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明かされる真実、そして『ブレイカーズ』

敵組織の幹部陣紹介。

 周囲が静寂に包まれる中、パチパチという拍手の音がまばらに聞こえてきた。


『ギギィ!』


 同時に戦闘員達は姿勢を正して二列に整列する。


「……?」


 リクは力の抜けた体に無理やり力を入れると、顔を戦闘員達の方に向けた。


 そこには特撮の戦闘員その物の姿をした集団以上に、個性とインパクトがある者達がリクを見下ろすような形で立っていた。


 中央には詰襟の軍服とマントを着用し、ひじきを思わせる縮れた髪の毛が印象的な筋骨隆々としたアジア系の男性がニヤニヤとした笑みを浮かべており、

 その向かって右側には黒曜石のような黒髪を肩まで伸ばして白衣を纏った男性がタブレット端末を片手に持ちながら観察するような視線をリクに向けている。


 軍服の男性から見て左側には、絵本に出てくる魔法使いか、歴史書に描かれた古代ギリシャ人が着るような純白のローブを纏った金髪碧眼のヨーロッパ系の女性が立っていた。プロのグラビアモデルも裸足で逃げ出すような・・・まるで女神のような美貌を持ちながら、同時に全身から氷のような冷たさを漂わせている。


 その女性の更に左側には、中央の男性と同じく軍服を着用し、その上からカーキ色のコートを羽織って、頭部全体をガスマスクで覆い隠した4人の中で最も異様な人物が立っていたのだった。


「テストは終わった。お前は完璧だ」

「……防御力、攻撃力、武装の性能に身体能力……全て我々の想定通り……いや、それ以上の数値を記録していますね。素晴らしい……」


 軍服にマント姿の男性が勝ち誇るかのような笑みを浮かべる傍ら、白衣の男性は手にしたタブレット端末を見ながら無表情でありながら喜びのこもった声で呟く。


 もはやリクの頭は限界だった。


「あ……あんた達誰だ?ここはどこだ?何がどうなってんだ?う、ウミオは?俺と一緒にいた奴はどこにいるんだ?」

「落ち着きたまえ、少年(ユーゲント)。大丈夫、何の心配もいらない」


 興奮した様子で頭の中に浮かんだ疑問を早口でまくし立てるリクをなだめるように、ガスマスクの人物……声から判断して男性のようだ……が流暢過ぎてネイティブ発音にしか聞こえないドイツ語を混ぜながら優しく声をかけたが、リクからしたらこんな訳の分からない状況で落ち着ける訳がない。更に混乱してきた。


「フゥ・・・」


 そんなリクを眺めていたローブ姿の女性の口からため息が漏れた。何気ない行動一つとっても、見とれてしまいそうな程美しい女性だ。


「混乱するのも無理は無いわね……順番に説明した方が良いんじゃない?」

「そうだなぁ……よし、説明してやろう」


 ローブ姿の女性の提案に軍服にマント姿の男性が賛成した。


「まず一つ目、『俺達が誰か?』。俺達は……『ブレイカーズ』だ」

「ぶ、『ブレイカーズ』?」


 リクは軍服の男性の口から出た言葉をおうむ返しで繰り返した。


「そう、『ブレイカーズ』だ!弱く愚かな現在の人類を『絶対的強さ』によって支配する事で、『真の平和』を与えるために集まった『真の強者』の集団……それが、『ブレイカーズ』だ!まぁ……政府の奴らからは『テロリスト』扱いされているがなぁ……クックックッ」


