本編
想い、紡ぎて
音羽 裕(Yutaka Otowa)
「遅いなぁ……まだ来ないのかな?」
夜が迫り、ぼんやりとした夕闇が辺りに垂れこめてきた頃。一人の黒髪の女性が、物憂げな面持ちでたたずんでいた。
彼女が今立っているのは、高い白壁に囲われた城の裏口の脇である。彼女はずっと、裏口から人影が現れるのを待ち続けていた。
「もう一時間にもなるじゃない。どうしたんだろう……」
呟きながら彼女は分厚い裏口の戸をじっと見つめる。刻々と空から降りてくる暗闇。そしてしばらくの後、戸は重い音を立てながらゆっくりと開いた。そして、そこから現われたのは、赤い髪にシルバーの鎧を身に付けた派手な出で立ちの男だった。
「クエイダル!」
クエイダルと呼ばれた赤い髪の男は、すぐさま彼女の元へ近づき、彼女の黒い髪を何度も撫でる。
「よっ、タニア」
悪びれる様子もなく、クエイダルは彼女の名を呼んだ。
世界の果て、サムシュトラス半島に、南部のほぼ全域を治める宗教国家「ベルダール王国」があった。一年半前に半島全土を揺るがした戦も終結し、国に住む人々は平和を謳歌していた。
王国の首都リンゲルの中央には緑に囲まれた白亜の城と、天高くそびえる大聖堂が並んでいる。それは国の名の由来となっている「太陽神ベルダール」を信仰する国のあらましを体現している。
そんな街の一角に、銀細工を売り生計を立てている小さな店「エラティス」があった。店は主人であるエンリケ・エラティスとその息子アレックス、それと娘のタニアの三人で切り盛りしており、特に店の看板職人であるタニアの腕は周囲からの評判が高かった。
そんなタニアの腕に心底から惚れた男がいた。王国の軍隊である「四星軍」の精鋭部隊、「シルバー・カーリッジ師団」の師団長を務める騎士、クエイダル・ラモーである。彼はリングやネックレス、バングルに至るまで様々なシルバーアクセサリーを身に付けており、銀細工を売る店には頻繁に通っていた。そしてたまたま立ち寄った店、エラティスの工房でアクセサリー作りに励むタニアに声をかけたのが、彼女と親しくなったきっかけであった。
タニアの銀細工に対する知識と情熱は確かなものであり、裏表のない真っ直ぐな性格もクエイダルの好みであった。彼はすぐさまタニアを食事に誘い、彼女も迷わずそれに付き合った。幾度となく食事を繰り返すうちに二人の仲は瞬く間に親密になり、ある時にクエイダルの方からアプローチ。それまで男性とはあまり縁の無かったタニアだが、クエイダルの想いを快く受け止め、二人は晴れて恋人同士となった。
クエイダルは訓練に明け暮れる毎日で、タニアも工房での仕事があり互いに多忙であったが、タニアは仕事が終わると必ず、彼に会いに城の裏口へと足を運んだ。
クエイダルと話せる時間はそれほど長くは取れなかったが、彼と顔を合わせ、話をするひと時がタニアにとって至福のひと時であった。
「随分遅かったじゃない。どうしたの?」
「ああ、ちょっと会議があってなぁ。どうしても抜けられなかったんだ」
詫びも入れず、言い訳を続けるクエイダルにタニアは少し不服そうな顔をした。それに気づき、クエイダルは苦笑いを浮かべる。
「それと……ちょっと言っとかなきゃいけないことがあってさ」
「……なに?」
突如話を切り返すクエイダルに、タニアは真剣な眼差しで彼の顔を見た。
「実はさ……出征することになったんだ。ちょっと北方で現地民族の小競り合いがあったらしくてさ。まあ長くて三ヶ月くらいになるかなぁ……しばらくリンゲルを離れることになるけどさ」
「えっ?」
先ほどまで怪訝そうにクエイダルを見つめていたタニアの表情が、一瞬にして曇った。
