聖弓の使い方
申し訳ありません、本日はこれが最後の回になると思います!
九月はこれからも忙しくなりますが、毎日三話投稿はする予定です…!(強い覚悟)
洞窟に向かって、聖剣という名の聖弓を構える。
そこに番えた普通の矢を放つと、前方にいた魔物が風圧だけで押し潰されていった。ゴツゴツだった岩肌が、心なしかつるつるになってる気がするね。
「うん、流石は聖剣。やっぱなかなか強いな」
「なかなかって火力じゃないよレイン君!?」
聖剣が思いの外良い出来になった事に満足していると、スフィが聖剣を過剰に褒めた。
「いや確かに強いんだけど、これが聖剣だと思うとどうにも釈然としなくてなぁ……」
「一体レイン君は何を目指してるの?」
「レインに装備を作ってもらうの、なんか怖くなってきた……」
スライムスーツで十分かも、とニアが自分の身を抱く。実際それ防御力高いけどね。
「スフィ達に装備を作る事を考えたら、自分の装備を作るにも妥協は許されないからな。……よし、使いどころは限られるけど、弓の高火力を活かした改造を施してみるか」
俺はそう言って、聖剣……まぁめんどいから聖弓で良いけど、それの弦をマリンドラゴンから抜け落ちた髭へと付け替えた。
竜種の体毛は堅い割に竜の意思で動かせるほどの柔軟性もあるため、弦の素材としては最適だ。しかし自力だけじゃ上手く引けないほど硬い、という難点も持ち合わせている。
「よしっ、じゃあもう一回試射を……」
「おっ、いたぞ! 幹部殺しの小僧だぁ!」
俺が再び洞窟に向かって試射をしようとすると、上空から矢が降ってきた。それを空気の揺れ動く音で察知し、なんとか【緊急回避】で避ける。
む、洞窟の外だったから警戒を怠ってたな。
「俺が幹部を殺したと知ってるってことは、お前も魔王軍幹部の部下か?」
「ひはは、その通りさぁ! 我らは魔王軍空中部隊の先遣隊っ! 空からの攻撃なら防ぎきれまいっ!」
空を仰ぎ見ると、羽の一本一本が矢になっているバードアーチャーという魔物が空に連なっていた。
確かに空中の相手は厄介だ。この距離でも狙撃をする事は出来るけど、防御に力を避けない分スフィとニアに危険が及んでしまう。
防御より攻撃を優先したスキル構成が、こんな所で仇になったな。
「このままだと危険だな……」
「レイン君でも危険と思う状況なの!?」
「ああ。スフィ、ニア、ちょっと俺につかまってくれ」
「つかまるって、あんた何を……」
説明している時間もなかったので、俺は【空腕】で二人を抱き寄せた。
それから、先ほど作った聖弓を構える。
「はっ、今更弓など構えたところで遅いわっ! 我らの殆どは死ぬだろうが、元より相討ち覚悟……。貴様さえ倒せれば魔王軍に怖いものなどないわあっ!」
「【豪腕】!」
魔王軍が強い覚悟を示しながら矢を放ってきたので俺は【豪腕】を使い、本来なら動かすことも出来ない聖弓の弦を振り絞った。
それから――弓を下に向けるっ!
「レイン君!? 何して……」
「いっけえええええっ!」
俺は地面に向かって【弓術】を乗せた矢を放ち、その反動で……飛んだ。
改造された聖弓によって火力も勢いも何十倍かに引き上げられた弓は、反動だけで子供三人分を後ろに吹っ飛ばす力があるのだっ!
「と、飛んでるううううううっ!?」
「矢を放っただけよねあんた!? なんでっ、なんで私達飛んでんの!?」
「そりゃ、聖弓は優れた移動手段だからだな」
動揺するスフィとニアに答えてから、俺は攻撃を避けられて呆然としている魔王軍達に空の上で弓を向けた。
奴等は気を取り直してこちらに矢を放ってくるが、俺達が矢を放つ度に遥か彼方まで逃げるので攻撃は全く当たらないっ!
「しっかりつかまっとけよ二人ともっ!」
「うわああああああああっ!」
四方八方にビュンビュンと飛びながら、そのついでのように魔王軍の手下達を倒していく。
奴等の攻撃は一度もかすることなく、俺は先遣隊のボス以外を倒しきった。
「ふぅ、ここまできてようやく聖弓と認めてやっても良いかな」
俺はそう言いながら、地面に向かって何度も矢を放ちまくって滞空する。
辺りは綺麗な青に包まれ、眼下には雲が見えていた。
「き、綺麗……」
「ああもうっ、意味分からない状況なのに……。レインが格好よく見えちゃうのなんでなの!?」
彼女達は落ちないように、俺の体にギュッとしがみついてそう言った。
「お、お前……なんなんだよっ! ほんと意味分からねぇぇぇぇっ!」
先遣隊のボスが、雲の下で呻いている。
だが空まで来れば、相手の矢など当たらない。俺は安心して狙いをつけ、相手を聖弓の矢で倒すのだった。
レイン・エドワーズ
射手lv.6/剣士lv.5/調教士lv.6/魔人lv.2
【弓術】lv.281
【散弓術】lv.102
【爆散弓術】lv.4
【千弓術】lv.49
【高速装填】lv.57
【自動装填】lv.30
【強制装填】lv.46
【技能装填】lv.39
【背後射撃】lv.22
【音速矢】lv.19
【中継矢】lv.12
【近接射撃】lv.25
【剣術】lv.123
【遠隔剣術】lv.35
【閃光剣】lv.1
【剣防御】lv.8
【瞬突】lv.15
【回転斬り】lv.38
【加重剣】lv.2
【大剣術】lv.4
【超大剣術】lv.5
【調教】lv.41
【魔物保有数向上】lv.48
【従魔覚醒】lv.37
【従魔活性化】lv.42
【魔人化】lv.15
【緊急回避】lv.38
【投擲】lv.93
【空握】lv.51
【空腕】lv.12
【投擲許容量増加】lv.24
【索敵】lv.135
【索敵範囲拡大】lv.31
【弱点捕捉】lv.27
【砥ぎ師】v.51
【過剰砥刃】lv.35
【足払い】lv.28
【回し蹴り】lv.39
【風転撃】lv.48
【浮遊】lv.58
【浮動】lv.1
【単独撃破】lv.34
【並行作業】lv.43
【鷹の目】lv.26
【消耗品再利用】lv.25
【強制収容】lv.46
【愛撫】lv.72
【高速振動】lv.37
【創造】lv.90
【素材調合】lv.24
【魔王の血脈】lv.49
【狙撃】lv.27
【頑丈】lv.18
【一極集中】lv.10
【熱耐性】lv.3
【魔物合成】lv.43
【俊足】lv.9
【威圧】lv.32
【夜の声】lv.5
【魔力流】lv.12
【恐怖吸収】lv.48
【闇属性攻撃力上昇】lv.2
【水泳】lv.12
【剛腕】lv.43
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