 芝居がかった口調で宣言すると、軍服の男性は何が可笑しいのか笑い声を漏らした。


「そして……俺がブレイカーズの大首領、『剣神龍次郎つるぎがみりゅうじろう』様だ。それと……」


 どや顔で自己紹介すると軍服の男性……剣神龍次郎はおもむろに頭の軍帽を脱ぐ。

 彼の頭に生えたひじきのように縮れた髪の毛が野原の草のように揺れ動いたかと思うと……


「キュー!」


 龍次郎の縮れた髪の毛の間から小さな動物が顔を出した。

 縞模様の混じった茶色の体毛に口からはみ出た前歯と大きな尻尾……それはシマリスだった。


 そのシマリスは龍次郎の頭から龍次郎の右肩へと跳び移り、龍次郎は自分の肩に跳び乗ったシマリスの小さな頭を、左手の人差し指で優しく撫でた。


「……コイツは俺の親友、『チャメゴン』だ」

「キュー!」


 龍次郎に紹介されてシマリスことチャメゴンは右前肢を上げて『よろしく!』と言わんばかりに一鳴きした。


「同じく……私はブレイカーズ大幹部、『ドクターケイオス』です。『カオス』じゃありませんよ、『ケイオス』です。お間違い無きよう、お願いいたします」


 続いて、黒髪白衣姿の男性……ドクターケイオスが自己紹介した。

 白衣姿に『ドクター』という肩書き、先程からの観察するような視線から、学者なのだろうかとリクは思った。


「同じく、私はブレイカーズ大幹部の一人『大神官ミュートス』よ。まっ……ホントは神様なんて信じて無いんだけどね」


 ローブ姿の女性……大神官ミュートスは皮肉混じりの口調で自己紹介した。

 なるほど、純白のローブに身を包んだ姿はまさにファンタジー作品に登場する神官を思わせる。ピッタリの肩書きだ。


「同じく!私はブレイカーズ大幹部の一人!偉大なるドイツ民族の血を引くぅぅぅ……『クラウス将軍』であります!」


 最後にガスマスク姿の人物……クラウス将軍が所々巻き舌を混ぜた口調でポーズを決めながら自己紹介した。


 『ドイツ民族の血を引く』という発言を聞き、リクは改めてクラウス将軍に視線を向けた。


 なるほど。言われてみれば龍次郎が着ている詰襟の軍服は日本史の教科書などに載っている戦前・戦中の日本軍の物に似ているが、一方のクラウス将軍が着用しているカーキ色のコートと軍服は、戦争映画や古いアクション映画などに出てくる昔の……具体的には、アドルフ・ヒトラーが第三帝国がどうのこうの言ってた頃のドイツ風のデザインをしている。


 もっとも、服やコートに刺繍されているエンブレムは悪名高き『ハーケンクロイツ』ではなく、『翼を広げた西洋風の(ドラゴン)』だった。


 一通り自己紹介が終わると、幹部陣を代表するように龍次郎がリクに向き直った。


「……二つ目、『ここがどこか?』だったな。関東某所にあるブレイカーズの基地の一つ……とだけ、言っておこう。詳しい住所とかは聞くなよ。俺も知らねぇんでな」

「……それはそうでしょう。そもそも、住所も番地も元からありませんもの。登山ルートからも外れた山奥の地中に、無許可で建設された施設ですからね。ここは」


 龍次郎の言葉をドクターケイオスが補完する。

 山奥の地中。どおりで窓が一つも無い訳だ、とリクは変な所で感心した。


「……で、三つ目、『何がどうなっている』……簡単な話さ。お前は選ばれたんだ。偉大なるブレイカーズの一員になぁ!」

「キュキュキュ-!!」


 龍次郎の宣言に続いて、その肩に乗っているチャメゴンが満面の笑みを浮かべながら小さな前肢でポムポムと拍手をした。


おめでとうイッヒ・グラトゥリーレ少年(ユーゲント)!今日から君は、我々の『同胞』だ。歓迎するよ」

「幸か不幸かで言うなら、間違いなく『不幸』だけど……よろしくね、新入り君」


 歓迎ムードを漂わせるクラウス将軍とは対象的に、ミュートスはどこか哀れみを含んだ視線を向けていた。


「私としても完成した検体が増えて嬉しい限り……」

「ち……ちょっと待ってくれ!」


 ドクターケイオスの言葉を遮り、それまで黙って龍次郎達の話を聞いていたリクが、ようやく口を開いた。


「え、『選ばれた』?『ブレイカーズの一員』に?……どういう事だよ、それ?俺、まだ学生……高校生だぜ?何でそんな奴、メンバーに入れるんだよ?俺よりもっとふさわしい奴とか……たくさん居るだろう?」


