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81.いばらの加護(ロベルト視点)

「ロベルト、領主様の城へ向かえ」


 突然、商会の長である父が俺にそう言い放つ。


「……急に何ですか?」


「次期領主夫人であるブリジット様からの呼び出しだ」


 そう言って父は手紙を手渡してくる。その手紙には『商いに精通し、立場上身軽な者を寄越すように』と書かれていた。しかも日付は三日後だ。


(身軽な者だと……!? クソッ!)


 この文言では俺にとって厄介事を任される可能性が高い。そうなっては兄を蹴落とし、跡継ぎになる道が更に遠ざかってしまう。


「ここに拘って燻っているより余程良いだろう。……行ってこい」


 俺の胸の内に察しがついている父は、火種を遠ざけようとしているのが丸わかりだ。


 付き合いの長い公爵家には家族構成などとうに把握されているだろうから、これは実質俺を呼び出しているに等しい。もし他の者を行かせたとしても、俺でなければ最上の得意先からの商会への評価が下がってしまうだろう。


「……承知しました」


 これ以上、この場で何を言おうとも無駄なのはわかりきっている。俺は心の中で溜め息を吐きながらも従うしかなかった。




◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇




 指定の時間よりも早く領主の城へとやってきた。仕事の基本だ。貴族は我々の予定など考慮してくれるはずもない。余裕を持って行動しなければ、酷い目に遭うのは自分たちだ。


「では、お呼び出しが掛かるまでこちらでお待ちください」


 優美な調度品に彩られた待合室で、この先俺を待ち受けている展開について思考を巡らせる。


 商会にとっては得意先であっても、跡継ぎではない俺は普段このような超大物の貴族の前に出ることはない。お陰で一般的な貴族への対応の仕方は頭に入っていても、それが通用するのかどうかまではわからない。


 何かとんでもない品を探させようとしているのか、逆に何か碌でもないものを売らせようとしているのか。特に何もない今の時期に新たに何か行事でも増やすつもりなのか。全く別の畑の事業で商会との橋渡し役でもさせられるのか。


 現状手がかりが何もなく、気分ひとつで何でも命じられる可能性があるせいで、全く絞り込める気がしない。


(本番で動じないよう、今の内に覚悟をしておく位しか出来ないな……)


 このような大貴族の前で何かヘマをしてしまえば最悪首が飛んでしまう。恐ろしいほどのプレッシャーが圧し掛かってきて、自然と身体が震える。


「お待たせ致しました、どうぞこちらへ」


 そうやって戦々恐々としている中、いよいよ使用人から声が掛けられた。




◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇




 案内された応接室には二人の人物が居た。一人は俺をここに呼び出した張本人であるブリジット・グラハム次期公爵夫人。


「エルサール商会より御招集に応じ馳せ参じました、ロベルトと申します。ご機嫌麗しゅう存じます。ブリジット様、クローヴェル卿」


 そしてもう一人はその常識離れした実力と周囲の目を引き付ける美貌でエルグランツの住人ならば知らぬ者は居ないほどの有名人、S級ハンターであるレオナ・クローヴェル女男爵だった。


 直接の面識はなくとも、彼女の情報ぐらいは無論把握している。


 史上最速かつ最年少でA級ハンターにのし上がり、更にレッドドラゴン討伐で大きな貢献をしたとしてS級ハンターに認められ、今では王太子妃候補として注目を浴びているという、とにかく話題に事欠かない人物だ。


 噂では今は亡きバーグマン伯爵の一人娘とも言われており、その年齢と出身地の近さを考えればブリジット様と以前から交友関係があったとしても何ら不思議ではない。


 こうやって実物を前にしてみても、つい最近貴族になったばかりの元平民とはとてもではないが思えない。所作や纏う雰囲気に明らかに品があるのだ。それらが一朝一夕で身に付くようなものではないことを考えれば、噂の信憑性はより増したと言えるだろう。


「役者は揃ったわ。早速説明してもらえるかしら?」


「えぇ」


 俺の挨拶に二人は特に反応を返すこともなく、クローヴェル卿は説明を始める。


 なんでも彼女がまだA級ハンターになりたてだった頃、北のロートレック領にある村、イルヘンをゴブリンの大群から救ったのだという。


 村を呑み込むほどの大群を魔法で一掃したものの、その魔法の影響で村も壊滅状態になってしまい、村人と共に復興の手伝いをしている内に比喩ではなく村人全員から慕われたのだそうだ。


 もはや絶望的ともいえる状況で何故生きていられるのか、そのような非現実的な話を何故ブリジット様がさも当然のように落ち着いて聞いていられるのか、正直俺には理解出来ないことだらけだった。


