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次の日。
朝に昨日の報告書いている中、メリーとイオはそれを気にせず寝ている。それを見たアイラは気分が落ち込んだ。そのうちイオが起きたのでアイラは報告書をイオに渡す。
約束のお昼になろうとしてもメリーは起きる気配がないので二人は起こす。
「ほらっ!起きて支度して!昨日の酒場に行くよ!」
「もーお腹ペコペコだから早く起きて~。」
「もうちょっと、もうちょっとー」
「「いいから早く起きなさーい!」」
お昼、酒場に入ると皆頭を抑えて、辛そうにしている。
(あんなに浴びるように飲んだからそりゃそうだよな。姉さんはケロッとしているのが、おかしいんだよな)
皆の介抱で忙しそうにしている酒場の娘はこちらに気がつき寄ってきた。
「お待ちしていました皆さん。皆にお話ししたら「昨日負けたから何でも答えてやるよ」と言って待っていただきました。」
「すいません、ご迷惑をおかけしまして。」
「いえいえ、どんどん聞いていってくださいね。」
ということで三人はおじさん達に聞いていくことにした。
(何事もなく見つかれば一番いいんだけどね)
まぁ、そんな願いはむなしく散り、探し人の特徴を伝えるとそれらしい話は出てきたが、一緒に昨日酒場の娘が言っていた”砦”についての情報が大量に出てきた。
「この頃どこからか賊が来たんだが、その中にそんな顔がいたぞ。」
「あいつらがいる場所は国境付近だが、柵などを作り厳重に守られていて手が出せないと思う。」
「そもそもその柵などは連中が武器を持って脅しにきて、この町の若者を連れて行って作らせている」
「頭領は金持ちらしく、人さえ出していれば賊が近隣の村を襲うことは今のところ無いようだが、いつ心変わりするかと思うと不安だ。」
「王様に陳情したいところだが、こんな国境の近くじゃ隣国との関係で取り合ってもらえなさそうだ。」
「賊の砦は簡単なつくりではなく、どんどん強固に作られているそうだ。」
「ただでさえ賊がいる事が大変だが、そこに賊の代わりに隣国の兵士が立てこもったらただではすまないようになる。」
「たまに賊が都市から女を呼び寄せたりする。そのおかげか村にはさらいに来ない。」
と言う感じに賊の情報は大体集まった。
それとは別に色々な噂も出てきた。
「どうも隣の国がこの国を狙っているらしい。」
「賊はその先発隊じゃないか?」
「いや、逆にこちらが攻めると聞いたぞ?」
これはちょっと驚く話だ、賊に気をとられている場合じゃないので後で確認しておこう。
このほかの話は他愛も無い話のようで切り上げる。
「皆さんありがとうございました。これで終わりなのでお帰りください。」
「おう、どうにかしてくれるよう伝えてくれよ!」
「姉ちゃんまた飲み比べしような!」
「今回は調子悪かったけど、今度は負けねえからな!」
おじさん達を皆で見送る。。
「ありがとう、ただ、余計な情報が大分集まったわ。」
「ほかの町から来た方に伝えていただいて、兵隊さんに賊を退治してほしい気持ちがあるんです。私どもは出来ませんから。」
「お姉ちゃん~」
イオが私の袖を引っ張る。
「腹減ったよー」
「そういえば食べていなかったわね。申し訳ないけど、ご飯お願いできるかしら?まだ食べていないもので。」
「分かりました。すぐ用意いたします。」
「そういえばこの酒場もあなた一人だけなの?」
「ええ、力がある父は砦づくりに行っております」
「そう……」