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薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ  作者: 柚木 潤
第1章 洞窟出現編

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04話 転移計画

 扉の中に戻そうと思った書物をもう一度開いてみた。

 書物の最後のページに、この袋についている魔法陣のような模様と同じものが書いてあり、その真ん中に人が書かれているのだ。


 もう一度、祖父の名前が書いてある手紙に目を通した。


 誰かが助けを求めてる。

 でも、助けて欲しいおじいちゃんはもういない。

 私に何かできる事があるだろうか?


 私はよく考えてみた。

 ありえないことではあるが、何も入ってなかった扉の中に見覚えのないものが入っていたのは事実なのだ。

 鍵も閉めておいたはずだし、この世界の誰かがイタズラで置くことはありえないのだ。


 そう・・・この世界では。


 もし、この扉の中が、どうゆう条件の元かは不明だが、別の世界とつながっているとしたら、全ての辻褄が合うのだ。


 私は確信した。


 この書物に書いてある記号は別の世界の文字なのだと。

 そして、この手紙、この袋はその世界から来たもので、おじいちゃんは、その秘密を知っていた。

 それだけでなく、おじいちゃんはその世界に行ったことさえあると。


 そして、帰ってきているのである。


 この魔法陣が多分転移手段・・・。


 私にも、行って戻ってくる事がきっとできる。

 何故か、少しも不安はなかったのである。

 

 そして、この古びた書物を、もう一度熟読することにしたのだ。

 そう、今度は手元には、今まで見たこともない綺麗な粉があるのだ。


 私は今後の計画を綿密に立てることにした。

 まず、この書物に書いてあることを頭にしっかりと入れること。

 暗記は得意な方であり、最近は毎日のように読んでいた書物なので、大きな問題は無かった。


 しかし、祖父と違って、漢方薬をしっかりと勉強したことがなかった。

 もちろん、薬剤師として保険医療で使われる最低限の知識はあるのだが、漢方専門薬局を切り盛りできるほどのレベルでは無かった。


 知っていることと言えば、通常漢方薬を使用するには、『どういう状態の人』であるかという、『証』が重要であること。

『証』にはいくつかあり、虚、実、寒、熱 と言われている。

 その、『証』がどのような状態なのかで、選ぶ漢方が違ってくるのだ。


 虚・実 は病を跳ね返す力や普段の体力の強弱で決められる。

 寒・熱 は本人の自覚症状や新陳代謝が盛んか否かが関係する。


 今回の書物に書かれてる配合も少なからず関係があると思われるのだ。

 

 そして、漢方薬の効能効果や副作用。

これに関しても、全てを把握しているわけでないので、マニュアルを持っていかないとまずいのだ。

 もっと勉強しておけば良かったと、本当に後悔した。

 

 漢方薬の勉強と同時に、今後自分がいなくなっても問題がない状況をどう作るかを考えなければいけなかった。

 急に人が消えたら、この世界では大変なことである。

 父に心配をかけるわけにもいかない。


 しかし、あの手紙を考えると、そんなにのんびりとはしていられないと思ったのだ。


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