 そう。リクが龍次郎達の話を聞いて真っ先に抱いた疑問がこれ。


『何故自分がブレイカーズのメンバーに選ばれたのか?』。


 話を聞く限り、『ブレイカーズ』は『テロリスト』として認識されている集団らしい。

 そんな団体が何故、一介の高校生でしかない自分をメンバーに入れるのか?リクには理解できなかった。


 確かに、剣道部主将として大会で優勝した経験はあるし、段位も所持している……だがそれはあくまでも、『学生同士』の『スポーツ』として通用するレベルであり、『実戦の経験』など持っていない。


 学業の成績だって平均レベルだし、お世辞にも知的な人間とは言えない。

 かといって、生まれてこのかた故意の犯罪を犯した事も、麻薬に手を出した事も一度も無い。


 リクにはどう考えても、自分が非合法な組織が求めるような人材には思えなかった。

 まだその辺の路上にたむろするチンピラをスカウトした方が、マシに思えるくらいだった。


「あ、それは私が説明します」


 リクの様子を見かねて、ドクターケイオスが前に出てきた。


「まぁ……端的に言うと……君には『適合性』があったんですよ。『改造人間化手術』のね」

「……えっ?」


 『改造人間』なる不穏な単語を耳にして呆けた顔になったリクを尻目に、ドクターケイオスは無表情のまま淡々と言葉を続けていく。


「我がブレイカーズのメンバーは大首領閣下並びに私を初めとする幹部陣含め、大半が肉体の大部分を機械化させた戦闘用改造人間……いわゆる戦闘用の『サイボーグ』で構成されています。しかし、改造人間化手術は美容整形手術などと違って、誰もが気軽に受けられるものではありません。適合性を持たない者が改造を受けたならば、最悪の場合、即死……運良く生き残ったとしても廃人になります……しかし、幸運にも君には改造人間化への『適合性』があったのです」

「か、改造人間……?戦闘用の?は、ははは……冗談だろ?」


 リクは乾いた笑い声を漏らしながらドクターケイオスの言葉を否定した。


 そんなSFみたいな話、『はい、そうですか』と信じられる訳がない。


 しかし、ドクターケイオスは末期癌の患者に告知する医師のように冷静な口調のまま「いいえ、事実です」と首を振りながら告げた。


「君だって、自分の目で見て、自分の体で感じたでしょう?銃弾の雨にも傷付かない体、簡単に2、30mもジャンプしてパンチ一発で自動車をスクラップにしてしまえる程の身体能力、チェーンソーも容易く破壊できる剣……あれを全て、幻覚かトリックとでも言うつもりですか?」

「そ、それは……」


 ドクターケイオスの言葉にリクはぐうの音も出なかった。


 確かに先程までの常識外れなシーンは全て、他でもないリク自身が行った事だ。

 あれは決して幻覚などではないし、何かしらのトリックとも思えない。


 自分の体の事は、自分自身が一番分かるというものだ。


「……我がブレイカーズの改造人間は、その外見や能力のモチーフによって幾つかのタイプに別けられます」


 ドクターケイオスは瞳に狂気を宿らせながらも、淡々とした口調で説明を続けていく。


「ドラゴンやグリフォンといった伝説上の怪物をモチーフとした『伝説獣型』……ギリシャ神話のゼウス、北欧神話のオーディンなど、世界各国の民族に伝わる神話の神々をモチーフとした『神話型』……中国の関羽、日本の源義経といった歴史にその名を残す偉人や英雄をモチーフとした『英雄型』……そして、現在開発が進められているのが、地球を初めとする太陽系の星々をモチーフとした『惑星型』……」


