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曲がりくねった道

作者: 砂之寒天
掲載日:2026/02/16

ノンフィクションです

 私は三兄弟の末っ子だった。迎合とは、定めである。性格を合わせ、好みを合わせ、選択を合わせる。小学生の時は、そんな風だった。

 私は陽キャになりたかった。人生を価値のあるものにしたかった。他人の評価が欲しかった。だが、上手くいかず。私の小学生時代は、ハブられ、陰口叩かれ、孤独と内面に向き合う日々だった。私はどこか、人からズレていた。人が理解できなくて。論理的に考えても、経験もないから理論はぐちゃぐちゃである。

 中学二年生になって、私は本格的に孤独になった。グループに馴染めなくて、ハブられた。私の発言の度に、冷たくなる空気。笑わない、視線の逸らし。当然のように私のいないプリクラ。私の心は決定的に砕けた。

 その頃、母が精神の病気になった。ストレスで睡眠過多の私の隣で、泣き始めた。私はそんな母に当たり散らかしていた。私だって辛かった。眠って全てから逃げたかった。聞くに絶えない暴言も、きっと吐いたことだろう。言葉は覚えてないが、叫び散らかした喉の痛みを覚えている。父がいれば何か変わっただろうか。父は単身赴任で海外にいた。私は地獄の真っ只中にいた。ちなみに地獄はまた来るのだ。

 一人でいることは誇り高かった。そう言って、孤独から目を逸らした。いや、本当である。私は確かに誇り高かった。ただの麻酔薬だったのかもしれない。

 同じようにハブられた、虐められた子と仲良くなった。私は確かにあの時、楽しかったよ。良い匂いのハンドクリームを分けてあげたのを、覚えている。私の精一杯の愛情だった。明るくて、無邪気な子だった。人の陰口も言う子だった。

 私の精神は歪み切った。謙虚に、幸せを願わず、丁寧に、感謝を忘れず、上品に。そうすれば痛みは与えられないと信じていた。望むのは幸福ではない。痛みがない事だった。もう、耐えられないから。私の心は穴だらけ、傷だらけ。これ以上災難が降りかかれば、死すら厭わなかった。

 私はバレー部だった。案の定虐められていた。でも、辞めたら推薦入試に影響すると思って、辞められなかった。ずっと辛かった。部活に行きたくなくて泣きながら母に電話した日もあった。行きなさいと言われた。よく晴れた日だった。あの日の空の青さが、鮮明に脳裏に焼き付いている。憎らしかった。

 高専に受からなかったら、生きる意味はないな。そう思っていた。どこから地獄が始まっていたのか、もう分からない。違う道を、学校を選べば、私はもっと楽に生きれただろうか。高専に受かったのは、地獄への片道切符だった。

 中学の頃から、鬱の傾向があった。我が家に鬱病の人はいなかったので、それに気付くのには高専二年生になり、自殺未遂を起こしてからであった。

 高専二年生、私は鬱を発症し、休学と留年をした。休学している間に急性一過性精神障害を発症した。後遺症は統合失調症前駆期である。

 そんな私も何とか、四回生にして、二年生を終えられそうである。


 本日、二月十六日。私の誕生日。

 ここまで歩いてきて、私の目の前には、プレゼントの世界に一つのティーカップと、Francfrancのティーポット。

 何が手に入ったかと言うと、大事な事は物ではないと思う。ぬいぐるみでも、アクリルスタンドでも、ティーカップでもない。私が手に入れたそれは、私の人生に他ならない。曲がりくねった道の先には、歩いてきた道しかなかった。

 でも、それで良かった。それが私の人生だから。それが、かけがえ無い財産だと思うのだ。

 どうか、この先も、曲がりくねった道の先に、何もありませんように。そうすればきっと、歩いてきた道に価値を見いだせるから。

2/16は寒天の日らしいですよ。

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― 新着の感想 ―
ありきたりな言葉になってしまうけど、すごく頑張って生きてきたんですね。本当にすごいことだと思います。人によって苦痛の尺度は変わってきます。そんなことでとか、それぐらいでとか。けれど貴方が残した文章から…
のらです。 私も人生振り返るとハードモードだなと思い、それを踏まえてこの先は自分の為に生きようと考えてます。 ほんのちょっとでもやってみたい、やってみたかった事をやり始めると、何となく生きやすくなった…
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