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異世界暗殺者のラストショット 《仲間に殺されかけた俺は、暗殺者になって引き金を引く》  作者: マコト
ダブルスタンダード《オークションを潰せ》
21/24

鍋を冥土の土産に投げ捨てる【18】

【カー カー カー】



「…話…長すぎだろカノンさん」



 現在時刻は10時20分、朝じゃない夜の10時20分だ、空はもう暗くて綺麗な三日月とヘラクレス座が見える。


 ん?あれヘラクレス座か、星座は数が多いし無理矢理のこじつけだからわからん、りょうけん座とこいぬ座なんて形同じだろ、なにが違う。


 あとロ座ってなんだ、そのロは一体なんのロなんだ。



「…はぁ10時か…うん10時だな、こんな時間だけど空いてるかな」



 カノンさん曰く、拠点には寝床があり家がない奴はそこで寝てるそうだ、一応俺のことは上の人は知ってるらしく、泊まれるだろうとのこと


 しかし、大丈夫かな暗殺者の拠点だぞ、ボルフェスみたいな奴の集まりじゃない事を祈るか。



「こんな真夜中だけど行くしかないか、社宅も自宅も壊れたし、いつまでも病室に居るのもアレだしな」



 住所を頼りにするなら、拠点は俺の目の前にあるのか家なんだが、外見はとても拠点とは思えないほど普通の家に見える。


 こう暗殺者の拠点だと知ると、この普通ぽいのが逆に怪しく見えて来る。



【カー カー カー カー カー】



 しかし、なんだろう、さっきからカラスがうるさい、そう言えば星座にもカラス座があったな、そのカラス座の神話が印象的で覚えている。



 確か…神に嘘をついたカラスがいて、それにバチギレた神が宇宙に追放し星になった、それだけでは怒りが収まらなかった神は


 星になって動けなくなったカラスの目の前に、水の入ったコップ座を置いて、喉が渇いて目の前にその水があるのに、動けなくて飲めない、そんな地獄を作り出したらしい。



 神も意地悪というか、まずコップ座ってなんだよ、センスねぇな。



【カー カー カー カー カー】



「本当うるさい、別に嫌いじゃ無いけど、こんなにうるさいと嫌になってくるな、もういっそカラス料理にした方が…」



 …やめておこう、カラス捕まえるのも時間かかるだろうし、まずカラス料理ってどうやって作るんだ。



「…………うん、寒いし入ろう」



 俺は拠点のドアを優しくトントンと叩く。


「………」


トントン


「………」


トントン


「…あれ、居ないのかな」



 さっきから何度も叩いていると言うのに、声すら返ってこない。


 カノンさんは『基本的に暇な人が多いので、どの時間に行っても誰かしら居ると思いますよ』的な事は言ったからいると思うんだが…



 カチャ



「あれ、鍵がかかってない、最初からドアが開いてる」



 ここ、暗殺者の拠点だよな、それなのにドア開いてるって、どうよ空き巣とか入り放題じゃん。


 いやコレはやれるもんならやってみろ、そう言うことか…



「あ…だ…ダレカァ〜…」



「な!?なんだ」



 俺が無駄に考察していると、拠点の奥から助けを求めるような声が聞こえてきた。


 こんな夜中に助けを求める声、そして暗殺者の拠点、事件の匂いしかしない、行った方がいいよねこれ。


 行っていいんだよねこれ、拷問だとしてもこんな街中でやるわけないし、もっと別の何かだろ。



「だ、大丈夫ですか!!」



 俺は颯爽と土足で人の拠点に上がり込み、呻き声が聞こえた部屋に行き、ドアを勢いよく開けた。


 だがドアの先には衝撃な光景が広がっていた。




「……誰か…」


「み、水ぅをぉ…」


「誰だよ、オークの肉なんか入れた奴……」



「な、なんだこれ…」


 俺が見ている光景、それは不思議な格好をした大人達が1つの鍋を取り囲んで、悶え苦しんでいる謎の光景だった。


 真ん中の鍋はとてつもなく禍々しいオーラを放っており、それを後押しするように、喉に逆流しそうになったゲロのような、キツくて涙が出そうな匂いが漂っていた。



「クッタサ!!」



 なんだこれと言うか臭すぎる、鍋から5mは離れているはずなのに、涙が出そうになる、まさかあの鍋でこうなったのか。


 この匂いやばすぎる、少しでも気を抜こう物なら一瞬で意識を持っていかれる、早くどうにかしないと。


 まず、この人達を助けるとかの話じゃない、まずこの怪物(なべ)からどうにかしないと。



「とは言え時間をかけたくない、なら…開け冥府の扉よ〈バビロン・ゲート〉」



 俺は魔法を唱え冥府と言う、あの世に繋がるドアを作り出し、鼻をつまみながら急いでその中に怪物(なべ)を放り投げ急いで閉じる。


 冥土の人には可哀想だが、これぐらいしかなかった許せ。



「誰か知らないかよくやった」


「俺の鍋!!」


「言ってる場合か、撤収だ」



 部屋の中にいたコスプレ集団は急いでこの地獄部屋から出て行った、なんなんだこいつら、なんでコスプレしてるんだ。



 まさか、こんな所で俺の切り札パート2を使わされるとは、思っても見なかった。

 

しかし匂いの元凶が無くなったと言うのに、まだ臭い。


 とりあえず、倒れている人をこの場からどうにかするか、こんな部屋に居たら呼吸すらできなくなりそうだ。



「あの…大丈夫ですか」


 俺は倒れているサンタクロースに声をかけた。


「…た、助かったよ」


「あのここで何が、悪魔の呼び出してもしてたんですか」


「いや…してない……その前に少し肩を貸してくれないか、腰をやられた」


「本当に何があった」



 俺はこの部屋から逃げ遅れた、サンタクロースの格好をしている男に肩を貸し、部屋の外にあった椅子に座らせた。


 気のせいか、この男の口から鍋の匂いがする、できれば近づきたくない。

第18話です、さて今日から1話づつの投稿となりました、何でしょうか…18話はいつもと違う感じがしました。


なんでしょう…謎の違和感のような物が書いてる時にありましたね、なんなんでしょうかこの違和感は…気づいた人は教えてくれると嬉しいんですが


なんなんですかね今回の違和感、もしかするといつもより、会話より心情の方が多いのが違和感の正体でしょうか。

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