漫才【つんはち】
「ゲラゲラコンテスト3」応募作品です。
ネタに上下貴賎はないですがリアルでクスリはダメゼッタイ!(合い言葉)
誤字成分も入ってますので、瑞月風花さま主催「誤字から企画」のタグもちゃっかり入れさせて頂きましたw
登場人物
谷律子/図書委員。(あだ名:谷やん→たにゃん→たーにゃん)
三木本陽/野球部。(あだ名:ミッキー、ミキポン、ポン)
放課後の教室。
三「あれ? たーにゃん、まだ残ってたの」
谷「うん、委員会長引いちゃって」
三「そんなこと言って、オレを待ってたんじゃないの?」
谷「そんな必要性、どこにあるのかしら。いや全くない」
三「おお、反語表現だよ。さすが才媛」
谷「才媛って誰のことよ?」
三「それはあなたです。たー様」
谷「たー様って。三木本君、相変わらず目が曇ってるようね」
三「(裏声で)え~どこが? ボクのシンナーのように澄んだ目が信じられないのかい?」
谷「信じられるか!」
三「は~やれやれ。自覚がない上にたーにゃんはツンはちだからな~」
谷「ツンはちって何よ?」
三「ツンデレのツン成分が多めの人。ツン8デレ2、略してツンはち」
谷「また人に変なあだ名つけて! たーにゃんもいつの間にか浸透しちゃってるし」
三「だって谷ヤンじゃおっさんみたいじゃん」
谷「それはそうだけど」
三「だったら何て呼んだらいい? リッちゃん?」
谷「それもなんか嫌! だから後ろに回って肩に手を置かない! 何のつもりよ」
三「ん~、愛情表現?」
谷「何でそういうのを照れずに誰彼さらっと言っちゃうかな~」
三「心外だなぁ。オレがリッちゃん以外に言う訳ないだろ?」
谷「いいから離れろ! だいたいHRであだ名禁止とか言われたでしょ」
三「そんな時代もあったね~」
谷「今朝の話よ! 元々は三木本君が依田先生をマスター○ーダとか呼ぶからだからね」
三「そういう遊び心を解しない風潮が現代社会の鼻詰まりの原因なんじゃないの?」
谷「そんな話で騙されないから。鼻詰まり? ああ窒息しそうってこと?」
三「ん? いまの窒息って言葉、何かエロかったかも。もう一回言ってくれる?」
谷「お断りします。何でそう思うのよ」
三「窒息っていう言葉の……」
谷「言わんでいい!」
三「いいね~今のツッコミ。オレたちコンビ組まない?」
谷「何のよ?」
三「夫婦漫才の」
谷「言い方! ……そうか、そのせいで最近ツッコミ担当とか、鬼嫁とか言われてるんだ」
三「誰だよ、そんなこと言ってる奴」
谷「えっ、遠山くんとか?」
三「ふざけんな。ちょっと言っとくわ」
(三木本、スマホを取り出す)
三「……おお、トーザン? お前、オレたちがつきあってるとか、子供もいるとかあることあること言ってるらしいな」
谷「そこまで言われてない! それにちゃんと否定して!」
三「……だからそんなんじゃねーよ。幼なじみ? そういうの何て言うんだっけ、割れ鍋に綴じ蓋?」
谷「それうれしくないやつ!」
三「……蓼食う虫も好き好き?」
谷「どっちが蓼でどっちが虫なのよ!」
三「……だから鬼嫁じゃないって言ってるだろ、馬鹿野郎。そこはかわいく「おにょめ」だろ」
谷「かわいく言っても駄目! 「おにょめ」って何! 何でさらに乗っかってくるの!」
三「……ああ、じゃあな、切るぞ。……怒んなよ、たーにゃん。「おにょめ」カワイイカワイイ」
谷「何で棒読み! 何で2回言うの!」
三「いいから落ち着けって。そんなにぶち切れんなよ」
谷「ぶち切れてません!」
三「じゃあプチ切れ?」
谷「プチって何! ……はあ、もういいわ。疲れた」
三「だったらもう付き合わない? オレたち最高のバカップルになれると思うんだけど」
谷「何でバカップル限定なのよ」
三「照れない照れない。曼荼羅でもないって思ってるでしょ?」
谷「思ってません。それに曼荼羅って、それを言うなら満更でしょ」
三「あ、満更って何かエロくない? もう一回ゆっくりはっきり言ってくれる?」
谷「お断りします。何度も言うけど、そう思うのは三木本君の心が穢れているからです」
三「(裏声で)え~どこが? ボクの覚醒剤のように真っ白な心を疑ってるのかい?」
谷「やかましいっ!」
(おわり)