「で……いつ出発するの?」
「それがさ……明日の昼前なんだ」
「ちょっと! なんでそんないきなり……」
「でも、急に決まったことだからさ。仕方ねえだろ」
一転して怒りの表情を見せるタニアに、クエイダルはゆっくりと諭すようにそう言った。
「大丈夫だって、タニア。ちょっと現地民族の争いを仲裁してくるだけだからさ。別に戦争を始めるってわけじゃねえし」
落ち着いた口調でクエイダルはタニアに語りかけた。少しでもタニアの怒りが治まってくれればと彼は考えたのである。しかし、
「なんでそう……飄々としていられるわけ?」
クエイダルを鋭い目で睨みつけ、タニアは厳しい言葉を彼にぶつけた。
「明日から私たち、離れ離れになっちゃうんだよ? それなのに、あなたはそんなこと平気だって素振りでペラペラ話して! 私の身にもなってみてよ!」
胸の内に湧き上がった怒りをぶつけるタニアに、クエイダルはしばらく言葉を失っていた。彼女がこれほどまでに怒りの表情を見せるのを、クエイダルは今まで一度たりとも見たことがなかったからである。
彼はただ茫然と、厳しい目で自らの顔を見上げるタニアを見つめていた。その目が幾分潤んでいるのを、彼は見逃さなかった。
「私がどれだけ心配してるのか、本当に分かってるの? あなたは軍人だから出征だって慣れっこなのかもしれないけど、私にとってはあなたと付き合い始めてこんなことは初めてなんだよ。これからしばらく会えないなんて……それにもし、あなたが帰って、来なかったら、私は……」
そう言ったきり、タニアはすすり泣きを始めてしまった。座り込んで顔を伏せ、クエイダルの顔には目を向けようともしない。
「おっ……おい、泣くなって」
慌ててタニアの隣に座り込んだクエイダルだが、それ以外に何もかける言葉が浮かんで来ず、ため息をつきながら彼女の肩に手を回した。しかしその手を、タニアは思い切り振りほどく。
「おっ? ちょっ!」
「もう……今日はいいよね。これ以上……話しても喧嘩になるだけだし」
タニアは涙を拭いながら、クエイダルに背を向けてそう言った。そしてすぐさま立ち上がると、裏口前の通りを西へと一人で歩きだした。
「……参ったなぁ」
クエイダルはすぐさま追いかけようとしたが、これから出征の準備にかからなければならない身でもあるため思いとどまった。彼はただ、夕闇の街に消えてゆく恋人の背中を見つめていた。
「まあねぇ……クエイダルさんって、結構テキトーな人だからね。にしても、遅れて来たのを謝りもしないし、女心を理解する器量もないなんてねぇ。そこまでとは思ってなかったなぁ」
今、タニアと向き合っている、栗色の髪を後ろで結えた女性がクエイダルのことを辛辣に評した。
この栗色の髪の女性は名をサラと言い、タニアが子供の頃からの親友である。タニアは今、サラの部屋を訪れ、彼女に話を聞いてもらっていた。
「ご飯食べる? 残り物しかなくて申し訳ないけど」
「いい……そんな気分じゃないから」
サラの厚意をタニアは意気消沈した声で断った。俯くタニアの顔を正面から見て、さすがのサラもこれは重症だと感じていた。
「三ヶ月も離れ離れだなんて……私には銀細工を作るか、クエイダルと一緒にいることくらいしか出来ることがないのに。離れ離れになったら、私は彼のために何をすればいいの? 分かんないよ……」
「ほらほら、泣かない泣かない」
また涙を浮かべるタニアをなだめながら、サラはある事に気づき始めていた。
タニアは自らがあまりに無力であり、じきに離れ離れとなるクエイダルに対して、何もしてやれないことに対して深い悲しみの念を持っている。その念がタニアをここまで落ち込ませているのだということを。
