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アイラはあきらめて従い、三姉妹は街中を歩いて良い店を探す。
それは上手いとか関係なく、この近辺の情報を集めるために、人が多くにぎわっている店を選ぶのだ。
となると大体、酒場になるのだが……開いているのは一件ぐらいしかなかった。
中に入ると田舎らしくよそ者お断りの雰囲気を客から感じられる。だがよそ者お断りのほかに何かおびえているのを感じさせる。気にせずに三姉妹は空いているテーブル席に座る。するとこの店の娘が注文をとりに来る。
「今晩は、ゆっくりしていってくださいね。」
(この子も含め全員が何かおびえている感じだ。私たちの格好が変なのだろうか?女三人組で居酒屋にいるのは別に変ではないと思う……変か、変だけならいいのだが。周りは何か陰口を言っているようだ。)
「あいつら、もしかして……」
「しっ!そんなことが聞こえてみろ、この村まで……」
(なんか嫌な感じねこの店)
メリーとイオも嫌そうにしている。三人して、ため息をついた。
(私たちそんなに有名なのかしらねぇ)
(いやいやいや、初めてこの町に来たのよ?)
(もしかして私たちがかわいいから!かな!)
色々考えてるうちに目の前に料理が運ばれてきた。
「えっ!?ちょっとー、まだ何も頼んでいないわよ?」
「今日はご馳走なのか☆!」
テーブルにどんどん豪勢な料理が置いていかれる。
「いや、こうするように決まっていますので、あの砦に行く方は……」
酒場の娘は不思議なことを言うのでアイラが聞き返す。
「なにそれ?」
「えっ?あなたたちは、砦に呼ばれたのではないのですか?」
「そんなわけないでしょー第一、こんな子が呼ばれるわけ無いじゃない。」
アイラはイオの方を見て言うと、料理を食べるのに夢中で聞いていない。
「ちょ、ちょっと!イオ!何食べちゃっているの!?って姉さんまで!」
メリーももう我慢が出来なくなって、並べられた料理を食べ始めていた。
「いいじゃない、そういうことにして行くってどう?」
メリーの言葉に酒場の娘が反応する
「えっ、やっぱり……」
「よくなーーーい!すいません、この分の代金払いますので。」
「間違えたのにすいません!」
「おねぇちゃんのおかげで今日はご馳走だ!ありがとうおねぇちゃん!」
「そ、それはどういたしまして……」
酒場の娘は困惑している。アイラも困惑している。
(余計な出費になってしまった……とほほ)