 そしてつい先日、復興したてのイルヘンがあちらの領地の商会に嵌められ、困窮しているのを知ったそうだ。その手口はとても古典的なもので、我々エルサール商会の人間であれば自業自得だと鼻で笑う内容ではあったが、どうやら彼女の中ではそうはいかないらしい。


「私の大切なものに手を出すのであれば、徹底的に叩き潰してやるわ」


 そう語る彼女の横顔は、これまでに聞いた評判などからは想像も出来ない、思わずぞくりとする程の冷たさを放っていた。


「――という訳で、その商会が邪魔なのよ」


「はぁ~……慕ってくれている村人たちを再度助けるために立ち上がるレオナ……。たまらないわねぇ……」


 これほど物騒な話をしているにも関わらず、ブリジット様はそれを全く意に介さず、当時のクローヴェル卿の姿を想像し、うっとりとしている。つまり反対などしていないのだ。


 俺はこの状況に戦慄した。


 己の中の全てであった商いの世界、そこにおける競争相手のひとつを、彼女たち貴族の会話の中では商売を介すること無く、潰す・潰さないがまるで当然の選択肢のように存在しているという事実に。


(これが大貴族の思考か……)


「……ロベルト」


「はっ!」


 初めて名前を呼ばれたことでようやく正気ではなかったのを自覚し、はっとする。


(いかん、俺としたことが……!)


 そこいらの貴族のただ傲慢な態度程度であれば珍しくもなく、表情を取り繕うのは簡単だというのに、このお二人を前にしていると理解が追い付かないことばかりでまるで取り繕えていないではないか。普段から対応している父や兄との経験の差を思い知らされるようで、あまり良い気分ではない。


「今日来てもらったのは、貴方に私が新たに立ちあげる商会の実質的な経営と、イルヘンの村人たちから搾取しているゴルドマ商会を叩き潰す役目を任せたいからなのよ」


「私に、ですか……!?」


「不安かしら? 不安の解消のために聞きたいことがあるなら、いくらでも聞いて頂戴」


 当たり前だ、不安しかない。しかし俺はもうこの場から逃げられない。彼女の言うことを聞くしかないのだ。


(とにかく情報を聞き出さねば……)


「ゴルドマ商会といえばロートレック領最大の商会です。叩き潰すと申しましても勝算はあるのでしょうか?」


 具体的な案を出すわけでもなく、ただ目的だけ提示されても困る。ただ気に喰わないだけの感情論で無理難題を押し付けられてはたまらない。


「手際が良すぎるもの、こういった不正行為は今回が初めてのはずがない。他にも必ずしているわ。叩けば叩くほど埃が出てくるはずよ。その証拠を集めてもらいたいの」


 とても手慣れた犯行なので確かにその可能性は高いだろう。だが所詮高い止まりの話だ。現時点で確たる証拠があるわけではない。


「仮に、それが無ければ?」


「別に奴等と同じように、適当に理由を付けて実力行使でも私は構わないわよ。ゴブリンを相手するよりも簡単だもの」


 そう言って不敵に鼻で笑うクローヴェル卿。先程の話が本当であればゴブリンが数百匹束になったところで敵わない相手だ、商会が戦力を集めたところで何の障害にもならないだろう。


「どちらにせよ先程のイルヘンの村長の話の通り、商会の後ろ盾である子爵が出張(でば)ってくると思われますが……」


「出張ってきたところで今の子爵に何か出来るような力はないわ。……そうよね、ブリジット?」


 自然と彼女の視線の先を追いかけると、ブリジット様は落ち着き払った様子で茶を飲んでいた。


「……えぇ、馬鹿息子が私を襲ったことで多額の賠償金を支払わせたから今のロートレック子爵には資産なんて殆ど残っていないはずよ。私としては馬鹿息子同様、一族根絶やしにしてやりたかったけれど、それは周囲に止められちゃったわ」


「あ、じゃあ例の馬鹿息子って……」


「処刑されたわよ。公爵家を敵に回したのだし、私も学園時代の対応が甘かったと反省して、実家の名誉のためにもキッチリと落とし前を付けさせてもらったわ」


 ブリジット様の口から俺の知らない情報が次々と飛び出してくる。領主の息子がそのような理由で処刑されているなど、あちらの領民ですら知らないのではないか。必死で隠そうとしている領主の姿が目に浮かぶ。


 今の話が本当であれば、むしろ領主が積極的に加担して資金を集めようとしている様にも思える。その為に税を納める領民を困窮させるなど愚の骨頂ではあるのだが、そこまで気にする余裕すら今の子爵には無いのではないだろうか。