さて、どうしたものかとサラは考えた。誰か相談できる人はいないものかと。
「そうだ、タニア。落ち着いたら、ちょっと付き合ってくれない?」
既に夜の帳も下りた頃。リンゲルの街も人通りが少なくなってきた。白色の灯が、城の前から街の郊外へと続く道を点々と照らしている。薄暗い道をサラは臆することなく歩いて行く。タニアは恐る恐る、その後をついて行った。
「ねえ、どこへ行くつもりなの?」
タニアは不安げにそう訊いた。
「私が勤めてる薬局よ。ちょっとタニアに会わせたい人がいてね」
サラはリンゲル中心街の隅にある薬局に勤める薬師であった。彼女が勤めている薬局は若い薬師が多く、彼女はその中でも姉御肌として有名でもあった。
「でも……もうこんな時間だよ? まだ人がいるの?」
「あー、うちはね、リーダーの薬師さんが新薬の研究を遅くまでやってるから、結構遅くなっても人がいるのよ……あ、もう着くよ」
といいながらサラが指さしたのは、広葉樹が立ち並ぶ一角が切り開かれた光景だった。サラとタニアはすぐさまその奥に入っていく。するとそこには「ブルー薬局」という木の看板が掲げられた真新しい店が建っていた。
店の前に立つや否や、サラは店のドアをノックした。
「エミーナ! いるんでしょ?」
しばらくして二人の前に出てきたのは、金髪のショートボブでマリンブルーの大きな瞳が印象的な少女だった。小柄で華奢な体格もあってか、随分と幼く見える。
「こんな時間にどうしたの? サラ」
「ごめんね。ちょっと話したいことがあって」
そう話すサラの隣に見知らぬ顔がいるのを、少女はじっと見ていた。
「ねえ、タニア。この子『エミーナ』って言うんだけど、いくつぐらいに見える?」
「えっ……と、十五歳……くらいかな?」
おずおずと答えるタニアに、にっこりとサラは笑みを返した。
「この子は今年で十八歳。それにね、もう婚約者までいるんだよ」
「ええっ! 婚約者!」
更に驚くタニアを見て、 サラはたまらず笑い転げた。
薬局の客間に上げてもらったサラとタニアは、すぐさま事情をエミーナに話した。エミーナは真剣な表情で、二人の話に聞き入っていた。
「エミーナさん、ちょっとすみません。ひとつお聞きしたいんですけれど」
話が終わった頃、おずおずとタニアは口を開いた。
「その、エミーナさんの婚約者って、どんな人なんですか?」
その問いに、エミーナは小さく口元を緩めた。
「私の婚約者のバールさんは、この薬局に勤める薬師のリーダーで、聖職にも就いている人ですよ。毎日薬の調合と新薬の研究で忙しくしているけど、いつも楽しそうな顔をしていますね。私も嬉しいです」
表情をさらに緩ませ、エミーナは自らの愛する人のことを語った。
「エミーナはね、バールさんが遅くまで研究に没頭してても、いつもここに付き添って身の回りの世話をしてるくらいでねぇ。 今時珍しい女の子だよね」
サラの言葉に、エミーナは頬を心なしか赤くした。しかしタニアは、先ほどからのエミーナやサラの言葉になにか引っかかるものを感じていた。
「すいません。ちょっとまたお聞きしたいんですけど。その……バールさんって、クエイダルの親友の、バール・サガシアスさんですか? かつて一緒に戦場へ行った仲間だって、クエイダルから聞いていたんですけど」
今にも消え入りそうな声でそう訊くタニアを、エミーナは真剣な眼差しで見つめた。
「そうですよ。バールさんも、クエイダルさんはかけがえのない親友だっていつも言ってます」
うなずきながらエミーナはそう言った。
