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なるべく早めに倒したいね

ちょい早めに投稿出来ました!

 鉱山の入り口付近にいるスライムは粗方掃討し、俺とスフィは鉱山の中へと足を踏み入れた。


 ここは初心者用ダンジョンなので壁には松明がずらりと並んで備え付けられており、視界に困ることはない。


「今回のクエスト目標はスライム種30体の討伐か……。さっきの調子なら俺達だけでいけそうだな?」

「そんなの普通は無理だよっ!? 俺達というか、レイン君が凄いんだよ! いつも弓の練習頑張ってたの知ってたけど、頑張ったらあんなことまで出来るんだね!」


 俺がスフィに微笑みかけると、彼女は興奮しながら頷いてくれた。


 九歳児の言葉とはいえ、褒められるとめちゃくちゃ嬉しいな! 俺はPIOのプロゲーマーで我ながら努力家でもあったけど、ゲーム頑張っても心から褒めてくれる女の子は全然いなかったんだよね……。


 努力を誉めてくれたのが嬉しくて、割と洒落にならない勢いでドキドキしてしまう。肉体年齢は十歳なんだからセーフな筈だ、俺はロリコンじゃない、俺はロリコンじゃない……。


「よ、よし! じゃあ頑張ってスライム倒しちゃうぞぉ!」


 九歳児に褒められてやる気が出ちゃうのは我ながら情けない気もするけど、こうなったら格好悪いところは見せられない。さっさとスライム三十匹倒して、二人っきりで不安がっている彼女に安心させてあげよう。


「【並行作業】・【弓術】・【散弓術】・【高速装填】・【索敵】・【索敵範囲拡大】・【鷹の目】!」


 俺は【並行作業】でスキルの使用可能上限を増やし、本来なら有り得ない数のスキルを同時に使っていく。

 複数の矢を同時に放てるようになる【散弓術】と【高速装填】により、3秒につき2匹くらいのスライムを倒していった。周りにもっとスライムが多ければ、楽勝でクエスト終わったのにな。


「あれっ、使えるスキルの数多すぎないレイン君!? というか、そんなにスキル使ってどうして混乱しないの!?」

「ははは、スフィだって練習すれば出来るようになるよ」


 大人しい彼女が声を張り上げるくらい動揺したのが面白くて、俺は思わず笑ってしまった。笑われたスフィがぷくーっと頬を膨らませるの、ちょっと可愛すぎないか?


 俺は軽く謝りながらスライムに飛ばした矢を拾い、【弓術】のレベルに任せて無理矢理弓に番えて放つ。威力は落ちても普通にスライムを貫通し、【消耗品再利用】ってスキルも手に入れた。順調だな。


「しかもこれで――っと!」


 遠くにいたスライムに矢を命中させた途端、俺の【弓術】スキルがちょうどlv150になった。スキルレベルが50の倍数になった事により、選択肢の中から純派生スキルを選んで習得することが出来る。


 【蛇行射撃】や【爆発矢】などlv100の時より選択肢が増えていたが、今回とるスキルは元より決めていた。


「てい。【背後射撃】」

「えええええええええ!?」


 俺が新たに習得したスキルを発動すると、俺の放った矢が背後に向かって飛んでいった。

 【索敵】と弓の技術により放った矢は全て命中していき、俺が歩くだけで全方位のスライムが死んでいく。なんかもう殺戮兵器みたいになってきたな。


「お……おかしくない!? なんで弓矢が後ろに飛んでいくの? そして何より、なんで普通に当てられてるの!?」

「練習だよ練習」

「普通の練習じゃ、絶対無理だと思う……」


 俺が言い切ると、スフィは魂が抜けたような顔でそう呟いた。いつもは大人しいぶん、驚いたときの反応が大きくて面白いな……。


 まぁ【背後射撃】は追尾してくれるわけじゃないから、大分練習が必要なのは確かだ。プレイヤースキルが求められる技だったから、ゲームでも俺以外には不評だったな。


「そもそもそんなスキル、いつ覚えたの……?」

「今」

「えっ。スキルレベルって、一日で1上がれば良い方だよね!?」


 彼女の質問に短く答えると、すごい勢いで仰天された。確かに記憶を取り戻す前は俺もそれくらいの伸び率だったけど、でもPIOの難易度考えたらそれじゃ生きていけない気がするんだよね……。


「多分、スキルをもっと全力で使ったらスキルレベルも上がりやすくなると思うよ?」

「レイン君はどれくらい上がったの?」

「昨日と今日でスキル10個くらい覚えたから、150くらいは上がったかも」

「私、昨日から2上がって喜んじゃってた……」


 俺が言うと、スフィがちょっと涙目になってしまった。うわぁ、悲しませるつもりはなかったのに!


 内心かなり慌てながら、俺はスフィを宥めた。


「スキルレベルが気になるなら、いつか一緒にスキルの練習をしようよ。練習法とかアドバイスできるかもしれないし」

「ほ、本当っ……!? ありがとうレイン君!」


 そう言うと、スフィはとても純粋な笑顔を浮かべてくれる。彼女が今後危険な目に遭わないためにも、一緒に修行してあげた方がいいな。


 全方位に矢を放ってたからスライムを50匹くらい倒せたし、取り敢えず今はニア達と合流して宿に帰るか。まだまだ全然パワーインフレ出来てないから、はよ修行したいんだよね。


 俺はポケットの中にスライムをギュウギュウに詰めて【強制収容】スキルを習得しながら、ニア達を探しに行くのだった。



レイン・エドワーズ

射手lv.4

【弓術】lv.153

【散弓術】lv.31

【高速装填】lv.40

【背後射撃】lv.5

【近接射撃】lv.23

【緊急回避】lv.15

【投擲】lv.52

【空握】lv.5

【投擲許容量増加】lv.15

【索敵】lv.91

【索敵範囲拡大】lv.15

【砥ぎ師】v.47

【足払い】lv.10

【回し蹴り】lv.7

【風転撃】lv.5

【浮遊】lv.1

【単独撃破】lv.3

【並行作業】lv.30

【鷹の目】lv.16

【消耗品再利用】lv.8

【強制収容】lv.2

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