第十八話 兆候
自創作【エンジェルアトリエR】のストーリー小説です。
数百年後の日本が舞台。天使vs堕天使、果たして敵は堕天使だけなのか。
堕天使はそもそも何が目的なのか。
主人公であるフューエル・レインフォースは命をかけて戦地に赴く。
「続いてのニュースです。先日十五日、再び通り魔事件が起きました。被害に遭ったのは20代の女性で、腹部と足に数カ所の刺し傷と顔に切り傷を負いましたが、命に別状はないそうです。また今回の事件で通り魔事件が起きるのは12件目で、警察は最大限の警戒を促し、パトロールを強化していく見込みです。」
ラボを出たフューエルは飛びながらバイザーを使ってニュースを見ていた。
《…いやに事件が増えたと思ったが…まさか既に…》
ジェットの出力を上げスピードを加速し、エデンのいる警備団本部“神殿”へと向かう。
《あ、隊長!》
《スチームか、神殿に来るのは珍しいな。何か用なのか?》
《はい、エデンさんにちょっと渡したいのがあって》
《あぁ、なら私がついでに渡しておこう。私もエデンに用がある。》
《本当ですか!じゃあお願いします!》
スチームから封筒に入った書類を受け取り、フューエルは神殿に入っていく。
エデンの部屋の前に着き、ノックしようとした瞬間
《入っていいよ、今は私以外いないからね。》
と声がした。
《失礼します。》
《固くならないでいいよ。それで、何か分かったことはあるかな。》
《サイエンス達に例の瓶を見せた所、ウイルスの能力核が入っている事がわかりました。確証はまだありませんが、最近の人間界で起きている事件も鑑みるとほぼ確実かと。…海外にいるアンチウイルスを呼ぶべきだと思います。》
《…そうだね、私もそう思う。けど、彼が来ても時間はかかるよ。》
《時間がかかっても彼でないと被害は止まりません。それに…》
《それに?》
《何か、他の堕天使が絡んでる気がしてなりません。紅煩は蝶型の堕天使の跡から取ったと言っていました。蝶の堕天使はクライシスの隊員が倒した“ただの低級”です。そんな奴が反天使の細胞を持って無事でいられる事がまずおかしいんです。》
《…耐久が上がったって感じかな。それか、フューエルちゃんの言う通りに誰かがいじってるか。…確かに嫌な予感がするね。彼にはなるべく早く到着するように連絡してみるよ。》
《ありがとうございます。私は人間界に行って一定期間、今までよりも外出を控えるよう要請しておきます。》
《そうして欲しい。それと、念の為フューエルちゃんもその要請が終わったらなるべく天界にいて欲しい。適合して天使化したとはいえ、元々は君も人だったからね。》
《…承知しました。》
そう残してフューエルは部屋を出て行った。
「続…の……ース…す。…界からの…請で…控…ました。最き……件が…空……染による…と考えら…おり、不要…急の…出を…てください。……に関して、人の…をしてない…審者に…約を……もし…不審…いても、無…してくだ」
壊れかけてノイズまみれのテレビを、何者かが引き裂いた。
十八話です〜。
おや、なにやら不穏な雰囲気




