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第3話 ポテチが家にまだある事実
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しばらくポテチを探してたら有った。
冷蔵庫の上。
手に届くと全部食べちゃうから。
ポテチがある。
安心する。
ポテチが家にまだある事実は俺を落ち着かせてくれた。
まず、あのおっさんが不審者かどうか。
不審者ってなんだ。
不審な人だよな。
不審て何か知らないけど、俺を不安になった。
だから多分あいつは不審者でいいと思う。
どこから入ったか。
俺の部屋は窓から入ってこれる高さじゃない。
ドアにはいつもチェーンを掛けてる。
最初トイレにいた時に金属音は無かった。
窓が割れた音も無かった。
最初から忍び込んでいたのか。
何で。
俺は金持ちじゃない。
どちらかと言えば多分貧乏だ。
犯罪をする価値の無い部屋だ。
じゃあ何で。
何で全裸。
俺の部屋はバストイレ一体型。
物置には物が詰まっている。
人の入る隙間がない。
開けると物がなだれ落ちてくる。
物置の扉は結構がたついてる。
開けたら音がする。
物置は、無い。
俺の部屋は狭い。
一人でも狭い。
人が隠れられる訳がない。
人じゃない?