「そういうことだから子爵はウェスター公爵家に頭が上がらないの。ブリジットに圧力を掛けてもらえば子爵はもう何も出来ないわ」


 後ろ盾が機能せず、荒事も通用しない相手に悪事を暴かれるのだ、もうゴルドマ商会は詰んでいると言って良いだろう。


「……なるほど、良くわかりました。最後にもう一つだけよろしいですか?」


「何かしら?」


「これほどの大役を、何故初対面の私に任せていただけるのですか?」


「……そんなの簡単よ。ブリジットの紹介だからに決まっているでしょう?」


 理由に俺という人間がどうとか、初対面がどうとか、そういうものは一切関係がなかったことに言葉を失う。


 そんな俺を余所に彼女は淡々と話し続ける。


「私はブリジットを心から信頼しているし、貴方もブリジットの信用を裏切れない。今はそれだけで充分よ。今は時間があまりないけれど、いずれ心から私に仕える気にさせてあげるから期待しておいて頂戴」


 このような大きな話の全てが、信用と信頼だけで進められていたのだ。商売をする上でそれは確かにとても重要な要素ではあるのだが、いざここまではっきりと割り切られてしまうと戸惑いを隠せない。


「周囲を見返すチャンスが回って来たのよ、ロベルト」


「――ッ!!」


 今日が初対面だというのに、明らかに家の事情だけでなく俺の心境までも把握していないと出てこない言葉が発せられ、心臓が跳ねた。


「どういう意味かしら?」


「……次男は大変なのよ」


 実際その通りではあるとはいえ、本当に一言で済ませられるのは微妙な気分だ。勿論、文句など言えるはずもないのだが……。


「なるほどね。……ロベルト」


「はい」


「その野心と商売への熱意、とても好ましいわ。今回の件が成功すれば、まず間違いなくイルヘンだけでなく、他の地域で苦しめられている人々も取り込める。商会設立の時期からは考えられないような規模の商売にもなり得るわ。私の主義に反しない範囲で、貴方は貴方の為に動いてくれて構わない。それに必要な援助もしてあげる。だから頼まれてくれないかしら?」


 任される理由に俺は関係なかったにも関わらず、俺の現状を把握した途端に、俺が何よりも欲しているものを提示してくる。何という思い切りの良さだろうか。


 先程のやり取りからもわかるように、クローヴェル卿は信用や信頼というものをとても大事にされている。もはや誰も敵う者がいないほどの戦闘力を有し、丸ごと村ひとつから慕われる人望も有り、国内でも有数の権力者であるブリジット様からの信頼も篤い、そんなお方からの信頼を得ながら商売を行える機会など、この人生でもう二度と訪れはしないだろう。


(ブリジット様の言う通り、これは千載一遇のチャンスだ。逃すわけにはいかない!)


「……貴女様の望む結果を、必ずご覧に入れてみせましょう」


「……ありがとう」


 商会の設立の手続き、人材の確保・教育、ゴルドマ商会の不正の調査、取引先の確保、実際の販売に向けての調整など、今から恐ろしい量の仕事が待っている。


 だが不安はない。ここから新しい人生が始まるのだと確信出来るからだ。


「あ、そうそう」


 俺が闘志を燃やしているところに、若干気の抜けた軽い調子でクローヴェル卿が何やら思い出したようだ。使用人に合図し、ブリジット様の元にいくつかの瓶が運ばれてくる。


「……これは何かしら?」


 なにやら少しとろみのある液体のようだが、ブリジット様もご存じないようだ。


「化粧水、シャンプー、リンス、それにヘアオイルの試供品よ。売り出す前に感想を聞かせて欲しくて」


 聞きなれない単語に首を傾げる俺とブリジット様。だがその効能や使い方の説明を聞いているうちに、俺の興奮は最高潮に達した。


(入浴や美容関係の新商品! それもこれほどの美貌を持つこのお方が広告塔として宣伝に協力して下さるなど、もはや勝利しか見えないではないか!)


 俺は今日この場に呼ばれたことを女神アルメリアに深く感謝し、天を仰いだ。




◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇




 実家に戻った俺はすぐさま準備を始めた。


 父や兄には詳細は伏せ、新たな商会を設立しなければならないことと、人員を少し融通して欲しいことだけを伝える。


 ゴルドマ商会を叩き潰すなどと伝えてしまえば、すぐに商機を察して要らない手間を増やしてくれるだろう。ただでさえやらなければならない仕事が山積みなのだ、これ以上余計な仕事を増やしてはいられない。


 新たに人員を募集するにしても、自分以外が全くの素人となると厳しいので、抜けても大きな影響がない範囲で信用出来る者を、許可を得て堂々と引き抜かせてもらった。


 レオナ様もダイト商会で働いていた経験があるという使用人をしばらく貸し出してくれた。そして同時にエマという若い女性を助手として教育するよう命じられた。今は手が足りなくて猫の手も借りたい程なのだ。ありがたく彼女たちにも働いてもらうとしよう。