「一年半以上前の事でしたね。あのころは北方の教団が兵を率いて我が王国に攻め入ろうとしていた時期でしたから。クエイダルさんはもちろんのこと、バールさんも法術の腕があったから軍に帯同して出征していたんですよね」
「もちろん……心配でしたよね。バールさんのこと」
真っ直ぐにエミーナを見つめながら問うタニアに、彼女は穏やかな表情を返した。
「心配でしたよ、それはもう。けれど私には、彼の無事を祈ることがなにかの力になるって信じていましたから。毎日、毎日、祈り続けて。私にはそれくらいしかできることがありませんでしたからね」
ゆったりとした温かい口調で、エミーナはタニアに思い出を語った。その話を、タニアは真剣な面持ちで聞いていた。
「でも、ずっと祈り続けていて気付いたんです。愛する人を大事に想う気持ちを無くさなければ、彼とは常に繋がっていることになるんだって。私はそれを信じ続けました……そして、バールさんが無事に帰って来てくれた時は本当に 嬉しかったですよ。信じ続けた甲斐がありましたからね」
穏やかな口調でエミーナはタニアに語り続ける。しかし、タニアの表情は次第に曇っていった。
「……そんなの、ただの自己満足に過ぎないじゃないですか」
エミーナが語り終わるや否や、タニアは突っぱねるようにそう言った。
「祈ることだけで、戦場で戦う男たちの力になれるって言うんですか? そんなの、ただの思い込みに過ぎないですよ」
「まあまあ、落ち着きなって、タニア」
エミーナにまくしたてるタニアを、サラがやんわりと制した。ばつが悪そうな顔で、タニアはサラをじっと見る。
「そうだ。今から聖堂に行きましょうか。タニアさん、サラ」
タニアとサラが静かになるなり、エミーナは二人に声をかけた。
「聖堂? ああ、ここの隣のね」
続いてサラが合の手を入れる。
「私もクエイダルさんをはじめ、戦場へ向かう戦士たちに祈りを捧げたいんです。二人とも、ついて来てくれませんか?」
エミーナは言いながら、サラとタニアの二人の顔を順番に見た。 サラはにっこりとほほ笑んでいるが、タニアは懐疑的な目を見せている。
「私はもちろん行くよ。タニアはどうする?」
「…………分かりました。行きましょう」
渋々ながらも、タニアは一緒に聖堂へ行くことを受け入れた。
聖堂は薬局から渡り廊下で繋がっており、ものの五分程で三人は奥まで辿り着くことができた。
聖堂の奥、質素な造りの祭壇の奥には、太陽神ベルダールのブロンズ像が祀られていた。
ベルダールは髭を生やし、衣を纏った男性の姿。左手を胸に当て、右手を前に差し出すポーズは惜しみない慈悲の心を示している。
祭壇の前に立つとエミーナは屈み、両手を組んだ。続くようにサラも同じ姿勢を取る。
「タニアさん、あなたもお祈りしてみたらどうですか? クエイダルさんや、この国の多くの戦士が、戦地から笑顔で帰って来てくれることを願うためにもね」
エミーナの問いにタニアは何も答えなかった。しかし、しばらく迷いを見せた後に、タニアはサラの隣に屈み、二人と同じく両手を組んで祈りを捧げる姿勢をとった。
「ありがとうございます、タニアさん」
エミーナの感謝の言葉に、タニアはこくりと小さくうなずいた。
祈りを捧げ、ようやく気持ちの落ち着いてきたタニアは、ずっとあることを考えていた。
(今はこうやって祈りを捧げるくらいしか思いつくことはない。それがなんの力になるのかは、正直言って分からないけれど……)
と、その時。
「タニアさん。この地に残り、愛する人の無事を祈ることしか出来ない自分に苛立ちを覚える時もあるかもしれないけれど……」
タニアのすぐ傍で祈りつづけていたエミーナが、目を閉じたまま口を開いた。
