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ジークフリードの悲劇

ジークフリードは異教徒の反乱を鎮静した後、皇帝の勅命により異民族の北の辺境国境警備の任命を受け、さらなる帰還が延ばされた。


ディアは失意の中、皇帝だけでなく皇太子の行動にもおびえていた。

皇帝はさすがに夜の閨の当番の侍女を買収し、寝室に侵入しては関係を強要しようとした。

その度にディアは女神の力を使い姿を消し難を逃れていた。

しかし皇太子は昼日中も他の目を気にせず関係を迫るので、女神の力も使えず宮廷生活を煩わしく思って過ごしている。

唯一の息抜きはディアの困惑を心苦しく思っていた慈悲深い皇后が誘うお茶会の招待でのひと時だけだった。


ジークフリードの帰還を今か今かと待ちわび一年がたってしまった。


皇帝次の遠征先がない状況下で帰還させるしかなくなり頭を抱えていた。

そこに皇太子が唆し、ジークフリードを亡き者にする計画を持ちかける。


すでに帝国の国民と貴族に人気のあるジークフリードを煙たく思っていた二人は協力して腕の良い暗殺団を北の辺境に派遣する。


この暗殺団は北部の辺境の砦に頭到着するとジークフリードと謁見し帝国の追加騎士団の名目で入場した。

ジークフリードは皇帝の誠意を厚く感謝するとともに騎士団に入隊の辞令を宣言した。


暗殺団の団長は翌日すぐに行動に出る。

北の辺境の見回りと称し、砦の周辺を見回った2日後、怪しい軍隊が砦に向かい進軍していると報告した。

暗殺団長は先遣隊を派遣するのは早すぎるとして、ジークフリードに先に確認し壊滅の計画を立てる事を進言する。


すぐに装具を整え、暗殺団と共に更に北にある隣国の山脈の峠に馬で向かった。

軍隊が見える所までは距離があるという事で、山で一夜過ごす事になった。


まだ暑い夜汗だくになったジークフリードは近くに泉を発見し水浴びをしていた時だ。


暗殺団の一味はその行動を予め予測しており、事前に暗殺計画を練っていた。

ジークフリードの剣の腕は高く複数で攻撃しても勝ち目は薄かったが、丸腰なら相手にならないだろうとふんでいた。


泉に入り、その身体を洗い流していたまさにその時、目の前に暗殺団の団長がジークフリードに「相手の軍の先遣隊がこちらに向かっている」と話しかけた。


そういうとその背後でジークフリードを後ろから狙う暗殺者が剣を一振り、ジークフリードの背中から一気に一刺したのだった。


ジークフリードはその場に倒れこみ、意識をなくした泉に沈む。

暗殺団はジークフリードが殺し何事もなくその場を去った。

彼らは帝国に戻る前に皇太子の親衛隊の一部によって殺された。


ジークフリード死去の知らせは早馬で知らされ帝国の宮廷は騒然となる。


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