 そうして『クローヴェル商会』が設立された。名前はレオナ様にお願いしたのだが、何も浮かばないと言うので、後世まで名を残しましょうと家名を提案すると、満更でもない様子だったのでそのまま家名を使わせて頂くことにした。


 商会が出来たら次はゴルドマ商会を叩き潰すための証拠集めだ。いざ調べてみると不正の証拠が出るわ出るわ、イルヘン同様弱りきった生産者や、無理矢理高く売りつけられた取引先が大量に見つかり、こんな商会を競争相手として見ていたのかと変な笑いが出たものだ。


 それらの被害者の中から今後も付き合いを続けられそうな所を選び、実家と競合する物を取り扱っていた所はそちらを紹介出来るよう、それぞれリスト化していった。


 全てを取り込んで、公爵家のお抱えであり出資も受けている実家の業績に大きな影響を与えてはならない。俺の選択でレオナ様と、ブリジット様を含む公爵家との関係を悪化させるなどあってはならないのだ。一切の火種を作らぬよう、そこには細心の注意を払った。




◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇




 そして遂に計画実行の為、ゴルドマ商会に向かう日がやってきた。レオナ様が用意して下さった二台目の馬車の中で殆ど働き詰めだった俺とエマは泥のように眠った。そうやってアジェまでの道中をほぼ寝て過ごしたことで幾らかスッキリした頭で本番に臨むことが出来た。


 とはいえその本番は随分とあっけないものだった。結局俺は不正の証拠を集めただけで、後は殆どレオナ様が対応して下さったからだ。正直エマと二人して震えを我慢しているだけだった。


 領主相手に一切臆することなく向かっていくレオナ様の頼もしさといったらなかった。事前に命の心配はしなくて良いとは言われたが、まさかあれほどまでに余裕があるとは……。どうしようもない相手にただただ脅されるしかないロートレック子爵には多少同情してしまう。


 商会の方も不正を糾弾し、商会の解体処分を下す内容の公式文書を見せるだけで簡単に折れた。


 いやまぁ簡単にと言っても最後は暴力に訴えてはきたのだが、レオナ様が軽く対処して下さったお陰で何もする必要がなかったという意味だが。やはりこの場でも俺が居る意味はあまりなかった。


 その後俺はイルヘンの村へと向かう馬車の中で、あの日領主の城に呼び出され、この役目を任されたことの幸運さを噛み締めていた。実家を継ぐよりも遥かに充実した未来が待っているのだと、口元が緩むのを必死に堪えていた。




 イルヘンの村に到着すると、夕方であるにも関わらず村人全員が総出でレオナ様を出迎える。レオナ様が無事やり遂げたことを告げると悲鳴にも近い歓声が上がり、その場にいた村人の誰もが感謝を口にして涙を流し始めたではないか。


 夕日に染め上げられながら村人たちを慰め、励ますレオナ様の姿は、出会った初日とも子爵や商会を相手している時とも違う、とても穏やかで皆を包み込むような優しさに溢れたものだった。


 俺はその光景を目の当たりにして言葉が出なかった。


 歓喜している村人たちを見て胸が締め付けられる思いだった。


 俺はあくまで仕事としてしか今回の騒動に関わっておらず、そこには村人たちに対する何の感情も存在していなかったのだと思い知らされたのだ。


 実家の商会がどうとか、自分の商会がどうとか、そんなことばかり考えていた自身が酷く恥ずかしくなった。何と懐の小さな人間だ、これが商会を経営していける器なのかと。


 そんな中、レオナ様がこちらを見て微笑んでいることに気付いた。その深い赤の瞳はどこか気遣っているような、そんな少し控えめな、それでもとても優しいものだった。


(……全てお見通しか)


 自らの未熟さを恥じる思いをぐっと飲み込んで頷き返すと、レオナ様は満足そうに村人たちの方へと視線を戻していった。


 見捨てられたのではない。「これから学び、ついて来い」と言われた気がした。


『私は私を慕ってくれる人ごと幸せになってみせるわ。屋敷の皆も、クローヴェル商会の皆も、イルヘンの村人たちも、エルグランツの住人たちも、全員ね。もちろん貴方もよ、ロベルト』


 自然と途中の馬車の中でレオナ様が語った言葉を思い出す。


 既に俺も含まれていると仰って下さったそれは、村人たちがいたる所で口にしている『いばらの加護』そのものだった。


 その棘で外敵から護り、その内側に平穏をもたらす『いばらの加護』は確かに存在しているのだ。


 彼女を信じて共に在ろうとすれば、彼女は必ずそれに応えてくれる。


 そう信じられる光景が今、俺の目の前に広がっている。



距離の近くない平民から見ると貴族の二人はこう見えているというお話

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