 ドクターケイオスは改めてリクを指差した。


「……君はその一つ、地球唯一の衛星・『月』をモチーフとした惑星型改造人間となったのですよ。氷山リク君……いえ、惑星型怪人『ムーンモストロ』!」

「む、むーん……もすとろ?」


 突然奇妙な名前で呼ばれ、リクはその名をおうむ返しで繰り返した。


「君のコードネーム……新しい名前です。ご不満なら、もっとカッコいい名前を後で考えておきましょう」


 リクは状況に付いていくのがやっとだったが、一方のドクターケイオスは一周回って清々しさすら感じられる位のどや顔を決めていた。


「で、最後の質問。『お友達はどうしたか?』……」


 どや顔を決めているドクターケイオスを脇に置いて、龍次郎が口を開いた。


「……心配すんな。お前のお友達も改造手術の適合性があってな。めでたくブレイカーズの仲間入り……って訳さ。これからは二人仲良く、ブレイカーズの為に働いてくれ。はっはっはっ!」

「キュッキュッキュッ!」

「……」


 龍次郎とチャメゴンが腕を組んで豪快に笑う一方、リクは目を見開いて、視線を床に向けた。


「……ふざけんなよ」


 リクは呟いた。


「人を勝手に拉致して……勝手に体を弄くって……戦闘用の改造人間だぁ~?」


 顔を上げたリクの瞳には怒りの炎が灯っていた。


「ふざけんのもいい加減にしろよ!お前ら、人間を……」

「『何だと思っている』……ですか?お決まりのセリフですねぇ」


 怒りの込められた視線を向けられながら、ブレイカーズ幹部陣は顔色一つ変えなかった。


「……まさか、自分と友人だけがこんな思いをしているとでも思っているんですか?お気楽ですねぇ」


 ドクターケイオスはできの悪い生徒を嗜める教師のような視線をリクに向けると、手元のタブレット端末を操作した。


 すると、リクの真後ろの床の一部が動きだし、舞台上の奈落のように大きな穴がポッカリと姿を現した。


次にその奈落の穴から『何か』がせり上がってきた。


「!?」


 奈落の穴からせり上がってきた物の全容を目にし、リクは言葉を失った。


 それは人間で出来た小山だった。一人二人の人数ではない。

 数十人以上の、年齢も性別もバラバラな人間の、『死体』が折り重なってできた小山だった。


 小学生くらいの子供もいれば、リクと同い年程の少女もいる。

 白髭白髪の老人もいれば、太めな体型の中年女性もいる。

 唯一共通しているのは・・・『全員、先程までのリクと同じ純白のマフラーと銀色のコスチュームを身に付けていること』だった。


「……『これら』は全員、君以前にムーンモストロへと改造し、適合できずに死亡した者達です」


 ドクターケイオスは感情が一欠片も混じらない、機械的な口調で説明を続けた。


「君という『完成体』が出来上がるまでに、58人も被験者を無駄にしてしまいました……」


 リクはその言葉を聞いた時、自身の耳を疑った。


 58人。


 自分以前に、それだけの人数が無理矢理浚われ、体を弄くられた末に死んだというのか。


「改造手術の費用だってタダじゃないのに……58人ですよ?改造人間化への適合性は個体差が大きい分、外れた時は大損も良い所なのが唯一の欠点なんですよねぇ・・・」


 ドクターケイオスは悪びれる様子も罪悪感に震える様子も見せず、ただ事実だけを口にしていた。


 まるで、『実験用のモルモットを大量に無駄にしてしまった』みたいな軽い口調で、だ。


「まぁ、おかげで研究データはそれなりに揃いましたし、君という完成体も生まれた……彼らは『尊い犠牲』という奴ですね」


 何が嬉しいのか、ドクターケイオスはうむうむと頷いていた。


