第肆話 作戦立案
翌朝から、カレンの皇帝側近ライフが始まった。
側近と言っても、細かく部位が分かれており、
・皇帝や皇太子・皇太女の身の回りの世話をする側近(上流家庭出身が多い)
・帝王学を皇太子や皇太女に教える側近(ヴァイス家などの皇帝と血縁がある名門貴族が多い)
・料理・掃除などの雑用を行う側近(貧困層出身者が多い)
・皇帝や摂政と仕事を共にする側近(皇帝直々に推薦されないと無理ゲー)
などがいる。上官曰く、ざっと500~1000人程度だという。
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「それじゃあ、本日も開始する。頑張れよ新人。」by皇帝
初対面の時より口調が明らかに柔らかい。
「はっ、はいっ!」
「では本日より、対地上人作戦、則『墜鷲作戦』の立案を開始する。」
"10"を伝える時報の音と共に、私史上初の側近議会が始まった。
皇帝の反対側の席に座り、背が低く髭を蓄えた老人が言う。服についていたメダルの形から、直ぐにヴァイス家当主のエリック・ワトソンだとわかった。
側近議会は皇帝が議長を務め、対称の位置に副議長が座り、その間に側近達が座るスタイルとなっている。
「アトランティス帝国は、かつて西はアメリカから東はバビロニアまでの大帝国だったのは皆さんご存じだろう。だが、"猿"は力をつけすぎた。不要なことまで学び、不要な行為までする。その結果、猿はグレイ人と結び、我々を地上から追いやり、自らのすみかを破壊するようになった。」
「だからこそ、我々は地上の猿に復讐し、大陸への光復を果たすのだ!」
意を決して、静かに手を挙げる。
「何があった、カレン殿。」
「作戦の具体的な内容は決まっているのですか?」
「"具体的な"内容は決まっていないが、大まかな順序は決まっている。」
皇帝が話す。
「よろしく頼む、アンナ。」
一人の女が席を立ち、投影機の電源を付ける。
「まずは、フルオルダ半島に上陸した後、我が軍の快足師団を用いて大陸の東側を押さえます。そしたら西進しながら敵都市に太陽爆弾を投下し焼き尽くしてから占領し、大陸は掌握完了です。次にヒベルニア、ブリターニャ、ヒスパニアに帝国空軍で容赦なく爆撃した後、ロンディニウム、エブラナ、ガディルを押さえます。後は大陸と同じく敵都市に太陽爆弾を投下し焼き尽くしてから占領します。これで『アトランティス帝国の』光復作戦の説明は以上です。」
皇帝が訪ねる。
「その言い方だと、ムー王国と大レムーリャ連邦と同時進行で光復するみたいだな。」
「仰せの通りです。」
数時間の話し合いの末、次回の側近議会は来週開催となった。
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