神とは?
深い眠りのような感覚から意識が戻る。
手足の感覚を確かめる。
そして目を開ける。
眩しくて目をしかめる。ぼやぼやとした世界がだんだんとはっきりしてくる。
そこは宮殿だったパルテノンのような柱
しかしそれ以上に大きく華やか、なにせ金色に輝いている。
どっかの猿武将のような思考を持った生き物がいるらしい。
上半身を起こしてみる。
金色に輝く世界のさきに人影があった。
神々しかった。神と言われても納得できるぐらい。
「神木君じゃな。ようこそワシのスーパーパレスへ」
「はい 神木ですけど……」
「ワシは神。全知全能、完全無欠、焼肉定食な神じゃ。」
混乱してきた。整理しようとしたがそんな余裕はくれなかった。
「何? お主はコミュ症か?そこは焼肉定食につっこむところじゃ
ろ。」
神とか言われて胡散臭くてしょうがない。
「混乱してしょうがないのですが…」
それでも神だと言われると思わず敬語になってしまう。
「ヒューマンもつまらんなぁ~さくっと適応せんか」
「そういわれましても…」
「お主はワシの暇潰しのためにきたのじゃさっさと働かんか。」
「はぁ…」
しかしまだあれを神として認めていいのだろうか?疑わしくて仕方がない。
「まさかとは思うのだが、疑っとるのか? ワシは神。この星ができた頃からこの星を見守っている。しかしな46億年も一人だと退屈じゃろ? だから定期的にこの星の生き物を呼んでいるじゃ。」
「わかりましたよ。はいはい、もうあなたが神でいいです。え~と、何をすれば良いんですか?」
胡散臭いが仕方がない。証明しろと言っても46億年の昔話をされても仕方がない。
そもそも真実かどうか調べようがない。
なのでなげやりに返してみた。
「ふむ、分かればいいのじゃよ。今日はこれぐらいで十分じゃ。また明日来てくれればいいからな。」
そういうと鍵のようなものを差し出してきた。
「これは神の国へ行くための鍵じゃ。これがあればいつでもこれるからな。これを上にかざせばよいからな。あと誰もいないところで使うように。見つかったらまずいからな。」
「その鍵の名前はな神Keyじゃ。神木だけにな。」
そしてしばらく冷たい空気が流れたあと視界が光につつまれた。
気づくとそこは自分の部屋だった。外は明るく小鳥のさえずりが聞こえた。
ブーー ブーー
携帯が鳴っている。知らない宛名。
今日は13時から待ってるからくるんじゃぞ。
もう疑う余地がない。あれは神。
全知全能のプライバシーブレイカー。
そしてすべて監視されているような感覚のなか約束の時間を待った。