 一方、リクは目の前で山のように積み重なった死者達から目が離せなかった。


 死者達の光の宿っていない瞳の一つ一つが、言い知れぬ恨みが込められているようにリクには思えてならなかった。


「……うっ!」


 死者達からの物言わぬ視線に耐えきれず、リクは吐き気を催して口を抑えた。


「ぐはっ!……おぇっ!」


 そしてリクは、胃袋の中身を盛大に吐き散らした……と言っても、拉致される前に食べた昼食やお菓子はとっくに消化されてしまったらしく、酸っぱい匂いのする黄色味がかった胃液だけが床に水溜まりを作ったのだった。


「大丈夫かね、少年(ユーゲント)?」


 リクが床に胃液の水溜まりを作っていると、クラウス将軍が駆け寄ってきてリクの背中を優しくさすり始めた。


「……心配する事はないよ、少年(ユーゲント)。君がそのようなある意味『人間(メンシュ)らしい』反応を示すのは、(ゲヘーアン)の調整がまだだからだ。調整が済めば、君の頭の中から『無駄な物』は全て消え去り、『必要な物』だけが積め込められるだろう」


 クラウス将軍は怖がる小さな子供をあやすような優しさのこもった口調でリクに語りかけた。


「……ぁ?」


 リクは吐き気をこらえながら顔を上げると、クラウス将軍のガスマスクに覆われた顔に視線を合わせた。


「な、なんだよ『無駄な物』と『必要な物』って?」

「……ん?」


 リクからの質問に、クラウス将軍は一拍おいてから断言するような口調で答えた。


「『無駄な物』とは……『人間・氷山リク』として生きてきたこれまでの全ての記憶と感情。そして『必要な物』とは……我らブレイカーズ、ひいては我らが大首領(マイン・フューラー)・剣神龍次郎閣下への忠誠心だ!」


 はっきりそう断言するクラウス将軍のガスマスクのゴーグル部から透けて見える瞳には、カルト宗教の信者のような……いや、下手をするとそれ以上の狂気すら感じる『何か』が宿っていた。


「う……うわぁぁっ!!」


 リクは優しく自分の背中をさすり続けるクラウス将軍の手を払いのけ、逃げ出そうとした。


「が……あぁ……」


 だが、どんなに力を込めようとしてもリクの体は鉛の重りを付けられたようにゆっくりとしか動かすことができず、クラウス将軍や他のブレイカーズ幹部陣からろくに離れることもできなかった。


「……ブレイク・ソルジャー、取り押さえなさい」

『ギギィ!』


 それまで黙って傍観していた大神官ミュートスが戦闘員……どうやらブレイク・ソルジャーというらしい……に命令を下すと、床を這いずっていたリクはあっさりと2名のブレイク・ソルジャーに取り押さえられてしまった。


「や、やめろぉ……!離せぇ……!」

 リクは必死で抵抗……しようとはしたものの、体に全く力が入らず、拒絶の叫びを挙げることしかできなかった。


「……無駄ですよ。君の体内エネルギーはさっきの性能試験で空になりましたからね。エネルギーをチャージしなければ、君の『改造人間としての肉体』は君自身の枷にしかなりませんよ」

「うぅ……」


 ドクターケイオスの言葉に、リクは唇を噛み締めて悔し涙を流すことしかできなかった。


「よぉ~し、それじゃあ手術室に連れていけ。脳の調整が済めば、こいつはブレイカーズの忠実なしもべに生まれ変わる筈だ」

『ギギィ!』


 龍次郎の命令を受け、ブレイク・ソルジャーはリクを無理矢理立たせて連行していこうとした。


「く、くそぉ……」


 リクは悔し涙を浮かべることしかできなかった。



 その時だった。大きな爆発音が室内……どころか、建物全体に響き渡ったのは。

まさかの急展開。

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