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日常と非日常の境界線
――未来人や宇宙人、妖怪や幽霊の類を本気で信じている人はどれくらいいるのだろうか。
テレビのバラエティー番組などで度々紹介され、明らかな紛い物にわざとらしくリアクションを取っている芸人を見る度に嫌な気持ちにさせられる。
どうせお前らは作り物だって知らされているんだろ、わざとらしい…と。
メデイアにとって非日常とは道具にしか過ぎず、また、それは大半の視聴者にとっても少し違った意味で同じモノなんだと思う。
変わり映えのしない日常の中に、ささやかな刺激を求めているに過ぎない。僕だってつい最近まではそう思っていた。
――今も四畳半の片隅で揺れる、得体の知れない黒い影さえ無ければ。