「私たちは自分自身にできることを続けていけばいいんですよ。私にとってそれが祈り続けることであるように、あなたはあなた自身が続けていけることを行えばいいのです。愛する人を想う気持ちを持ち続けるだけで、それは立派なことなんですから」
その言葉を聞き、タニアは大きく目を見開いた。そして、祈りを終えたエミーナの顔を見る。
「今……私が何をすればいいか、分かったような気がします」
タニアは落ち着いた口調でそう言った。その表情は、先程とは見違えるくらい清々しいものであった。
エミーナとサラに礼を言って別れた後、タニアは自宅の工房に足を運んだ。
既に静まり返り、辺りも真っ暗になった工房に明かりをつけ、いつも作業をしている席へと座る。そして、作業台の右にある引出しからあるものを取り出した。
「なんとか間に合うかな……ううん、言ってる間に仕上げないと!」
タニアが手に取ったのは、真ん中に石を填め込む穴が開いたままのシルバーバングルだった。
翌朝、城門の前にある広場は、出征の時を迎える騎士、兵士たちが、家族や友人、恋人らとしばしの別れを惜しんでいた。
それぞれが手土産を受け取ったり、握手を交わしたり、中には鬨の声をあげる者たちまで現れた。そんなごった返した人ごみの中、一人たたずむ赤髪の騎士がいた。
「やっぱ来てねえか。まっ、仕方ねえのかな」
呟きながらクエイダルは雲ひとつない空を見た。開き直りともとれる言葉を発してはいるが、タニアがいないことに対して内心はかなりのショックをうけているのである。
「あーあ」
今度は下を向き、足もとに落ちていた土の塊を踏みつぶそうとしたその時、
「うわっ!」
クエイダルはとっさにうわずった声を上げた。後ろから右腕をグイッと引っ張られたからである。
「浮かない顔しちゃって。そんなんで本当に出征できるの?」
すぐさま振り向いたクエイダルの視線の先には、満面の笑みで彼を迎えるタニアの姿があった。タニアはシルバーの蝶を象った髪飾りを付け、オレンジ色のドレスを身に纏っていた。
「おおっ? 綺麗じゃねえか。似合ってるぜ」
「フフッ。そう?」
驚くクエイダルに、少し照れながらタニアは答えた。しばらくその姿をまじまじと見つめるクエイダル。そしてタニアは、手に持っていた木箱から、あるものを取り出した。
「これは……」
クエイダルはそれを見るなり目を丸くした。それはアクアマリンが中央にはめ込まれたシルバーバングルであった。
「本当は誕生日に渡すつもりだったけど……今、あなたに渡したくて。お守り代わりに持っててくれないかな?」
そう言いながら、タニアはバングルをクエイダルの前に差し出した。さすがに照れを隠せず頬を染めるタニアを見てから、クエイダルは大きく頷き、バングルを受け取ってすぐさま左腕に付けた。
「ごめんね、昨日は。クエイダルを傷つけるようなことを好き勝手に言っちゃって」
「いや、悪いのは俺の方だよな。こんなに俺のこと心配してくれてんのに、気づいてやれなくてさ」
互いに言葉を交わすと、クエイダルとタニアはじっと互いの瞳を見つめあった。そして、タニアはクエイダルの胸の中に顔を埋める。
「無事に帰ってきてよね、絶対にだよ」
「ああ、分かってる!」
両手をクエイダルの背に回したまま、タニアはじっと彼の顔を見上げる。クエイダルはタニアの額を右の掌でそっと撫でた。
何度も振り返りながら城の中へと戻って行くクエイダルを見つめながら、タニアは一人思っていた。
「人を想い、その幸せを願い続けることは決して無駄じゃない。たとえ愛する人を待つ身でも、今の自分にできる限りのことをしなきゃね」
そう心に誓ったタニアは今日もまた、自らが作る銀細工に想いを紡ぐため、工房へと向かうのであった。