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いじめはいけないことです

中学2年は、変化の時期です。

心も体も大きくかわり、考え方が変わってくる人も多いと、授業で習いました。

4つ上の姉は、大人になりなんとなく現実を受け入れる感じだと言っていました。

少し前までは、「私もそうなるのだろうな」だとか、「姉のようになれたらいいな」などと思っていました。


魔がさしたというやつでしょう。

我ながらなんということを。大きな失敗をしてしまいました。



中学2年は、変化の時期です。

変化を恐れてはいけないと姉には言われましたが、このときばかりは従うべきではなかったと、過去の私に言って聞かせてやりたいものです。

始業のチャイムが鳴る。

2年1組の生徒が全員席につくと、担任の教師が今年度初の挨拶を始める。知らぬ顔はほとんどない。今更なにを挨拶するのかと耳だけで聞く者や、去年から同じクラスの友人と小声で話す者、何かが変わることを期待する者など、20人程度でも様々である。

「今日は、この後全校集会があって、それが終わったらまたホームルーム。それでおわり。新年度早々に集会で寝たりしないように。じゃあ廊下出て並んで」

クラス担任の言葉に生徒たちがだらだらと移動を始めると、他の教室からも同じように生徒が出てきて廊下に並ぶ。

「てか集会とかよくない?早く帰りたくない?」

「こういうのも大事なんでしょ、知らないけど」

「あ、動き出したよ」

先頭の教師が歩き出すと、それにつられるように生徒たちも足を踏み出す。式をする体育館へ行くには一度外へ出る必要がある。校内の桜はほとんど散り、若い緑の葉をつけている。暖かな風とともに体育館へ入ると、決められた場所へと移動する。

1学期の始業式。新入生は新たに始まる学校生活に想いを馳せるが、上級生は淡々とルーティーンを組み直す。中には手本になろうと高らかに校歌を歌う生徒もいるが、ほとんどが目立たないようにと考え周りと息を合わせる。

始業式ではいつも校長先生のお話のあと、生活指導の先生からおきまりの話がある。


「もう中学生なので、知っているとは思いますが、いじめはいけないことです。大人になってからすると警察のお世話になることもあります。なのでまだ子供の君たちには、どういけないのか知ってもらうために、実際にいじめをしてもらうことになっています。くれぐれも、止めたりしないように」


ほとんどの生徒が聞き飽きたと言いたげな表情である。

始業式が終わると、来た道をそのまま戻り教室へ。担任の教師が挨拶程度の軽い話を終えると、終業のチャイムがなった。

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