プロローグ
むかし、むかし、あるところに悪い魔王がいました。
魔王は魔物をあやつり、人間やエルフやドワーフや、ホビットや獣人やなんかその多諸々を支配しようとしました。
神様はとても強いので魔王なんてワンパン余裕ですが、めんどくさがりなので自分では戦いません。
そこで手先の精霊たちに命令をしました。「お前ちょっとやってこい」と。
精霊はしぶしぶ従いましたが、魔王はとっても強いので、もしかしたら自分たちが消えてしまうかもしれません。
別に人間その他もろもろが魔王に支配されようが精霊にはどうでもいいのに、そんなリスクは冒したくありませんでした。
そもそも自分たちの問題なんだから、自分らでどーにかしろよ、と思いました。
でも弱い人間その他もろもろでは、いくら数を集めても魔王には勝てません。
仕方がないので精霊は人間その他もろもろに自分たちの力を分け与えることにしました。
そして、勇者が生まれたのです。
勇者は頑張りました。精霊の力を宿しているのでそこらの魔物なんてバッサバッサ倒せます。
でも世界は広く、1人で魔王を探す旅をしている間に人類その他もろもろはいよいよヤバい感じになってきました。
そこで勇者は精霊に願いました。「いい加減に人増やさねぇとおめぇらぶっ殺すぞ」と。
勇者は全ての精霊の力を少しずつ宿しているので、単体の精霊ではマジで殺されてしまいます。
びびった精霊たちは他の人間その他もろもろにも力を分け与えることにしました。
でも人を増やすといっても何人増やせばいいのか、それに勇者みたいに自分たちより強い人間がたくさん増えても困ります。
考えるのがめんどくさくなった精霊は全員に少しずつ力を分け与える事にしました。
それがスキルと呼ばれる力になりました。
精霊は超適当なので使えるスキルもあれば、全然使えないスキルもありました。
それでも使えるスキルの人たちが街を守る事で、魔物の侵攻は食いとどめる事ができるようになりました。
勇者は強力なスキルを持った人たちを集め、ついに魔王を滅ぼしたのでした。
めでたしめでたし。
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これが、全ての始まりだった。
揺れる木々の間から、宝石みたいに散りばめられた満天の星空が僕らを祝福していた。
炎が消え、ほんの少しだけ赤みを残した薪が、物語のはじまりを予感していた。
僕らは巨大な竜の尾に腰を掛け、英雄の話を聞き、そして紡がれていくであろう自分たちの物語に胸が高鳴っていた。
最後に英雄はこう言った。
「私にみせて。あなた達の物語を」
とりあえず自分が読みたい話を書きました。
皆が読みたい話にアジャストしていきたいので、感想貰えると嬉しいです。