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詠う彼女と霊級解体日誌  作者: 32字以内
唱えはじめの季節
1/35

introduction

 

人口爆発への対抗策として、近未来を予感させた計画が、かつて存在しました。


 ――人口フロート利用計画です。


 宮城県、石巻海岸の沖、およそ十キロメートル離れた地点に、陸からは完全に独立した巨大な人工島(フロート)を建設し、その上に超高密度な自給自足都市を育成する――


 

 そんな夢のような計画が発表されたのが西暦(せいれき)2022年。当時、大規模スポーツ大会を無事終了させた、日本中の人々が次に興奮した対象でした。


あらゆる企業が、人工島建設会社に出資(しゅっし)し、人工島が完成して最初の居住者となるための抽選(ちゅうせん)は、日本でもめったに(たた)()すことのないような倍率を記録。



その波は海外にも、すぐに響きわたります。


先進国だろうが発展途上国だろうが関係なしに、自分の国が我先(われさき)に、と完成を早めるべく突貫(とっかん)工事(こうじ)してあらそったのです。


長い工事の期間、各国がしのぎを削るなかで最も早く、それなりのものを作り上げたのは日本です。作業こそ遅れたものの、やはりその正確な技術によって、一切(いっさい)の事故を起こさず済みました。



そうして、人類で初めて、陸とのつながりがない人工的空間が生まれます。


(とき)は、2053年。



人呼んで、新世紀(しんせいき)。またの名を、気づかぬ悲劇の始まり――



華々(はなばな)しく入島式はとりおこなわれ、白熱した建設ラッシュをおこした世界中の(みな)も含めて、その完成を盛大に祝福しました。島は大きさこそ東京23区のうちのどれかひとつ程度だったものの、高密度な街区にはあらゆる設備。その地価はみるみるうちに上昇していきます。


――次のページにある恐怖の発見が、人々の記憶に染み込むまでは。

だれもこんな未来なんて、想像しえなかったでしょう。できるはずがありませんでした。


  (新新改訂13版、中学校歴史教科書出典) 


http://estar.jp/.pc/work/novel/24195646/%E8%A9%A0%E3%81%86%E5%BD%BC%E5%A5%B3%E3%81%A8%E9%9C%8A%E7%B4%9A%E8%A7%A3%E4%BD%93%E6%97%A5%E8%AA%8C?_ck_=1

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