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Sky  作者: ヤマト
3/5

降臨



「何、あれ?」


栂野明子は、顔を青ざめた。


黒い羽の生えた人とは思えぬ、異形の集団。


そう、最初から何か違和感を感じていた。


上からの司令で、少年2人を回収。


後、面倒を見て手懐ける。


いずれ戦力になるなんて、馬鹿なこと


話してたけど、ただの少年がそんなこと、


できるわけないじゃない。











ドガーンッ、と大きな爆撃音が高鳴る。


上空の悪魔たちは次々と撃ち落とされ、


姿を消した。順調に撃退している。


そう思われた、その時だった。



ひとつの光線が並んだ大砲にひた走る。


直後、爆発の光に包まれて、火が立ち上った。


「…………………」


栂野は呆然とした。その姿はまるで、


「天……使……?」
















 






ズーンッと、


シェルターに地響きが伝わる。


こんな襲われてるのって、俺がここにいるから


なんじゃねぇか?って自問自答する。


万が一あの悪魔みたいな軍勢が来て、


俺の力なしに勝てるのか?


栂野さんや、エレベータですれ違った女性、


そしてもしかしたらこの施設内の病院に、


ひなせがいるかもしれない。


守らなきゃ。俺が。




『今は出るな。』



フェンリルの声が頭に響く。


(出るなって、どうして?)


『やばいのが来てる。』


(なら尚更出なきゃ……!?)


『しばらくしたら増援が来る。』


(増援が出るまでの被害は我慢しろって?)


『神々の争いに多少の犠牲は付き物だ。

お前が犠牲になるわけではない。』


「……わりーな、俺そんな頭よくねーんだわ。」


俺は、立ち上がり、人を掻き分けて走る。


『はぁ、どいつもこいつも仕方ない。』


フェンリルは暗闇の中でやさしい笑みを浮かべる。


「全部俺がたすけて、ヒーローになってやるぜ!」
















「ぐっ………。」


壊滅。


飛来した謎の物体によって、


瞬間的に防衛設備は蒸発。



そして、目標が内部に侵攻。


抵抗を試みるも、失敗。


私は、予備のブレーカーすら落ちそうになり、


点滅する電気の照らす廊下の壁に、


体を預け、肩を抑え、足を引き摺りながら、


最終防衛地点へと向かう。


「ここを突破されたら終わり。」


まさか、こんな化け物が急に襲ってくるなんて。


向こうから駆け足の音が聞こえてくる。


「………ひびきくん!?」


「栂野さん!?」


ひびきくんは、倒れそうになる私の体を支える。


「どうして……!?」


「ハァ、ハァ………いいから、今すぐ逃げなさい。」


「俺、戦うよ。みんなを守りたい。」


「馬鹿なこと言ってないで、早……カハッ……」


栂野さんの口から血が溢れる。


「栂野さん!!」


向こうから医療班と思わしき人が駆けつける。


俺は優しくその体を、医療班の方に受け渡す。


「お願いします。」


俺は立ち上がり、前へ進む。


「ちょっと、君!!そっちは!!!」


「すぐに終わらせます。」


目は狼のように鋭く、紫の雰囲気(オーラ)を纏う。


絶対に許さねぇ。

















黒い翼の生えた天使は、地上に向かう。


多くの人々の住まうエリアに、迫っていた。


天使は、地上に1人いることに気づく。


目的(ターゲット)だ。


運良く見つけた。今すぐ始末しようと考えた、


その時だった。


暗く影を落とした少年の顔が火をともす。


指を力強く、右へ振ると、天使はとてつもない


風圧に為す術なく壁に叩きつけられる。


『blast』


複数回の爆撃が、天使を直撃する。


天使が爆撃に動けずにいる瞬間、


その時には彼は飛来し、拳を掲げていた。


「歯喰いしばれ。」


後ろに映るはフェンリル。


その想いを込めて放った一撃は、


天使の体を穿ち、ジリジリと火花をあげた。


直後、体は光に包まれ、壮絶な爆発音と共に、


辺りを黒い煙で包んだ。











壁の隙間から立ち上がる青年。


彼は、吠えた。狂気的に、愉悦的に、


咆哮をあげた。


口から滴るそれは、飢えた眼光は、


もはや人のそれではなかった。































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