警備団の研究班に提出に向かった。

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